日銀の政策に対する反応

 [2012-10-30] 今日は日銀の発表について書いていきたいと思いますが、まずは昨日のFXブログで紹介したアメリカのハリケーンについてですが、一部試算では1500億円経済損失が出るとの予想が出ていたものが、本日確認すると1.5兆円にまで膨らんでいました。

 さらに、私の情報確認の遅れでNY市場が早めのクローズと設定されていたものが、実際は完全にクローズとなる報道が出ていた事にFXブログを書いた後で気が付いてしまいました。

 そして、どうやら本日もクローズ方向で報道が流れているのですが、まとまった取引の動きがオープンと同時に出るのかな?と言った雰囲気で見ています。

ドル円日足10月30日

 さて、上はいつものようにドル円の日足チャートですが、やはり○で囲んだ高値を意識しての上値が重い展開となっています。

 私のトレードは、レンジ内で収まる事を見越して一発ショートを入れましたが、余りに落ちが悪いので数pipsで撤退しただけで、日銀の発表が有ったので何もトレードができていません。

 では、今日の日銀の発表ではどのような内容が出たのでしょうか?日銀のホームページによると以下のように紹介されています。

 「 以上の経済・物価情勢について、「中長期的な物価安定の目途」を念頭に置いたうえで、2つの「柱」による点検を行い、先行きの金融政策運営の考え方を整理する。

 まず、第1の柱、すなわち先行き2014年度までの経済・物価情勢について、相対的に蓋然性が高いと判断される中心的な見通しについて点検する。前述のとおり、わが国経済は、当面横ばい圏内の動きにとどまるとみられるが、国内需要が全体としてみれば底堅さを維持し、海外経済が減速した状態から次第に脱していくにつれて、緩やかな回復経路に復していくと考えられる。消費税率引き上げの直接的な影響を除いた消費者物価の前年比は、当面ゼロ%近傍で推移した後、マクロ的な需給バランスの改善などを反映して、徐々に緩やかな上昇に転じ、2014年度には、当面の「中長期的な物価安定の目途」である1%に着実に近づいていくとみられる。こうした経済・物価見通しを総合的に評価すると、やや長い目でみれば、目本経済は、物価安定のもとでの持続的成長経路に復していくと考えられる。

 次に、第2の柱、すなわち、より長期的な視点も踏まえつつ、金融政策運営の観点から重視すべきリスクを点検する。景気面では、欧州債務問題に端を発するテイル・リスクはやや後退しているが、国際金融資本市場や海外経済を巡り、なお大きな不確実性があり、重要な下振れリスクである。この間、中長期的な成長期待については、成長力強化への取り組みの成果次第では、上振れ・下振れ双方向の可能性がある。また、消費税率引き上げの経済への影響については、内外の過去の事例を踏まえると、不確実性が高い。財政の持続可能性確保へ向けた敢り組みも、経済動向に大きな影響を及ぼし得る。物価面では、マクロ的な需給バランスに対する物価の感応度や中長期的な予想物価上昇率、国際商品市況の動向などを、汪視する必要がある。やや長い目でみて、発生確率は必ずし大きくないものの、発生した場合には経済・物価に犬きな影響を与える可能性があるリスク要因という観点から、金融面の不均衡について点検すると、わが国の金融機関による企業・家計への総与信は、実体経済活動との対比でみて、長期的なトレンドの近傍で推移しているなど、現時点では、期待の強気化に起因した不均衡は観察されない。もっとも、政府債務残高が累増している中で、金融機開の賃出は仲び悩む一方、国債保有は顕著な増加傾向にある。このため、何らかのきっかけで、長期金利が上昇した場合、金融機関の経営、ひいては日本経済全体に大きな影響を与える可能性がある点に留意しておく必要がある。こうした観点からは、中長期的な財政の持続可能性をしっかりと確保していくとともに、金融政策の運営に対する信認を維持していくことが重要である。

 先行きの金融牧策運営については、前述の2つの往による点検を踏まえ、わが国経済のデフレ脱却と物価安定のもとでの持続的成長経路への復帰に向けて、強力な金融緩和の推進と成長基盤強化および金融機関の賃出増加の支援を通じて、適切な政策運営に努めていく。

 すなわち、第1に、日本銀行は、当面の「中長期的な物価安定の目途」である消費者物価の前年比上昇率1%を目指して、それが見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買入れ等の措置により、強力に金融緩和を推進していく方針である。資産買入等の基金の運営については、2013年末の91兆円程度に向けて、着実に金融資産を積み上げていくことにより、間断なく金融緩和を進めていく。こうした強力な金融緩和の推進に当たり、日本銀行は、金融面での不均衡の蓄積を含めたリスク要因を点検し、経済の持続的な成長を催保する観点から問題が生じていないかどうかを引き続き確認していく。

 第2に、日本銀行としては、強力な全融緩和の推進と併せて、企業や家計が緩和的な金融環境を積極的に活用して、前向きな投資・支出活動を行うよう後押ししていくとともに、わが国経済の成長基盤強化に、中央銀行の立場から引き続き取り組んでいく。わが国経済は、現在、急速な高齢化のもとで、趨勢的な成長率の低下という長期的・構造的な課題に直面している。こうした課題を克服し、新たな経済成長の基礎を築いていくためには、民間企業が付加価値の創造力を高め、外需の取り込みや内需の掘り起こしを進める必要がある。また、このような企業の前向きな活勤を支えていくために、政府が規制面などにおいて環境整備に努めることや、民間金融機関が金融仲介機能を十分に発揮し、企業に対し賃出面から緩和的な金融環境の活用を促していくことが、不可欠である。さらに、政府債務が対GDP比でみて先進国中最大となっているもとで、前述のとおり、中長期的な財政の持続可能性をしっかりと確保していくことも必要である。このように、民間企業、金融機関、政府、日本銀行がそれぞれの役割に即して取り組みを続けていくことが、重要である。

日銀ホームページより抜粋

 日本銀行としては、引き続き適切な金融政策運営に努めるとともに、国際金融資本市揚の状況を十分注視し、わが国の金融システムの安定確保に万全を期していく方針である。」

 と、内容は悪くないのですが、ドル円は売り込まれる動きとなってしまいました。

日銀政策金利発表後のドル円の1時間足

 では、次は1時間足にしてドル円のチャートをもう少し見ていきたいと思います。

ドル円1時間足10月30日

 こうして見ると、見事に短期レンジを刈り取った動きをしている事が分かります。現在は下のストップを刈り取ってしまった事もあり動き辛い展開となっています。

 こうやって、下攻めをしにくい展開となるのであれば、私は買いで攻めたくなる逆張り思考の人間なのですが、今回はじっと我慢してブログを書いています。

 それは、やはり日足のチャートを見る限り買うに買いにくい展開となっているからです。

 例えば、今日が大陰線で引けてくれるのであれば、2・3日以内には買い向かいたいところではあるのですが、大陰線になるほどの下押しのパワーも無く、恐らく下値では買い抵抗も強いと考えられるので、打ち込みも中々ないでしょう。

 ともすれば、やはり上値が重い形になって、ジリジリした下落が来るのでは?と言う見方を捨てる事ができません。

 ただし、今回のアメリカの被害が拡大傾向にある為、恐らくリパトリの動きが出てくる事も考えています。

 つまりは、日銀の発表内容も悪く無かったと個人的には思うので相場の基本に戻って、「2番底は買い」でこの後の相場を見ていきたいと思います。もちろん底抜けは撤退です。