フラッシュクラッシュの話

 [2012-05-07] 2010年以降、この時期になると必ず思い出してしまう相場が有ります。そうです。ギリシャショックです。ギリシャショックはフラッシュクラッシュとも呼ばれています。(フラッシュクラッシュについて詳しくはFX初心者へのマーケットの高速化の恐怖で紹介されています)

フラッシュクラッシュのイメージ

 このフラッシュクラッシュが起こった時の相場状況は、正にこの画像が意味しているかのように天と地が引っくり返ったような相場だった事は今でも忘れません。

 もしも、昨年に日本を起こった震災時にリパトリエーションの動きを受けて大暴落したドル円相場を経験された方は、「フラッシュクラッシュもあんなもんだろ?」と思われるかも知れませんが、ギリシャショック時のフラッシュクラッシュの怖さは、個人的にはあの1.5倍は恐怖を感じました。

 どちらの暴落も襲ったのは日本時間の明け方で、日本人の多くは寝静まっている頃です。そんな中で悪魔がスイッチを入れる時間を待っています。

 フラッシュクラッシュが起こった時は、そこまで相場が急変するような動きとなるような相場展開では有りませんでした。しかし、相場全体的にはギリシャの影響を受けて欧州危機が鮮明となっており、相場全体の空気は正にネガティブと一辺倒と言った雰囲気はありました。

 これは、日本の震災時と同じ条件だと考えています。

 そんな中で、ナスダックのレート配信が止まると言う事態が起こっていたと記憶をしています。その不安感からか、そこまで強くは無いですが株が売りへと傾き始めました。

 そんな中、突然頭を叩かれたかのように突然チャートがガーンと下落を始めます。私は余りに上がらないドル円相場に何かあるのかな?とふと思いながら、ドル円を5枚ストップを今と同じように30pipsにおいて売りを入れました。

 そして、私の注文とほぼ同時に相場が崩れ始めたかと思うと、少し相場は迷い、その後ジワジワと長い陰線を付け始めて、その様子に一瞬呆気にとられながらも考えたのは「テロが起こった」でした。

 しかし、テロと言うと投資家の行動はドル買いに向くはずです。円買いが起きているなんて余り良い推察だとは思わなかったものの、既に200pipsほど乗ったドル円の売りにストップを100pips上において追撃しました。

 その後は、もう止まるだろう、もう止まるだろう、と思いながら追加した分を売って利食いを繰り返している内に、これは業者のレートが一斉に壊れたのかな?と言うデータが目に入っていました。

 それは、ダウが前日終値比でマイナス800ドルと言う値を付けていたからです。

 私は、訳も分からないまま、これは夢なのか?と思いながらも、売れば湯水の如く利益が出る相場に半信半疑となっていました。

フラッシュクラッシュの後・・

 相場の下落速度は段々と早まっていき、もうレートは値飛びどころの騒ぎでは無くなってしまっていて、その時に追加で売りを入れていたならば一瞬で100pipsなんて言うストップは刈られるような動きでした。

 そして、その後が凄かった・・・。底を付いた相場は突然息を吹き返して今度は鰻登りでレートが上がっていきます。相場では無くて、あればまるで相場ゲームを10倍速で再生したような状態でした。

 あの日以来、私はこの時期になると、どうしてもあのフラッシュクラッシュが頭に蘇ってきてしまい、「また相場はあんな動きをするのでは?」と、眠れない日々を送ってしまいます。

 「6日が大丈夫なら7日は?」「7日が大丈夫なら8日は?」、もしも長期ホールド型でスワップを狙った資産運用をされている方が有りましたら1度2010年5月6日のチャートを見てみてください。

 恐らく、私のように5月のゴールデンウイークは眠れない状態になると思いますよ(笑)。