アメリカ資産バブルの影
ドル円を少しだけ売り
昨日に少しだけ書いていたように、金曜日と言う事で大きく勝負したくないところなのですが、とりあえず少しだけ92.673で売っております。
本日は、前半部分が長くなってしまったので、「ただでさ読みにくい文章なのに、長いと読むのが疲れる」と言う知人からの苦情もありまして(笑)、本日はチャートはカットさせて頂きました。
やはり、今日売ってみたいと思ったのは、GDPが良く無い事がベースにあり、アメリカの強制歳出削減のネタがチラつく事、そして、以前にも書きましたがトリプルB(バーナンキ、ベルルスコーニ、ベイナー)の内のベイナー氏が表舞台に出てき始めている事、などがあります。
日銀の総裁人事は、麻生氏の話しぶりからすると、黒田氏、本人の承諾も取れている事が想定されるため、もしも黒田氏で無い場合には一気に円高フラグとなりますが、それも無いように考えています。
すると、日本からの発信は無いと言う事なので、相場が頼るのはアメリカの状況、つまりはGDPや歳出問題に頭が重くなるのでは?と言ったところです。
週末なので、手仕舞いは早めを考えていますが、大きく下向けば小額なのでホールド持越しも考えています。
ではでは、今日はこの辺りまでですが、実は昨日エコノミストで非常に便利な格付けについてのサイトを見つけたので、明日は、この事について紹介したいと思いますので、お時間が有る方は明日もお会いしましょう。
[2013-3-1] 本日は、アメリカがバブル状況にあるのではないか?と言う事について、昨日発表されたGDPの改定値をベースに書いてみたいと思います。
比較的に長めの見通しとなるので、直接今日の相場に関係があると言う内容ではありませんが、少し興味深い側面が出ているように思います。
まず、下のアメリカ・ダウの株価の推移をご覧ください。
(参照サイト:Yahoo!ダウチャート)
上は、アメリカダウの推移を示したチャートで、期間を2年に絞ってたものですが、現在、過去最高値に到達しようと言う勢いを見せており、14000ドル台での推移となっています。
では、次に、同じ2年の時間軸に合わせたアメリカのGDPの推移を見てください。
(参照サイト:アメリカGDPグラフ(チャート))
さて、この2つの画像は時間軸は、ほぼ同じとなるわけですが、不思議な事にGDPが下降してくると株価は上昇し、反対にGDPが上昇してくると株価が下降すると言う推移になっています。
基本的には景気が好調の国の株価と言うのは上昇する傾向にあり、反対に国の景気が下降気味の場合には、その国の株が売られて株価が下落すると言う傾向があります。
しかし、上の2つを見てみると、それとは全く反対の反応を見せている事が分かります。
そして、これがアメリカの量的緩和(QE)の効果だと言う事が考えられます。
資金の流れとしては次のようになるでしょう。
アメリカの景気悪化 ⇒ 更なる量的緩和期待 ⇒ ドルの価値が下がる ⇒ ドルを売って他の資産に ⇒ 米国債を購入 ⇒ 米国債の利回り低下で旨味が無くなる ⇒ ドルで他の資産にも手を出す ⇒ 株を購入 ⇒ 株価上昇 ⇒ 実体経済以上の株価を付ける ⇒ バブルに・・・
少し見難いですが、上のような流れの元で現在は相場が動いている事が想定されます。
つまり、これを言い換えると、アメリカの景気が上昇傾向になってくると、FRBの量的緩和からの脱却が想定され始め、「株価が下がる」と言うチグハグな展開が想定されます。
もちろん、投資家も馬鹿では無いので、ある一定のところで折り合いを付けて来る事が想定されますが、余りにも量的緩和期間が長すぎたため、この緩和が無くなった状況に投資家達は耐えられるのか?と言う事が今から危惧されます。
この事が、先日、ダラス連銀総裁の発言に繋がっているのではないか?と考えます。
フィッシャー米ダラス連銀総裁「私のようなタカ派でもQE3停止とは言っていない」
(参照サイト:リチャード・フィッシャーの発言・ニュース)
このフィッシャー氏はハト派が渦巻くFRBの中でも比較的タカ派よりで、HDP1.7、RHDPは1.0と言う人物になっています。
つまり、フィッシャー氏も、この資産バブルからの巻き戻しについて雲行きが怪しいのでは?と考えているのかも知れません 。
また、先月の5日には、ダウの行き過ぎを懸念してか「市場では行き過ぎの兆候がいくつか見られる」との発言も出しています 。
さて、この事が意味する内容とは一体何のか?それは、これから始めるインフレとの戦い、さらにはハードランディングする可能性を避けるための、非常に緩やかな金融引き締め。
この流れを取るしかFRBの方向性は無くなってきているのかも知れないと、考えさせられてしまいます。
ともするならば、日本の緩和にもよりますが、アメリカだけを考えると、円を売って米ドルへの投資をする場合には、最低でも3年のスパン、更に長く5~10年のスパンまで考えてのロングを仕込む事がメリットとなるように思えてきます。