雇用統計ドル円反落も

 [2013-3-8] 先日から大きく上昇を見せて高値を更新してきましたが、売りポジションを全て持っていかれてしまったとはいえ、ADPで狙いを付けた方向へ相場は動くと言う状況は健在となりました。

 しかしながら、現在の相場状況は完全にアメリカの景気回復が軌道に乗りつつある事を意識しており、反対に本日発表予定の米雇用統計の数値が悪ければサプライズと言う事になる可能性を秘めています。

2013年3月8日ドル円8時間足

 さて、上はドル円の8時間足チャートとなっていますが、幾つかの売り水準をこなしていく内に、ドンドン上昇して、上昇角度としては8時間足レベルでは限界付近にまで到達している事が分かります。

 そこで、いくらかの調整を考えた売りを持ち込みたいところとなりますが、本日予定されている米雇用統計があるため、思い切った行動がとりにくいと言う状況となっています。

 ここで、本日のタイトルにもなっている米雇用統計について、ドル円の反落の可能性を考えているかについて簡単に紹介させて頂きます。

 まず、重要な点としては、チャート形状からも売ネタを探しているところはあると思いますが、市場全体が完全に楽観モードとなっている事です。

 「ADPも良かったので、雇用統計も良いだろう」「欧州も上向き兆しがあるし、アメリカも大丈夫だろう」と、言った安堵感が市場を包み込んでいます。

 先走るように上昇を見せている株式相場など、雇用統計を控えて後ろ向きな意識がありつつも、言わば金融政策によって買わされている状態に近いのかも知れません。

 そんな中で、もしも雇用統計が少し悪い数値を出した場合には、大きくドル円が落ちる可能性があります。

ドル円上昇までのアメリカの流れ

 今回のドル円上昇について、日本の金融緩和、つまりアベノミクスによる世界からの注目が有った事も非常に重要ですが、為替は1つの通貨では無く、2つの通貨、つまりはペアで考える必要があります。

 そうなるとアメリカの流れを知る事で、さらに相場が分かりやすくなってきます。

 アメリカの現在の状況は、金融政策、金融緩和を一旦止める、もしくは緩和量を減らすと言う動きに対しての議論が持ち上がっています。

 それは、住宅市場の上昇を受けて、バブルを懸念する声が上がり始めているからです。

 日本は金融緩和をこれから大々的に行うであろうと言う見通しに対して、アメリカは金融緩和終了の兆しですから、そりゃ円が売られてドルが買われると言うのが自然な流れとなります。

 そこで、今夜の雇用統計は非常に重要な役割となってくる訳です。

 もしも、景気回復に対して確かな手ごたえの数値となる結果が雇用統計で出た場合、例えば+20万人超と言う数字ですが、この場合、ドル円相場は一気に吹き上がる事が予想されます。

 20万人と言うラインは、アメリカの雇用が増加する非常に重要なラインとして言われており、このラインを超えてくるようならば、円売りドル買い、パターンとなる事が示唆されます。

 この場合注目しておきたいのは株価の反応です。株価が上昇基調にあれば更なる円安で良いと思いますが、恐らく今の水準を考えると上昇後には緩和期待からの後退の利益確定売りが先行するように考えています。

 次に弱い数値10万以下と言う場合はどうでしょう?

 この場合には、アメリカの金融緩和がまだまだ続くと意識されての円買いが想定されます。

 また、米株価が跳ね上げる可能性もあり、同時にドルストレートを中心としたドル売りが発生して、ドル円は売り押される事が想定されます。

 最後に、予想付近の17万人辺りだった場合。

 この場合には、失業率へと注目が移ってくる事になりますが、失業率は予想は先月と変わらずですが、若干の低下が見込まれており、7.8ほどの数値ならば円売りに対しても、そこまで大きなインパクトとはならない可能性があります。

 そして最後に、この全体的なパターンとして、やはり雇用統計発表後の株価反落を受けてのドル円の釣れ安です。

 今回の統計についてもADPからの期待が大きく、雇用統計の数値が良いにも関わらず、「それは織り込み済み」と判断されるパターンが出る可能性が強い事です。

 そこで、私の戦略としてはやはり上げてきたら売ってみて、雇用統計の全戻しを狙ってみようかと考えています。

 もちろん、雇用のジャンプの仕方を見て売り場は決める必要がありますが、余りにも強いジャンプが起きれば、プルプルと震えながら売る事になりそうです(笑)。