キプロスの状況簡単解説

 [2013-3-23] 最近、キプロスの状況で相場が上がったり下がったりと大変忙しい動きをしておりますが、この状況について今日は、ものすごく大づかみで分かりやすく紹介していみたいと思います。

 まず、キプロスとはどのような国なのか?について簡単に説明する必要があるのですが、キプロスは欧州連合(EU)の加盟国となっており、国内では通貨ユーロが使われています。

 このキプロスがなぜ危機的な状況になったのでしょう?

 それは、ギリシャと関係しています。

 昨年、ギリシャ問題により、ギリシャでは借金を強制的に削減すると言う行動に出ました。

 こんな感じです。

 ギリシャ「俺借金で首が回ねーんだ!借りた金返す金なんて有る訳ない!!だから、返さない!!」

 ギリシャ「でも、俺が返さないと、お前ら困るだろ?だから、ちょっとだけ返してやるからそれで我慢しな!、「0(ゼロ)」よりは良いだろ?」

 さて、この行動のお蔭でギリシャの借金は大きく削減されたので、ギリシャの見通しについても現在安定的し始めており、それが日本の円安の動きにも繋がってきたわけです。

 しかし、その裏でビックリしたのはキプロスです。

 キプロスの銀行「え?ギリシャ、債務削減!?ヤバい!!ギリシャが借金減らしたものだから、そのツケがこっちに回ってきた!!」

 キプロスの銀行「ギリシャ!!俺が貸した金だぞ!!返せ!!!」

 キプロスの銀行「冷静になれ・・・。どうしよう!!お金が足りない!!もう、これは政府に頼むしか、方法はない!!金を集めなくては・・」

 と、キプロスの銀行は政府に対して、資金を融通してくれるように頼む訳です。

 しかし、キプロス政府も実はキプロスの銀行達と同じように資金難。困ってしまったキプロス政府は・・。

 キプロス政府「あの~EU(欧州連合)さん、ウチら同じ通貨を使うグループですやん!ちょっとウチとこお金が足りんさかい、ちょっと融通してくれまへんやろうか?」

 EU(欧州連合)「えっと、そやな~。同じグループやもんな~。ただな~、アンタのとこ、ちょっとオカシイわ。銀行の資金が国力から考えたら大きすぎるわ。」

 EU(欧州連合)「会社に掛ける税金下げて、海外から資金集めすぎやわ。それに味をしめとる、マフィアさんの金もよーさんあるやろ?」

 EU(欧州連合)「ウチとこも銭あるゆーても、ギリシャとかイタリア・スペインが、こないだまでアホほど金使いやがってな~。ウチとこの金主さんである、ドイツさんがちょっとイライラしてきとんのよ。」

 EU(欧州連合)「だから、簡単に融資せ~言うても、やっぱりキプロスはんも何か誠意っちゅうもんを見せて貰わんと、なかなか身銭を切りにくいんやわ」

 キプロス政府「分かりました。それなら、ウチとこの銀行に預金してある資金に税金を掛けてやって、そこから資金を捻出して誠意をみせましょう!!」

 これが、先週の月曜日の状態です。

 かなり、大づかみですが(笑)、このキプロスが預金に対して課税した事で、マーケットはパニックした訳ですね。

先週のキプロスに一喜一憂する流れ

 さて、この報道に驚いた投資家達は、一気にユーロ売りへと動き始めた訳ですが、誠意を見せると言ったキプロス政府は、次のような事態になります。

 キプロス政府「いや~預金に課税するって強気で言うてみたけど、キプロス政府内でも反発が多いよな」

 キプロス政府「でも、政府内での合意が取れへんかったら、結局預金課税なんてできひんし、それはEUに誠意を見せらへんって事になるな・・」

 キプロス政府「よし、奥の手や!キプロス銀行が無くなって困るのは、そこに多額の資金を預けている預金者やな。」

 キプロス政府「特にロシアや!外国資金の内で4割ほどロシアからや言う噂があるし、これロシアに聞いてみたろ!」

 と、キプロス政府はロシアと交渉に乗り出します。

 ロシア「キプロスさん、あなたに融資してやっても良いでゲズ」

 ロシア「でもね、あなたのとこ、最近ガス田見つけたのを知っているでゲス」

 ロシア「その権利を私に渡すゲス、そしたら融資してやるでゲス」

 ロシア「それから欧州連合さん、私も金貸し側として、そっちの話し合いに混ぜろでゲス」

 キプロス政府「ガス田は譲れません・・・申し訳ありませんが・・この話は無かった事に・・。」

 ロシアとも決裂してしまったキプロスは、同時に次のような行動も考え始めます。

 キプロス政府「待てよ、この借金の元凶は、ギリシャの借金を減らした事で、その肩代わり分が、こっちに流れてきている」

 キプロス政府「それならば、俺たちもギリシャのように借金を減らしてやったら良いんだ!!!」

 と、債務削減へとキプロスも走っていくわけですが、借金を減らしたからと言っても、明日の資金が無いので、結局キプロスの銀行は潰れてしまいます。

 キプロスの銀行が潰れてしまうと、キプロスにとって巨大な資金源が失われる事になってしまい、それは大ピンチです。

 そこで、キプロス政府は、再びEUさんに資金をお願いしにいく事になる訳ですが、状況が少し変わってきます。

 キプロスが、ロシア側を向き始めている頃、EUでは、「低所得者にも同様に課税するのはおかしい」との声が上がり始めます。

 EUが見せて欲しかった誠意と言うのは、富裕層が自己利益のためにキプロスに預けた資金と、マフィアなどが資金洗浄として預けている資金からの徴収です。

 要するに、EUとしては、「なぜ、黒い金や金持ちを救うために、EU庶民の税金を突っ込まなくてはいかないのか?」と言う疑問が出たからです。

 そこで、キプロスが再びEUに会いに行くと、次のような状況に・・。

 キプロス政府「あの・・・預金課税について、政府全体で合意が取れずですね・・お時間を・・」

 EU(欧州連合)「キプロスはん、ウチとこは、銭払う、払わんで長い事、オタクの返事を待っとるんや、これ25日までに誠意見せてくれな、ウチはもう知らんからな。」

 EU(欧州連合)「それからな、あれから状況っちゅうのが変わってな、10万ユーロ以下の金について、これに課税するのは止めや、でも、それ以上には15%課税や!!これが誠意っちゅうもんでっせ」

 キプロス政府「いやいや、15%はちょっと待って・・・これは高い・・・交渉の余地を・・」

 と、これが今朝までの簡単な流れとなっているのですが、この15%の数字と債務削減が行われた場合、今考えられているEUの策では、キプロスの銀行に1億1000万円預けている場合、7000万円になります。

 これが日本の銀行で起こったならば、パニックになる事は間違いないのですが、さて、このタイムリミットが25日と迫る中、どのようにEUとキプロスが折り合いを付けるのか?はたまた付けられないのか?

 もしも、キプロスがデフォルト(破綻)となってしまった場合、この余波と言うのは大きなものになる事が考えられますが・・。

 さて、今日はここまですが、簡単にキプロスの状況を書かせて頂きましたが、実際は私の脳では説明する事が不可能なほど(笑)、もっと深い物となっていますので、悪魔で大づかみな感じと受け取って頂ければと思います。