今週の窓埋めは難しい

 [2012-12-17] さて、自民党が他を圧倒して政権を取った事に対して世界各国から様々な意見が寄せられ始めていますが、どうやら格付け会社は慎重なコメントを選んでいるように思います。

 S&P「日本の衆院選が力強い改革をもたらすというのは時期尚早」「日本の新政権は成長策を実行できる可能性」「債務の軌道が変わらなければ、日本の格下げを検討する可能性」「財政改革が見られれば、日本の格付け見通しを『安定的』に変更する可能性」

 ムーディーズ「日本が消費税引き上げなければ信用力にマイナス」「日本は財政赤字を無期限に続けることは出来ない」

 フィッチ「衆院選の結果は日本の格付けに直ちには影響しない」「財政再建が遅れれば、日本の格付けに悪影響の可能性ある」

 これが本日発表されている格付け会社による自民党が政権を取った事に対するコメントとなります。そこで、2009年に政権を民主党が取った時にはどのようなコメントが出ていたのか見ていきたいと思います。

 S&P「政権交代により日本国債の格付けは影響されない」「S&Pは同時に民主党の政策で日本の財政赤字が拡大する可能性」

 ムーディーズ「民主党新政権は経済面での難題に直面している」

 フィッチ「日本の長期外貨建て発行体格付けを「AA」とし、見通しは「安定的」」

 フィッチは直接的なコメントを見つける事ができませんでしたが、S&Pとムーディーズのコメントを見てみると分かりますが、民主党政権による悪化を示唆するような内容となっていた事が分かります。

 今にして思えば大正解と言わざるえないところだと思います。

 では、本題の本日の窓についてドル円チャートを見ながら追いかけていきたいと思います。まずは日足チャートからです。

ドル円12月17日日足チャート

 見て頂けると分かるように白い○で囲んだ箇所、このローソクについて昨日言及させて頂きましたが(昨日のFXブログへ)、見事に突破してしまった事で更なる強気相場を期待する形となっています。

 こう言った足をブレイクしている時は特に注意したトレードをするように気を使っていますが、今回の場合朝から余りにも強いストップ刈りの流れだったので買いにも入れず、さりとて、売りに入る前には寝てしまうと言う状態でした(笑)。

 友人によると、どうやら海外勢が強めの買いを出していたとのことですが、12月の相場ですし「まぁ難しい」と言うのが本音です。

ドル円の1時間足で見る大きな窓

 現在はこのチャートを撮影した時より下押しが始まっており83.90付近までの下押しとなっていますが、今回のタイトルで書いたように今週の窓を埋めるかどうかの判断は非常に難しいと言うのが私の本音です。

 特に窓に対しては意識しないで相場の方向を決めるように心がけているのですが、どうしても投資目安として窓は気になってくるところではあります。

 では1時間足のチャートでどれくらいの窓が開いているのか見てみましょう。

ドル円12月17日週末の1時間足チャート

 これだけの窓を開けたのは久しぶりの事になりますが、先週にショートを利益確定させていなかった方は大きな損失となってしまったかも知れません。

 この窓が埋まらない理由として先ほど安倍さんのコメントとしてニュースに流れている。「諮問会議には日銀総裁も出席」と言う言葉があるからです。

 そこで、白川日銀総裁から「あ~だこ~だ」と言われる事になると思いますが、そこで意思の疎通ができなければ白川さんは「さようなら」と言う事になるでしょう。

 また、「日銀は選挙結果を受け止めて適切な判断をしてくれると期待している」とのコメントを出している事からも、今週の日銀の対応にしっかりと釘を刺している辺りも「やりますね」と言う対応のように思います。

 気になる点としては、財務大臣に麻生元総理大臣を起用するとの事ですが、副首相と兼任すると言う事になると、どうしても民主党の鳩山政権時に管さんが藤井裕久氏の体調悪化による辞任を受けて兼任した事を思い出してしまいます。

 実際に蓋を開けてみないと分からない事ですが、私は基本的には財務大臣には口が達者な方では無く、余り多く語らない方のが良いのでは?と言うのも個人的感想です。

 麻生さんも総理大臣として実績がある事、それと金融緩和推進派であるように過去の発言などを見てみると感じるところです。

 そんなこんなも有って、窓が埋まるとするのであれば、それは「自民党の圧勝は織り込み済みだから」と言う事になるでしょうが、個人的には窓を埋める事でファンダメンタルズとテクニカルの乖離が解消して、さらに底値は固く推移してくるように思います。

 また、窓を埋めずに上げてしまう展開となるのであれば、それは今度何かのタイミングで売り込まれた時の目安になるように考えています。