日本経済曇りでドル円下落

 [2013-8-7] 先日の私のトレードは、98.5のストップを刈り取ったポイントで途転を入れて、最近のトレードの基本としている回転数を上げたトレードを目指しました。

 そのショートは.50のストップを刈り取ったところで入ったので、短い期間で言うならば絶好のポイントで売りへと転化したのですが、97.78でショートを食い、途転ロングを97.50のストップが刈りとられたのを見て、97.56で入りました。

 思惑通りに、一時的にそれなりの利益は出たのですが、欲豚になってしまい(笑)、そのままホールドしての玉砕ストップを持って行かれてしまいました。以下が先日作ったチャートです。

ドル円2013年8月6日チャート4時間足

 このチャートの後で、98.5をブレイクする辺りまで伸び、その後、陰線が付き、日本時間の引き際4時間のマーケットは全否定の相場となっています。

 ただ、上のチャートを見て頂けると、97.5辺りは、かなり分厚い買いが入っていた事が容易に推察される訳ですが、こう言ったポイントを“ファンド関係者が狙った”と言うのも事実かと思います。

 しかしながら、単純に“狙う”と言ってもそれ相応のネタが必要ですので、そこに何があったのか?と言うと、日本の景気失速感だろうと私は見ています。それが、本日の今朝方に有った日経新聞のニュースです。

 日経新聞が報じたところによると、政府が7日示す中期財政計画と2014年度予算の概算要求基準案が分かった。15年度に国・地方の基礎的財政収支の赤字幅を半減する国際公約を維持すると明記。国の予算ベースで8兆円の赤字削減に向け、リーマン・ショック後に導入した1兆円規模の地方景気対策枠の縮小を検討すると新たに打ち出した。

 この1兆円規模の景気刺激策が縮小と言うニュースに大きくマーケットが反応し、株式相場ではファンド関連による円高の流れも受けて、400円の下落を記録しています。

 全体的に景気失速感が有る中で、増税も行われる事になると、やはり一時的には増税前の特需はあるものの、マーケット関係者から見ると長い目考えると、消費税が引き上げられた時に日本市場が大きく冷え込んだ事を忘れてしまったのか?と言う思いは生まれてきます。

 この増税について、エール大学名誉教授であり内閣官房参与である浜田宏一氏は「消費増税で景気に影響が出始めたら、日銀は追加緩和の用意を」との発言を出しており、これまで増税について否定的なコメントを出していましたが、容認とも取れる発言へと推移しています。

 増税して追加緩和をするならば、もう少し増税を先延ばしにする事も手立てとなるはずなのですが、IMFを筆頭に世界からの増税圧力に対して日本は少し寄り切られている事と、やはり“日本国債の利回り急上昇を恐れている”事がポイントとなっているように考えています。

 ただし、金融緩和からの撤退は、米FRBの対応を見ていても大変難しい状況に有り、それが如何に国債の利回りを見る上で慎重にやるべき問題なのかが良く分かります。

 日本の金融市場はこれまで安倍新政権になってから、ボラティリティが大きいものの上手くコントロールされている状況にありましたが、今後の対応次第で、大きな暴落相場を引き起こす危険性も十分に有る状況です。

 通常であれば、もうしばらく景気上昇を見てから手だてを出したいところなのですが、今の政権にはやはり先の政権の間に失った多くの物と時間がのしかかってきているように考えています。

ドル円4時間足のチャート

 さて、それでは後半でいつものドル円チャートの作画です。

ドル円2013年8月7日チャート4時間足

 基本的には上記の通りなのですが、やはりテクニカルラインと記しているラインが非常にチャートとしては重要で、このラインを下抜けた事により、マーケットとしては日足レベルでの下値を下がる展開が想定されやすい状況となっているように考えます。

 このテクニカルポイントより上で日足が引けるようであれば底値が意識されるようになる事も想定においておき、エントリーはショートの方がやり易いのですが、既にポジションを利食いに掛けているので、今度は打ち込みの底を狙ったロングを想定してます。

 ただ、現在の展開を見ると、下押し圧力が強くなるだろうと言う事を想定しているので、“ロングはしっかりと引き付けてから”と言う基本に忠実になり望む予定をしています。