ドル円の昨日からの円安材料
ファンダメンタルズからの円安材料
では、次に昨日から上昇を見せているドル円ですが、この上昇にどのようなファンダメンタルズ材料が有ったのかを要人の発言をベースに見ていきたいと思います。
まずは、バックグラウンドとして、ここまで大幅に円安方向へと動いてきたドル円相場ですが、アベノミクスと言う強い政治的要因で円安方向へと政府が誘導しているのではないか?と言う海外からの強い懸念が生じ始めています。
海外からの圧力を受けると、どうしても強い金融緩和を行いにくいと言うのが、世界と深い繋がりのある通貨と言うものなのですが、この重い海外からの重圧を和らげるような発言がいくつか飛び出しています。
最初に紹介するのはIMFから。
国際通貨基金(IMF)は23日、「日本の経済成長は円安や財政刺激、金融緩和が後押しするだろう」「日本のインフレ目標引き上げと、一段と野心的な金融政策目標を歓迎する」などの見解を示した。
IMFは私の集めているデータによると、2010~2011年辺りにおいて日本のファンダメンタルズ的面から考えると、ドル円相場は85~90円と言うレートがレンジ内である事を発表しています。
もちろん、その時のIMFの長は現在のラガルド氏では無く、ストロスカーン氏と言う事になりますが、それでも90円にタッチしているドル円相場において、日本のインフレ目標や金融緩和に対して賛成の構えを持っていると言うのは非常に大きな事と考えられます。(人物参照:ストロスカーン氏の当時の発言、ニュース)
次に、カナダの中央銀行総裁である、カーニー氏、次期イングランド銀行(BOE)の総裁になる事が決定しているため、非常に注目の高い人物なのですが、「通貨戦争はまだ起きていない」との発言を行っています。
つまりは、日本の金融緩和による通貨の切り下げが行われていない事を暗に示唆する発言と取る事もできます。
次に、「北朝鮮による核実験の実施の警告」は、地政学的リスクを考え、北朝鮮と非常に隣接している日本がリスクだと考えられ、円売りへと波及している可能性もあります。
そして最後に、内閣府の西村康稔副大臣は24日、「1ドル=100円は問題ないとの認識。浜田宏一内閣官房参与(エール大学名誉教授)と共通」などと述べた。また、「110-120円だと輸入物価が上がり目配りが必要」との見解も示した。
なぜ、こんなところにエール大学の教授が出て来るのか不思議に感じる方もいらっしゃるかも知れませんが、浜田氏は白川総裁に代わっての次期日銀総裁になるのでは?と考えられている現在世界から注目されている重要人物です。
エール大学と言えば、現在、世界で多くの金融関係職の重役を担っている方も出身校としているため、横のつながりも期待できると言う事があるのかも知れませんが、その浜田氏が「110円辺りまで問題無し」との見解を出しているのですから、思わず市場が反応を見せてしまうと言うところです。
さて、今日は以上ですが、ここから先の展開として考えられる戦略は、本日高値バックでの売りからの調整待ちを行い、「本日上髭で日足が引けるのであれば下方向の展開を考える」事になりますが、高値抜けに関しては追いかけずに待とうと考えています。
上下圧力があり、方向感が見えにくい展開ではありますが、ストップをしっかりおいて、今日もがんばりましょう!!
[2013-1-24] 今日は昨日から円安方向へと再び舵を切り始めているドル円に対して、その円安材料となっている事についてファンダメンタルズとテクニカル要因から考察しながら書いていきたいと思います。
昨日紹介した「次なる円安材料を探せ」の記事では、比較的中長期目線に渡っての将来の円安材料となるかも知れないインフレ材料について紹介しましたが、今回は既に発表された、または相場が現在織り込みつつある円安方向への燃料となっているものです。
もちろん、今後、今日紹介する内容を燃料にして更なる上昇を見せるかも知れませんが、基本的には昨日からの相場のおさらい程度になるものを紹介しようと考えています。
では早速ですが、今日は日足チャートから今日の買い材料となっているポイントを紹介したいと思います。
テクニカル的な面から見ると、現在トレンドラインを下抜けしたところを、再び上へと抜けている事が分かります。
これは「ダマシ」と呼ばれる展開になった事が分かりますが、昨日の私のブログでも書いたようにトレンドラインを下抜けしたところで、トレーダーは売り相場への転換サインだと考えポジションを売り方向へと持って行ったところで転換させストップを巻くと言う形です。
短期的な時間軸で確認して頂けると、昨日の88円の攻防において下髭となり、白い水平線より下に落ちる事を嫌うかのように上昇している事が分かると思いますが、この時に88円のストップを巻かなかった事も、テクニカル的に現在強気に推移している結果であると考えられます。
また、日足レベルで見ても昨日の日足の形状が実態の小さな下髭ローソクとなっている事から、一旦の底打ちを考えて、朝から買い上げを期待した投資家の高値追いの展開になっていると考えられますが、私もその内の1人となります。
しかしながら、日足テクニカルではそろそろ重い局面となっているため、半分利益確定をさせ様子見を行っています。
その大きな理由としては、緑のラインでジグザグに引いたラインが見えると思いますが、昨日はダブルトップの形状を作り下値反発を綺麗に行ってしまった結果、今度は高値である90.24を抜けなければヘッドアンドショルダー、つまりは「三尊となるのでは?」と考えるトレーダーの売り需要が出るためです。
日足のテクニカルに従いデイトレを行うと、「自ずと少し利益を確定させておきたい」と言ったところになる事が分かります。