ADP雇用統計と非農業部門雇用者数の比較

 [2012-10-04] 今回は、ADP雇用統計と非農業部門雇用者数について比較してみたいと思います。

 まずは、ADP雇用統計と非農業部門雇用者数の違いについて紹介していきたいと思います。

ADP雇用統計と非農業部門雇用者数はどっちが大事なの?

 ADP雇用統計は非農業部門雇用者数の先行指標としての位置づけで、悪魔で非農業部門雇用者数の結果が実際のアメリカの経済状況を見る「ものさし」として考えられています。

なぜADP雇用者数より非農業部門雇用者数のが優先されるの?

 ADP雇用統計は、民間企業によって発表されている雇用者数で、非農業部門雇用者数は政府により発表されているからです。

ADP雇用統計の結果は信用できるの?

 ADP雇用統計の結果が良かったにも関わらず、非農業部門雇用者数の結果が悪化している事はしばしば起こります。その原因として、統計方法の違いもあると言われています。

ADP雇用統計グラフ

 上はADP雇用統計のグラフです(参照元:ADP雇用統計参照元サイトへ)。

非農業部門雇用者数グラフ

 上は非農業部門雇用者数のグラフです(参照元:非農業部門雇用者数参照元サイトへ)。

 上の2つのグラフを比較してみると大体の動きを合っているように考えられます。

非農業部門雇用者数を取引する時のポイント

 非農業部門雇用者数の結果で取引をする際にちょっとしたポイントがあります。

 それは、相場全体がアメリカの雇用に対して神経質になっている場合、ADP雇用統計の結果で良い結果が得られたと仮定します。

 そんな時に、一気にリスクオン(リスクオン・リスクオフの違いについて参考)の動きが起こる事が予想されます。

 この動きは、アメリカの雇用市場の改善を期待した動きに対して起こっていますが、その後に発表される非農業部門雇用者数の結果が悪化していた場合にはどうなるでしょう?

 ADP雇用統計でリスクオンへと傾いていた市場全体の動きは一気に逆戻りする事が考えられます。

 それは、どちらも雇用に対する期待の指標となっているため、ADP雇用統計の結果を受けてリスクオンの動きによって上昇また下降した分は、間違った相場の動きとなってしまうからです。

 実際は、雇用統計の結果は悪いので、それまでリスクオンへと傾き動いていた分を吸収してリスクオフへと傾いた位置まで相場が戻るのが自然となるからです。

 また、ADP雇用統計の結果が良くて、さらに非農業部門雇用者数の結果も良かった場合はどうでしょう?

 この場合には、ADP雇用統計の結果を受けて膨らんでいた期待が確信に変わる瞬間と考えてみるのも1つの手です。

 つまり、ADP雇用統計の結果を見てリスクオンに相場が動くであろうと考えて投資していた投資家たちは、自分たちの考えが正しかったと考え中にはホールドを強めたり、さらに投資を増やしたりする動きも重なると言う事になります。

 いずれにせよ、ADP雇用統計と非農業部門雇用者数は、どちらも同じ「アメリカの雇用人数の増減」について示していると考えておくことで、投資が比較的やり易くなります。