ガイトナーとドル円

 [2013-1-4] 日本の株もオープンし、徐々にマーケットに対して活気が戻りつつある1月4日ですが、実は昨年から個人的に気になっていたアメリカの財務省ガイトナー氏について今日は書いてみたいと思います。

 ティモシー・フランツ・ガイトナー氏は、元ニューヨーク連銀総裁など過去に華々しい経歴を持っている事で知られていますが、甘いマスクを持ち、金融部門の専門家としてオバマ政権を陰ながら支えておる人物です。

 そのガイトナー氏について昨日、「ガイトナー米財務長官は米債務上限引き上げ前に辞任する意向」とのニュースが飛び込んできています。

 元々、昨年の米大統領選挙において、「オバマ政権が継続した場合においても辞任する」とのニュースが流れておりましたが、今回の辞任は米国債の上限引き上げ法案成立前に辞任すると言ういささか厄介な時期である事が注目点になります。

 ガイトナー氏と言えば、財務省に就任以降、中国に対して元の切り上げ要求を何度も何度も行っていた事が記憶に残っている訳ですが、どちらかと言うと現在のFRBの緩和政策に対しては賛成とまではいかないのではないか?と言う憶測を感じておりました。

 財務省と言う役職から、なかなか発言には気を使っており慎重になっていると言う点は感じておりましたが、どちらかと言うと大きく金融緩和を行っているFRBの政策に対して世界が反発するのを抑える発言が多かったように思います。(参照:ガイトナー氏の過去の要人発言)

 個人的にはガイトナー氏による世界をタシナメルような行動が無ければ、QE2が行われた時点でアメリカや米ドルへの信頼は失われてしまい、今のように2番底を付けずに済んでいるアメリカは無かったのかも知れません。

2013年1月4日 月足ドル円

 さて、上はガイトナー氏が財務省就任以降にマークを入れたドル円の月足ですが、白いラインより右がガイトナー氏が就任している期間となっています。

 こうやって見てみると、ガイトナー氏の任期中はずっとドル円相場は安値近辺を推移していた事が分かるのではないでしょうか?

 日本の金融緩和の量が少なくデフレ体質である事も、この円高を加速させている要因であったと言うものの、リーマンショック以降に大きく金融緩和をし、米ドル安を掲げ輸出の再生を試みようとしているアメリカオバマ政権の政策がそのまま為替相場に反映されている感じもします。

 QE2を行った時に、新興国から次々と不満の声が漏れていたにも関わらず、最近のアメリカの金融緩和が出ても不満の声は余り聞かれていません。

 2010年と世界の反応が大きく変わった事もガイトナー氏の手腕があったからなのかも知れないと、彼が辞任するにあたり個人的に考えてしまいます。

 今回、ガイトナー氏が辞任すれば、次は誰が後任となるのか分かりませんが、もしかすると、ガイトナー氏の辞任を受けてアメリカの金融政策は元より、ドルの信頼が一気に失われる可能性も否めません。

 後任には是非注目してみたいところだと考えています。

ドル円の1時間足の動き

 では、最後にドル円の1時間足を使って直近の動きをみていきたいと思います。

2013年1月4日 ドル円1時間足

 さて、ご覧いただければお分かりの通り、昨日のドル円ショートは残りの半分は、この上げ上げ相場にて刈り取られてしまいました。

 この87円の現在の高値の上に、実は87.95には少し硬めのラインが走っているのですが、現在は○で囲んだようにモジモジしている状態です。

 87.95ブレイクは88円到達を意味してくると思いますが、その高値の目途としては88.2辺りから徐々に売りが見られる展開となるのでは?と考えています。

 現在は、少しだけ売りポジを87.79にてストップ高値抜きで入れておりますが、これは本日予定されているアメリカの雇用統計の調整が出る展開を考えてです。

 昨日に少し大きめの調整があったかと思うのですが、それも深夜に今日の株式相場を意識して、「FOMCの結果は織り込んでるぜ」と言わんばかりの展開です。

 さて、やはり売るなら1月7日辺りからかな?と言う気になってきてしまいますが、今週が上げ上げで終わるとなると、少し来週の相場の潮目が変わってくるように思うのですが、ADPの結果を受けて期待が膨らむ米雇用統計となるので、注意が必要となってくるように考えます。