ドル円の動きと雇用統計について

 [2012/10/07] ドル円の動きは雇用統計の結果を受けて少し上昇となる動きを見せています。そこで、今日は少しドル円の動きについてチャートからの考察とローソク足の動きを見でいきたいと思います。

 ドル円チャートから見ていきたいと思いますが、今回はチャートソフトにマネーパートナーズのチャートソフトであるハイスピードを使用しました。

ドル円チャート:マネーパートナズより

 まず、ドル円の動きはダブルボトムを形成途中の形となっている事が分かります。金曜日の引けは上髭の陽線となっているものの、雇用統計前日の高値を破っての上髭となっているため、この高値をバックに売り込むのは少し気が引ける思いをしております。

 高値はネックラインとなる79円辺りとなっていますが、ここを抜ける動きが有るとするので有れば81円台が高値目標になってきます。個人的には77円台に買いポジションを集めているため、そこまでの上昇が起こると言うのであれば利益確定に入ってみたいと思います。

 そこで気になるのが先週末に発表された雇用統計の結果と失業率の結果ですが、アメリカでは失業率の結果を受けて「数値操作」発言が飛び出すなど様々な憶測が飛んでおりますが、数値は変わらず7.8%を指しています(アメリカの失業率グラフへ)。

 それもそのはず、今回の雇用統計が米大統領選挙に影響のある最後の雇用統計だったのですから、そんな憶測がチラホラ飛び交っても仕方ない事なのかも知れません。

 オバマ陣営としては、先日のテレビ討論会でロムニー氏に大敗を喫している事から、今回の失業率の発表が追い風になる事は間違いないのかも知れません。

 しかし、残念ながら非農業部門雇用者数の増加はサプライズには値しない伸びだった事を考えると、失業率の低下は単に「就職する意識のあった人が単に就職を何らかの影響で取りやめたから」と言う考えも浮かんできます。(アメリカ非農業部門雇用者数グラフへ)

 先日のニューヨーク連銀総裁であるダドリー氏の発言からは、アメリカの住宅市場はどうやら改善の兆しが見え始めているようですが、まだまだ雇用者の増加には伴っていないのが現状だと考えておく必要がありそうです。

糞ポジチェッカーの動きと来週のドル円予想

 次に、糞ポジチェッカーを使ってドル円の動きの動向を探ってみたいと思います。まずは現在の個人投資家によるドル円のポジション比率を見てみましょう。

ドル円:糞ポジチェッカー

 圧倒的に買いポジションに傾いている事が分かります。売りはポジションは77円のミドル付近に少し残っていますが、注文にストップが入っている形跡が見られない事から、所謂塩漬けポジションとなっている事が分かります。

 これほどロングポジションに個人投資家のポジションが傾いている時の傾向として言える事は、まず「上値が重い」と言うのが避けては通れない訳ですが、今週の頭からもこの影響があり高値付近ではチラホラ叩きが出るのでは?と予想しています。

 では、この大量に溜まっているロングポジションのストップは何処なのか?について見ていきますと、小さくストップが入っているのが76円を割れたところからとなっています。

 来週にはG7で日本が為替相場について言及して来る事が考えられますし、IMFからも介入のお墨付きが既に出ています。76円を割るような相場展開になるようならば、既に2度のレートチェックを行っている日銀は間違いなく介入が入ってくる事が予想されますし、なかなか今年中に円買いネタが無いまま76円を割るのは難しいだろうと見ています。

 それでは、どういう風に立ち回りを行っていくべきか?と言う事になりますが、投資家の心理とは面白いもので現在これほどまでに円売りに傾いているドル円ですが、80円を超えてくると、今度は円買いが大きくなる事が想定されます。

 そうなってくると、円買いへと変更した中でも握力の無い個人投資家がカモになりながら、相場は円安方向へ行けるところまで上がっていくと想定しています。

 そして、来年またある程度個人投資家のショートを刈り取ったならば、また落ちる方向へと足を進めるのでは?と言う想定でポジション取りを私は行っています。

 南アフリカ共和国の動きが怪しい状態になってきていますし、少し資源国通貨を中心に暴れそうな一週間になる事を想定していますが、傾向としてはドル円は10月に入り少し円買いの動きが収まってくるのではないか?と考えは変わっていません。

 今週は短期ならばレンジ内相場を想定しながらのトレードで、値幅を狙わずコツコツとやっていきたいと思います。また、糞ポジチェッカーの見方についてはFX初心者のための糞ポジチェッカーの使い方で詳しく紹介してあるので、そちらを参考にしてください。