ジニ係数とドル円未来

 [2013-1-30] 本日は、海外のメディアによって取り上げられていた「ジニ係数」と呼ばれるものについて書いていきたいと思います。

 「ジニ係数」について、初めて聞いた言葉だと言う方も少なくないと思いますが、まずはジニ係数とは一体どういうものかを紹介していきたいと思います。

 ジニ係数(ジニけいすう、Gini coefficient, Gini's coefficient)とは、主に社会における所得分配の不平等さを測る指標。ローレンツ曲線をもとに、1936年、イタリアの統計学者コッラド・ジニによって考案された。所得分配の不平等さ以外にも、富の偏在性やエネルギー消費における不平等さなどに応用される。

 (参照:ウィキペディア「ジニ係数」)

 これは平たく言うところの、「富裕層と貧困層の格差があるか無いかを数値的に見る事ができる」と言うもので、国民全体的に資産が分布していれば低い数値、逆に一部の人間が富を牛耳っているならば高い数値と言う事になります。

 もう少し言うと、「0」ならば完全に資産が均等化されている状態で、「1」ならば、国民全体の1%の人間が富の全てを持ってしまっていると言う状態を示すものです。

世界のジニ係数グラフ

 (参照:エコノミスト※英語サイトで動画が流れるので注意)

 さて、上のジニ係数はOECDが発表したデータを元にエコノミストが作ったグラフなのですが、日本は0.33辺りとなっておりアメリカよりも資産が均等化されている国だと分かります。

 つまりは富裕層や貧困層の割合が比較的少ない国で安定している事を示唆しているデータとなっている訳ですが、このデータを「0.4」を境目にして見ると気になる点が出てきます。

 まず、高ランクとなってしまっている、南アフリカやブラジルそれにナイジェリアと言う地域がありますが、特に発展途上国と言う国において資産の不均衡と言う事が分かります。

 そんな中で、中国も「0.4」を突破している事が分かると思いますが、この「0.4」と言う数値がジニ係数ではボーダーラインと言われています。

 何のボーダーなのかと言うと、「社会騒乱多発の警戒ライン」です。

 つまり、「0.4」以上の国と言うのは「デモ」や「治安不安定」と言う事が起こりやすい事を示しているのですが、実際に上位国を見てみると誘拐や殺人と言った凶悪事件が多発している国だと分かると思います。

 このデータは、中国で次なる暴動がいつ起こってもおかしく無い事を示すデータとなる訳ですが、現在GDPが世界2位となっている中国で国家が引っくり返るような暴動が起きるとするのであれば、地政学的リスクを考え日本円は売りに走るかも知れません。

 特に日本よりも関係が深い国であるオーストラリアドルは、一気に売られる事が示唆されるので、円に対しても売り込まれる事が想定できます。

 現在オーストラリアドルは2008年以来の高値付近となっており、一旦打ち込まれるとノーブレーキとなるかも知れません。万が一の取引には注意が必要かも知れません。

ジニ係数から考えるドル円の動き

 さて、ドル円をジニ係数から考えてみると、アメリカも日本も「0.4」をジニ係数が下回っている事から、比較的安定した動きをする事が想定されます。

 それは、「どちらの国も安定した国だから」と言う理由になる訳ですが、現在ドル円は急速に買い戻されて91円の壁と戦っている状態となっています。

 この動きは、わずか4ヶ月の内に「12円」と言う比較的安定した動きを基調としているドル円としては、非常に強い動きと言う事が言えると思います。

 今週の相場は、先週末のセオリーに沿っているため、書き換えの必要はまだ無いと言う事で今回はチャートを出しませんが、91円で引っ掛かっている今、92~93円と言うのは絶好の売りタイミングとなるように考えています。

 今回の動きの天井を捕えたなら、フィボナッチの23.6%戻しを狙っても、それなりの益となりますし、旨味があるように考えています。

 さて、最後に今日は高値更新を狙って昨日から大き目な買いを入れているのですが、91円抜けないようならば逃げる準備も必要かと考えています。

 週半ばとなり、疲れも溜まってくる頃ですが、お互いがんばりましょう!と言う事で、今日はジニ係数とドル円の安定性についてでした。