ドル円米国債に注目せよ

 [2013-10-23] まず、本日は先日の私のトレードを簡単に紹介するところから始めてみたいと思いますが、先日のブログ「本日の雇用統計の動き方」で色々と雇用統計における動きについて書いておりましたが、だいたい主要な考え方は型にはまってくれたため、大き目の利益を得る事ができました。

 その主要な考え方については後で解説を挟むとして、まず統計前の小さな反発を狙ってショートを入れておる事を紹介しておりましたが、それはストップを巻きとられ、統計後の下落でロング(97.89)、その後、反発を確認し利食い(98.40)、直後に途転ショート(98.487)、その後、利食い(98.090)と、現在98円ストップを巻き込み下降線を辿るドル円ですが、統計の動きにおいては上手に波に乗る事ができたように思います。

ドル円2013年10月22日チャート4時間足

 チャート的には上は先日に私が作成しておったものですが、高値安値共に届かない結果に終わり、雇用統計と言う1つの魔物の難しさを示唆する形になった訳ですが、現在はその雇用統計発表を受けて、平常心を取り戻した落ち着きの中で「マーケットは誤差を修正している段階にある」と私は考えています。

 さて、それでは昨日のトレードの型について少し解説をしてみたいと思うのですが、まずは先日発表された雇用統計データを再度ご確認ください。

  • 9月非農業部門雇用者数(前月比)+19.3万人↑(前回)+18.0万人(予想)+14.8万人(結果)
  • 9月民間部門雇用者数(前月比)+16.1万人↑(前回)+18.0万人(予想)+12.6万人(結果)
  • 9月失業率7.3%(前回)7.3%(予想)7.2%(結果)

 まず、非農業部門雇用者数、民間部門雇用者数の結果が共に市場予想よりも弱く発表された事が分かりますが、これは、ドル円が初動で下降した原因となります。

 その数秒後、失業率も発表され0.1%の改善が分かった事で、マーケットは悩み98円を割り込んだ水準で若干動きが無くなります。

 これが、先日私が紹介していた「今回の統計結果は失業率の変動の方がより重要視される可能性(来月の統計結果がより重要なため)」の理由になる訳ですが、そこで荒い値動きの中でも比較的落ち着いてロングを打ちこむ事ができた訳です。

 しかし、その後、最近かなり口を酸っぱくして言っていた「米国債利回りとのギャップ」についてドル円が我を取り戻したかのように高値を打ち込まれる事になる訳ですが、98.48で売る事ができたのは98.50バック、98.60バック、98.80バックと言うイメージが事前に有ったためで、特に98.80バックには輸出系から厚いフローが予想されている事から考えても「非常に売りやすい状況にあった(米国債とのギャップがメインシナリオ)」ためです。

 その後、この雇用統計後の動きに関して個人的には非常に不可解な部分もあり、98円を前にして利食いをしてしまう形となったのですが、それが米株式相場です。

 この米株式相場は発表後に上げたものの、しばらくして値崩れをおこしたのですが、それが個人的に納得ができなかったのですが、整理して解説すると以下のような流れになります。

昨日の雇用統計時の考え

 雇用統計の発表 ⇒ 統計結果が弱かった ⇒ 来月の統計結果はさらに悪い ⇒ 米国のQE削減は大分先になる可能性

 ・米国債買戻し ⇒ 米国債利回り低下 ⇒ ドル円がギャップに耐えられずに下落

 ・米株 ⇒ QE削減先送り ⇒ 景気後退の見通しからの不安払しょく ⇒ 米株買い ⇒ 株価上昇 ⇒ 雇用の数値悪化を受けて不安心理からの売り ⇒ 株価下落

 ・金相場 ⇒ QE削減見送り ⇒ ドルの価値が下がる ⇒ 価値が下がらないものとしてドルの代替えとして金買い ⇒ 金価格上昇

 と、簡単に解説すると上のような流れがあったのですが、米株価が「QE延長観測を受けても大きく買いを継続するような反応が無かった」と言う事実がどうしても引っ掛かり、その後の大反転(米国債利回り上昇・金価格下落)と言った流れを想定してドル円ショートを逃げる運びとなりました。

 今になってゆっくり考えてみると、「数値の悪化があったので来月の発表を懸念して伸び悩んだ」と言う事を考える事が筋になるとは思うのですが、雇用の動きを追っている時点では正直「気が付かなかった」と言う私のトレードの至らぬ部分だと考え反省しております。

 結果的に、結構な益となっているので良しとはしているのですが、昨日の利益を生んだ最大の要因は、やはり「米国債の利回りとのギャップ」と言う「最もトレードの本質を付くもの」であった事は再度心に刻んでおきたいと思っています。

ドル円4時間足のチャート

 さて、前半に昨日を振り返ってしまったのですが、後半はいつものようにドル円の4時間足チャートで解説を挟んでみたいと思います。

ドル円2013年10月23日チャート4時間足

 まず、大幅に現在下落を見せているドル円ですが、96円台に入るとアカラサマニ底堅さを見せるポイントがチラホラと見受けられる事を想定しています。

 利食いを早まったので、今度はロングポイントを探すのが私のお仕事となる訳ですが、ショーター目標ラインである97.2以下の水準と言うのは短期反転ポイントとして狙うべきところだと意識しています。

 また、本日の下落の引き金となっている部分に関しては、本邦輸出系の売りが98円台から入った事で、上値としては強烈に意識される事になりそうです。

 96.8以下では、リアルマネーフローに絡み、本邦輸入系からのドル需要がかなり観測されているので、その実需に当たった後は、特にモデル系からのストップ刈りには注意をしながらのトレードとなるように考えています。

 ではでは、本日も張り切って参りましょう。