7月分の雇用統計の1週間

 [2013-8-3] 本日は、マーケットがお休みなので前半戦だけの記事となりますが、今週も1週間お疲れ様でした。

 個人的には、雇用統計週間で有ったものの、200ポイント超取れる良いマーケットであったように考えているのですが、それでも、やはり雇用統計とFOMCが重なる一週間と言うのは睡眠不足に陥ります。

 それを物語っているのが米国債マーケットで、米国10年国債の利回りが3日で0.1%「下がって、上がって、下がって」を繰り返す異常なほどのボラティリティとなりました。

 それを反映するようにドル円も「下がって、上がって、下がって」を繰り返した訳ですが、この乱高下の相場に対しては多くのストップカットが行われたようにも思っています。

 【米非農業者部門雇用統計のグラフ】

米非農業者部門雇用統計のグラフ

 さて、先日の米雇用統計を考えるのであれば、まずあそこまで下落したのには、やはり「ADPの結果を全否定する結果だとマーケットが取ったから」と考えるのが基本となるかと思いますが、ADP雇用統計の結果が「+20.0万人(市場予想+18.0万人)」と言うものだったのに対して、非農業部門雇用者数は「+16.2万人(市場予想+18.5万人)」と言う結果に終わり、市場予想を出していた各社の結果を全て下回るものになっています。(各社の出していた米非農業部門の予想については昨日の記事「7月非農業者部門雇用統計」をご参照ください。)

 このデータを受けて昨日はドル円においては下降した訳ですが、このバックには米国債の動きが有り、「QE(金融緩和)縮小は先の話になるだろう」との見方から米国債買いに走ったと言う流れがあります。

 つまりは、リスク回避の流れとなってしまったのですが、マーケットが忘れているデータが1つあり、個人的にはその数値には注目をしています。

それが、米失業率です。

アメリカの失業率

米失業率のグラフ

 上のグラフを見て頂けると分かるように、オレンジ色の結果を示すグラフは順当に下げる方向性を持っており、先日の結果は「7.4%(市場予想7.5%)」と市場予想の範囲内程度とは言え、市場予想を上回り良い結果が出ています。

 この結果を受けて米非農業者部門雇用者数よりも若干遅れて発表されるため、一時的に大きく戻す展開となったのですが、実は、この7.4%と言う数値だけに注目してみると、2009年にまで遡る好結果となっています。

 失業保険継続受給者数の推移などから想定して、良い結果になるのでは?と言うマーケットのコンセンサスが有ったため、今回の動きはリスクオフへとシフトしましたが、もしこれが良い結果と言うイメージをマーケットが持っていないようだったならば、かなりの好材料として受け入れられたように想定しています。

 FRBは失業率が6.5%になるようならば利上げ開始を示唆しておりますが、順当に経済が進むのあれば、“2014年内の利上げ”と言う見通しが現実味を帯びてきたように感じています。

 今回の雇用者の増減結果が悪かった事もありますが、ただ、8月3日の発表となったため、いつもより準備期間が短かったため、もしかすると雇用者の増減表の提出が遅れている企業もあるかも知れません(月始めの指標なので良くあります)。

 そう言った意味を考えると、後でボディーブローのように効いてくる、「7.4%」と言う失業率の数字を忘れてトレードする訳にはいかないように考えています。