最近のマーケット材料

 [2013-8-29] 昨日、突然ブログの更新が無かった事について、まずお詫びをさせて頂きたいと思います。

 一昨日から外出しておったのですが、都合により1泊する事になり、そのまま帰宅したのが昨日の夕方と言う事もあり、ブログを更新しようか迷ったのですが、マーケットを追いかけていない者が書いても「薄っぺらな内容になるだけだろう」と言う判断の元で、更新を自粛させて頂きました。

 出かけていた分、溜まっていた作業を昨日は1人もくもくとこなしていたのですが、見ていない間にマーケットについて注目材料が出そろい始めているように感じました。

 そこで、本日のブログの前半では、現在のマーケットの注目材料(私が注目している点)について、簡単に紹介してみたいと思います。

米、金融緩和政策縮小の行く末

 アメリカのQE削減(金融緩和政策縮小)は、以前から話題になっていますが、これまで(特に今年)市場を牽引してきていた住宅市場動向が、米国債利回りの変動により頭打ちになっています。

 つまりは住宅ローンの利回りが上昇してしまう前に(QE削減に伴い利回りが上昇を前に)、駆け込みで住宅を購入していた人達が慌てて固定金利を求めて買っていたのですが、住宅ローンが4%を超えてきたと言う事と、駆け込み需要が終わったと言う事で、市場から活気が抜け始めています。

 これはつまり、QE幅の削減、テーパリングとも言われていますが(9月削減のSeptemberと掛けて)、9月にQE幅を削減する事は少し難しくなってきている事を示唆させます。

 9月の削減を先送りされるとなると、「次のターゲットは12月では?」と言われていますが、全体的な米指標や米国債の動きを見ていると「正直、9月は厳しいのではないか?」と言う気持ちで今は見ています。

 しかしながら、雇用統計自体は悪い結果を出していない事から、次回の統計については、“かなり”の注目材料となるように考えています。

米債務上限引き上げ

 この米債務上限引き上げについては、恐らくは9月半ばから月末にかけて、大きな話題をさらっていくことになりそうなのですが、米大統領のオバマ氏と米下院委員長のベイナー氏が、選挙票を取り合う1つの「茶番劇」に経済が振り回される事になります。

 強い統率力を示したいオバマ側(民主党)は、「無条件での債務上限引き上げ」を求める一方、ベイナー側(共和党)は最大野党勢力として、「何らかの予算削減が無い事には、債務上限を引き上げられない」としています。

 どちらも、第三者になってみてみると「どうせ、通さなければ債務不履行(デフォルト)になるんでしょ?さっさと通しなさい」と言う気になるのですが、次の選挙を見据えて、米国の将来を考えるべきはずの両党が、またしても経済の足を引っ張る事になるのかも知れません。

 合意のニュースは、米株にとってプラス材料なので、リスクオフ傾向の動きが想定されます。

ドイツ、メルケル首相がピンチ

 これまで、ギリシャ・キプロスと支援を行ってきたドイツですが、どうやら選挙は乱戦となっており、現在のところは少数派ですが、「ユーロ脱退を掲げる党」まで出てきている事態となっています。

 メルケル首相の支持率低下が大きな争点となっているのですが、それに対して、最近では躍起になって「法人税を引き上げしない」「ユーロ危機は終わっていない」と言う選挙を争点とした発言が出始めています。

 ユーロ脱退を掲げている党(ドイツのための選択肢)は、現在のところ少数派だと見られていますが、その獲得票は与党であるメルケル側の票を幾つか奪う事になる事が考えられています。

 メルケル氏が交代するようなケースが“もしも”起こったならば、「ユーロ売りは避けられない」と言ったところになると思いますが、現在の見通しでは「連立政権を何処と組むのか?」が焦点となっており、こちらも政治面から経済の足を引っ張りそうな予感が出ています。

ギリシャ・イタリア債務問題

 これはもう紹介する必要も無いのかも知れませんが、この2国の債務問題はやはり2014年にも継続と言ったところになるでしょう。

 特に、ギリシャの新たな措置が行われる展開となるのであれば、ドイツからの反対は必死となる可能性が考えられるのですが、ダイセルブルーム議長(ユーログループ議長(オランダ人))は、既に、「ギリシャには新たな措置が必要」との見解を示してしまっています。

 これは、ドイツの選挙後と言う事になりそうですが、ユーロ売りとなる材料はまだまだ根深いと言ったところでしょうか・・。

シリア・エジプト情勢

 特に、現在はシリアに注目が集まっていますが、アメリカ含め連合軍がシリア攻撃を行うのか?と言う決断が、ここ数日以内に発表される予定です。

 イギリス軍関係者によると、「潜水艦の出動」「戦闘機による攻撃」などの話が出ていますが、「短期間に集中的な攻撃が行われる可能性」が出てきています。

 シリア攻撃が有った場合には、「ドル買い・円買い」で反応する事は間違い無いと思うのですが、戦闘終了宣言は、これまで溜まっていた不安払しょく材料になりそうです。

 また、エジプトの軍事政権が、「スエズ運河で米艦隊の航行を禁止した」との噂が出ていましたが、博物館が荒らされるなど、事態は混とん化しています。

 この不安材料もやはり円買いドル買いとなってくる事が考えられるのですが、観光業がメインとする国エジプトが現在の体制を続ければ続けるほど、苦しい状況になってくるのは間違いないとは思います。

ドル円4時間足のチャート

 本日は、前半戦が長すぎたので、後半戦はチャートだけです。

ドル円2013年8月29日チャート4時間足

 基本的に、本日はシリア情勢の状況を見ながら、米国債の利回り推移に乗っ取った動きを想定しているため、何処で買いや売りと言う事は言えませんが、高値圏にては売りを想定しています。

 ただし、シリア情勢の改善を示唆するようなニュースの場合には、一気に上値抜けがあるので、そのような材料の場合には売りは考えていません。

 また、マーケット全体の展望として、やはり95円台と言うのは輸入勢の力が強いので、その手前ラインが材料無しには堅いであろうと言う考えに変わりは有りません。