次なる円安材料を探せ

 [2013-1-23] 普通であれば、そこまで固執する事も無かった事かも知れませんが、先日はオカルトテクニカルに従ってトレンドに逆らったトレードをして、散々な目に合い、散財させて頂きました(笑)。

 (笑)なんて言って笑っている場合でも無いのですが、3回ほどストップを巻かれておるので痛いのは痛いのですが、今週の頭の90.212ショート(友人からの連絡を受けて取ったショート「ドル円下髭を作りに」参照)が有ったおかげで、そちらが200pipsほどの利益拡大となり大怪我にはなっておりません。

 さて、今日は打たれるドル円に対して、少し真面目にファンダメンタルズ的な切り口からの次なる円安材料を探す事にしたいと考えています。

 まだ調整局面を迎えたばかりであろうドル円に対して、「次なる円売り材料を探すのは早い」と思われる方も多いかも知れませんが、それが私流の相場と言うものだとお考え頂ければと思います。

 しかしながら、ドル円の日足はトレンドをぶち破っていると言う事で、まずはドル円の日足チャートからご覧ください。

2013年1月23日ドル円日足

 まず注目すべきはオレンジ色のトレンドラインとなりますが、これが基本となるトレンドラインと言う事になりますが、現在のチャートはこのオレンジ色のトレンドラインからは大きく乖離して上離れしている事が分かります。

 つまりは、かなり強気の動きを示す1つの手掛かりとなっている訳ですが、見方によっては、最悪の場合には、このオレンジのラインまでドル円が調整する局面が有りうると言う事を意識させるものです。

 「さすがに82円は厳しいだろう」と考える方、私もその1人ではあるのですが、現在白い水平線に引っ掛かって、黄色のトレンドラインをブレイクしている事が分かると思います。

 この白いラインをネックとして高値を付けた山が2つある事から、この白いラインを下抜けする事でダブルトップが完成する事となります。

 88円のネックラインで90円の高値と考えると、「下落予想値は86円~85.80円辺りまで」と言う事になりますが、例えば、相場が85円まで落ちてくるのであれば、82円や83円と言う数字も夢を見るトレーダーが増えてくる可能性も否定できないと考えています。

注目すべき円売り材料は米インフレ

 さて、いよいよ今日の本題へと移っていきたいと思うのですが、一体何が次なる円売り材料となるのか?と言う点です。

 そもそも、現在の円買いへと移っている状態として、大きな切っ掛けとなっているのが、昨日の日銀の決断と、政府が納得している目線を市場に伝えてしまった事にあると私は考えるのですが、「2014年から金融緩和量を増やす!!」と大声で言われても、投資家にとっては「はぁ?今2013年になったところよ」と言うのが本音でしょう。

 しかしながら、中長期的な緩やかな円安への動きを誘うと言う意味では、「2014年には大きな金融緩和が有るので今の内に仕込んでおくか」と言う投資家の心情が生まれないとも言えません。

 つまりは、想定的に円高への動きが加速すればするほど、2011年のように底値が割れるような動きでは無く、仕込みに入ってくる人が増えてくる事が想定されます。

 次に、私が注目しているのは、大きな緩和策を打ち出し、史上例のない水準まで緩和傾向にあるFRBです。

 このアメリカFRBが注目している数値として、具体例を出してきていますが、今回は失業率に注目を当てるのではなくインフレについて見てみたいと思います。

 それでは、アメリカのインフレ率、CPIについて、今回はCPIでは無く、CPIコア、原油価格や食料品などに影響を受けない指標を見て今後の考えていきたいと思います。

アメリカのCPIコア推移

 「参照元(FX経済指標:CPIコア(除食品・エネ)(前年比))」

 CPIコアの数値はQE2(量的緩和第二弾)発動により、2011年に大きな上昇を見せている事が分かります。

 このCPIコアの目標を2%近辺に抑える事がFRBの目標としている1つの金融政策の1つなのですが、もしも、このCPIコアが4%や5%と言う数値となってしまうと、それは完全なインフレです。

 2%と言う比較的緩やかなインフレで抑え、通貨流通量を増やして輸出を回復させようとして、さらには雇用を促進させようとしているのが今のFRBなのです。

 しかし、インフレとは進むとバブルと言うものへと変わっていく事が非常に恐ろしいものなのですが、バブルが弾けた国が後々どうなるのか?と言うのは日本人なら誰しもが知っているはずです。

 そこで、CPIコアが現在2%ギリギリの推移となっている事への危険性を私は考えています。

 ある意味では目標としている2%以内と言う事で、「完全にインフレはコントロールできている」と言う見方をする事もできるのですが、もしも2011年時のようにリビア問題のような事態が起こり原油への不安材料が出現し、商品価格の高騰が起こるとすれば?

 その当時、アメリカのインフレ率は上のグラフを見て頂ければ分かるように低水準だったため、インフレに対して対応を行うことなく金融緩和へと走る事ができましたが、今は2%の水準でそういう訳にはいきません。

 そこで、原油価格について最後に見ていきたいと思います。

原油価格の推移

 さて、上は2年間の原油価格の推移を表したグラフですが、現在赤いラインを境にして重要な水準まで高騰している事が分かります。

 もしも、このラインをブレイクして上抜けしていくようであれば、それは原油価格が100ドルを狙った推移を見せてくる可能性も否定できません。

 さて、CPIコアは原油価格に影響されないと言う考えの方もいらっしゃるかも知れませんが、原油は多くの製品に対して価格への影響を与えるものある事は小学生の頃に習ったはずです。

 これからの原油相場、さらにはアメリカのインフレ率について、これが次なるドル買い材料となり、2014年での緩和を控える日本円は売り材料、になってくる動きがあるのかも知れません。