米雇用統計とFRBの動き
これまでの株と米国債の反応
これまで、米株と米国債価格が伸びてきた背景としては、アメリカの金融緩和による影響が非常に大きいと言うバックグラウンドを持っています。
つまり、アメリカが悪い指標を発表すればするほど、緩和期待が大きくなり株価や米国債価格が伸びたと言う訳です。
反対に、アメリカの経済指標が良いと、市場の反応は非常に困る訳です。
指標が良い ⇒ 緩和が終わる ⇒ 国債の買い入れが無い ⇒ ドル価値上昇 ⇒ 米株・国債売り
と言う流れが頭の中によぎるからですね。
しかし、今回の結果は中途半端に良い数値では無く、20万人と言うボーダーを超えた、少しのサプライズともなる良い結果となりました。
そこで、最初はリスクオンへと相場が動きたくなってくる訳ですが、通貨ペアではアメリカの金融緩和が終わりになると考えられ、米ドルの買い戻しが進みます。
さらに、米国債も売られ、利回りは3.26%の伸びとなってしまいます。
つまり、困った投資家達は、分かりやすいところからドンドン仕掛けて動いていく事になりました。
そんな中で、困ってしまったのはドル円です。米ドルの買いに支えられて上げてみたものの、ドル買いの強さにポンド・ユーロなども下落、さらにその下落がユーロ円やポンド円の足を引っ張ります。
そして、困ったドル円は買いこまれて全戻し。
これは、非常にやっかいな状況になりつつある事を示しているわけですが、アメリカの潜在的な復活を印象付けるような指標結果が続くようであれば、指標発表後にリスクオンの展開で統一されるでしょうが、米国債に限ってはリスクオン・通貨はリスクオフとアメリカの金融緩和の影響で市場が複雑化している事を印象付けます。
そして、これからFRBが取ってくる行動として、一番難しい話が今回の動きに見てとれました。
昨日の良い指標を受けて、真っ直ぐに動いたのは米国債。
良い指標 ⇒ 緩和終了 ⇒ 国債購入無し
つまり、これは、これから景気が回復するに釣れて、米国債の利回りが上昇して来る事を意味しています。
利回りが上昇して困るのは?と言うと、利回りが上昇すると言う事は国債自体の価値が落ちている訳ですから、その国債を抱えているところがヤバいと言う事になります。
それは、何処でしょうか?今1番のシェアを持っているFRBと言う事になってきますね。
買い入れた国債を市場に戻す時、そう遠くない将来に、FRBが莫大な損失を被る可能性が出始めている事を、昨日の雇用統計は示唆しているのかも知れません。
[2013-3-9] 昨日の雇用統計では、昨日のブログ内容で想定通りの全戻しで、80ポイントの利益を出す事ができ、やれやれと言った週末を迎えています。
本日はは昨日の発表された米雇用統計の動きとFRBの今後について考えてみたいと思います。
グラフ参照サイト:米、非農業部門雇用者数グラフ
さて、上のグラフはオレンジ色の部分が雇用統計の発表結果となっているのですが、今回は予想+16.5万人に対しての結果+23.6万人と言うサプライズ的な数字となりました。
この20万人超えと言う1つのボーダーを超えた雇用統計が注目となる事は、先日にも書かせて頂いておりましたが、そのボーダーを突き破った事により、ドル円相場は一時大きな買い上げが起こりました。
この買いあがったポイントが売りのチャンスだった訳ですが、私は雇用統計と言う事もあり小さめのLotでの売りとなりましたが、その理由として以下のグラフからです。
上はニューヨークダウのチャート、つまりアメリカの株式の先週5日間の動きとなっています。
見て頂けると分かるように、8日の反応はまず上飛びをしてから下へと落ち、そしてまた戻り上げと言う形になっています。
この思惑として、雇用統計の数値と深い繋がりがあるように考えられます。