FOMCとインフレと国債

 [2013-8-1] 日本時間午前3時に米FOMCから声明が発表された事を受け、マーケットはそれまで発表されていた強気のADP雇用統計、GDPを差し置いて、それまでの上昇を一気に帳消しにする動きが発生しました。

 私は、先日書いていて指針通りに買い持ちでADPとGDPに挑み、左団扇でマーケットを見ておった訳ですが、FOMCの全文を読んでいる間に、ズルズルと下落していく米国債利回りに我に返ったようなドル円の動きに呆気にとられておりました。

 つまりは、FOMCではノートレードでフィニッシュとなってしまいました(涙)。

 さて、まずは先日、私が落書きをしておるドル円の4時間足チャートをみてみたいと思います。

ドル円2013年7月31日チャート4時間足

 98.5辺りをネックラインとして想定して、ADP・GDPで上げに転じたドル円に対して、このラインをブレイクし輸出勢の売りをこなした後で、FOMCで一気にダブルボトムとなる事をFOMCまでは想像しておりました。

 しかし、やはり先日も危惧しておったように、結局は材料次第の相場であったため、チャートを汚すまでは行かなかったものの、イメージして貫くはずの上値が貫けずに再度下降と言う状況が起こりました。

 このFOMCでの米国債の買いこみについてですが、「FRBはインフレ率が目標の2%を継続的に下回っており、経済活動にリスクを及ぼす可能性がある」との一文が声明に見られたこと、または「オバマ米大統領は次期FRB議長にコーンFRB前副議長を指名する可能性がある」と一部報道機関による一報が入った事が影響と考えられますが、あそこまで転がり落ちられてしまうと、さすがの強気の流れも一転となってしまいました。

 まず“FOMCの声明”についてですが、2%以下のインフレ率についてFRBが危機感を抱いている点について、CPIコアが1.6%と0.1%の減速発表が行われた前回値についての言及が行われた事が想定されますが、正直「これだけ金融緩和をしているのに上昇してこないCPIは危険だ」と言った事になっているのかと想像しています。

 それがイメージさせるのは、やはり“デフレ”と言う事になるかと思いますが、その危機感を感じて一気に米国債が買戻しにあったと言ったところでしょうか?

 また、声明について反対を出したのが、ジョージ米カンザスシティー連銀総裁のみと言う結果で、タカ派を代表する委員1人だけだったと言う事もタカ派材料が見られなかった今回のFOMCの内容で、結局は、変更の無い中で、インフレ率に言及した一文が目に留まったと言うところでしょうか。

 さて、次の次期FRB総裁についてですが、オバマ大統領はコーンFRB前副議長を指名するのでは?と言うニュースが流れておりますが、同氏はハト派色強い人物でもあるため、マーケットが国債買いに走ったとの見方も出ています。

 現在、有力だとピックアップされているのは、イエレンFRB副議長、ダドリーNY連銀総裁、サマーズ元米財務長官、そしてコーンFRB前副議長の4名になるのですが、この中でやはり一歩出ていると言う点では現在はイエレンFRB副議長となるでしょう。

 女性のFRB議長となると少し不思議な感覚もあるのですが、歴史の流れからしても女性の総裁が誕生しても良いのでは?と言う風潮が有りますし、このまま流れに乗っていってしまうのでは?と言うそんな感覚で見ております。

ドル円4時間足のチャート

 さて、後半はドル円の4時間足チャートですが、本日の戦い方としては、やはり欧州のマイナス金利が焦点になってくるとは思うのですが、変更が無かったとして、やはりユーロは買われる方向に向かうのでは?と想定してます。

 ドラギ総裁についても、事前ガイダンスを大切にしている方である事を考えても、今回はマイナス金利は見送りと言う事になりますが、後はどれほどの意識を持っているのか?と言う会見次第かと思います。

 本日も時と場合によってはドル円チャートが汚れてしまう事もあるかと思うのですが、現在のチャートは以下のようになっております。

ドル円2013年8月1日チャート4時間足

 やはり、基本は上下に入っているオーダーのどちらを引っかけるか?どちらのストップを巻き込むか?と言ったところになると思うのですが、雇用統計前に引っかけるのであれば、モデル系ファンドの動きも意識する必要が有り、ストップを巻いた地点が勝負になる事も想定しておきたいと考えています。