FXニュースと先輩の話

 [2012-05-06] もう10年が経とうかと言う時の話ですが、私がFXを始めたばかりの頃に私の大学時代の先輩と居酒屋でFXについて話していた時の事です。

FXのトレード世界のイメージ

 その頃の私は、右も左も分からないままトレードの世界へと入っていきたい一心でFXの勉強を1人黙々としていました。そんな折に、先輩から飲みに行こうと誘われてしまい、渋々ながらチャートに後ろ髪を引かれながらも自宅を後にしました。

 その到着した居酒屋で先輩はFXの話を僕に切り出してきました。

 「お前、ニュースなんて当てにしてトレードしてんの?無理だって、俺らがニュースの材料知るまでには相場は織り込んじゃってんじゃん。勉強しても無駄無駄。テクニカルだけしっかりやってれば勝てるんだよ。」

 その頃の先輩はテクニカル分析でスイングトレードでキッチリとスワップを持っていくと言うオーソドックスなトレードをしていました。

 当時のFX業者が提供しているスプレッドと言うのは今のように1銭を切るような会社は無く、多くのトレーダーが先輩と似たようなスタイルでトレードをしていた時代でした。

 その先輩は、家が比較的に裕福だった事も有り、入学祝や誕生日、成人祝いと言えば両親やお爺ちゃんお婆ちゃんから臨時収入が発生しており、FXも豊富な資産を武器に「何十万勝った」と言う景気の良い話を私に良くしていました。

 それに加えて先輩は「頭が切れる」と言うイメージがピッタリで、人生の山や壁となるであろう物を上手く渡り歩く柔軟性も持ち合わせていて、パチンコに行っても勝って帰ってくるし、私からすれば「この人にはお金の守護霊が付いているんじゃないか?」とも思ってしまうほどの金運の持ち主でした。

 そんな先輩からの居酒屋での「ファンダメンタルズは意味ない」と言うばかりの発言に、私は「FXはやっぱりテクニカルが良いのか・・」と1人で悩んだ事を思い出します。

 しかし、残念ながら私は変に頑固なところが有り、先輩の忠告を聞かずにニュースをメモしたり、経済用語について調べたりと、空いた時間を見つけては意味不明な経済ニュースを見たりと言う日々を繰り返していました。

 そんなある日、またその先輩から電話で居酒屋に呼び出されて、またも私は渋々チャートに別れを告げて家を後にしました。

 居酒屋についてお互い酔い始めた頃に、先輩は私を睨みつけてこう言いました。

 「テクニカルだけじゃ勝てん!」

だからテクニカルとファンダメンタルズどっちも大切

 先輩の突然の真剣な顔には驚いたのですが話を要約するとこういう事です。

 ストキャスティクス、通称ストキャスを使ったテクニカルトレードで「必ず勝てる」と信じていた先輩は、案の定パチンコで40万円負けたものをFXで一気に取り返そうとしたそうです。(今のパチンコは知りませんが、当時のスロットは破壊力がありました(汗))。

 当時先輩のストキャスは自己流の聞いた事も無いような超極端な設定値だったのですが、連戦連勝の時期が終わり連戦連敗の時期へと入っていたそうです。

 先輩は「さすがに連敗時期もそろそろ抜けるだろう」と考えて一気にパチンコの損失を取り返そうとして張り込んだそうです。そして、一気にお金が消えてなくなった・・。と言う訳です。

 先輩はその時こう言っていました。「テクニカルはやっぱり何を使っても旬が有るよな。」

 今でも私はこの時先輩が言っていた、「テクニカルの旬」と言うのを感じています。当たる時は凄く当たるのに、外れだしたら止まらない。まるでパチンコ台の裏物と呼ばれるもののようです(裏物って今はもうないかな??)。

 そこで、「やはり長く生き残るためには、ファンダメンタルズも大切なんだろう」と言う今の私の意見となっています。

 しかし、その先輩が凄いのは、ディーラーではありませんが、しっかりと銀行で働いてらっしゃると言う事ですね。経験を100%生かせているから賢い人だと今でも尊敬しています(笑)。