独バイトマンとECB

 [2013-3-13] 本日は、ドイツ銀行総裁であるバイトマン氏とECB(欧州中央銀行)に焦点を当てた話について紹介する事をメインとしていきたいと思います。

 その前に、いつものようにドル円相場についてチャートで現在の状況を追いかけていきたいと思います。

2013年3月13日ドル円8時間足チャート

 今回もドル円8時間足チャートから相場を追いかけてみたいと思いますが、昨日と同じようにラインを入れてみました。以下が昨日のチャートです。

2013年3月12日ドル円8時間足チャート

 マクロ系ファンドの売りエントリーが観測された箇所について、1つ上のデータが有ったので書き換えてみました。

 こうやってみてみると、黄色の細いトレンドラインブレイクが意識された事がチャートからは見てとれます。

 現在は下押しからの戻しが入っていますが、最近の傾向としてダブルボトムの底割れからの上昇傾向が多いと言うドル円を意識して、96.61にてストップ96.59で入れています。

 チャートを追いかけてみると、面白いようにマクロの反対方向へと舵を取るようになっているように思います。

 つまりは、このまま上げていく場合には96.2辺りが上値目途となるようにも思える形となっています。

 本日の材料としては、アメリカの小売売上の発表がありますが、アメリカの景気回復を見極める上で非常に重要な指標となるため、しっかりと見ていきます。

 また、明日の朝、本日の深夜になりますが、アメリカ10年国債の入札が予定されているため、発表後に潮目が変わる事も多いので注意していきたいと考えています。(経済指標参照:経済指標発表予定表へ

ドイツ銀行総裁バイトマンの孤独とECB

 実は非常に興味深い発言が昨日バイトマン氏から聞かれています。

 バイトマン(人によってはワイトマン)は、ドイツ銀行の総裁職に現在就任している人物ですが、RHDPは+1.4と、どちらかと言うとタカ派的な人物となります。(FX要人参照:イェンス・バイトマンの発言・ニュース

 特に、OMTなどECBの緩和政策に常に反対の意を唱えており、「ドイツらしい」と言う考えが当てはまる人物です。

 このバイトマンが、昨日以下のように発言を出しています。

 ・バイトマン独連銀総裁「リスクはECBの金融政策から派生」
・バイトマン独連銀総裁「ECBはインフレリスクが減少していると見ている」「中期的には、インフレリスクは均衡」
・バイトマン独連銀総裁「ユーロの為替レートは経済を脅かしていない」「ECBの政策は極めて拡大的であり、リスクをもたらす可能性」

 この中身を見ていると、完全に「ECBの舵取りは間違っている」と言いたいような内容となっています。

 このような「ドイツVS欧州中央銀行」のような関係は、何もバイトマン氏の代となってから始まった訳では無く、アクセル・ウェーバー前ドイツ銀行総裁の時にも起こっています。

 この時、ウェーバー総裁はトリシェ総裁率いるECBの緩和姿勢の強さに反発を見せ、次期ECB総裁は確実視されていたにも関わらず、ドイツ銀行総裁を止めてしまいます。

 また、ユルゲン・シュタルク氏も同じように緩和反対を示す理由で、任期を2年半残してECBの職を辞しています。

 欧州を牽引する国の代表者が続々とECBから撤退している中、さらにドイツの発言力が低下しており、肩身の狭い思いをしているのかも知れません。

 さて、話をバイトマン氏に戻すと、少し前ですが「彼が辞任するのでは?」と言う噂が出ておりました。

 彼の発言を見る限りでは、完全にECBの路線とは違う方向を向いているだけに、今後、バイトマン氏の動向について注目をしておきたい材料であると考えています。

 また、バイトマン氏が辞任するような事態となれば、ECBが揺れる事が想定され、ユーロは売られやすくなる事についても留意しておきたいところだと思います。