米債務上限の期限10月半ば

 [2013-8-27] 昨日、米耐久財受注の悪化を受けたドル売り円買いのタイミングでショートポジションの回収を行い、さらに途転をし、ロングポジションを持ち今日まで望む予定だったのですが、再びアメリカからの水が入り、ポジションは一部利食いを98.70で行っただけで、残りのロングは刈り取りに遭ってしまいました。

 まずは、先日に作成していたチャートから。

ドル円2013年8月26日チャート4時間足

 オレンジ色のトレンドラインに再度突っかける動きとなっていたところから下降し、その下降も反発を見せた事で、「もしかすると綺麗なブレイク足が本日付くのでは?」と言うところまで来ていたのですが、本日のタイトルにもなっていますが、米債務上限の話がこのタイミングで出てきてしまいました。

 正直な話、米債務上限については「ずーーーーーっと話題にはなっている」と言うのが、正しい解釈の1つだと思うのですが、その期日が迫ってくるに連れて、またマーケットが話題にし始めているところです。

 その期日と言うのは、10月の半ばだと言われており、この期日については今年の夏前辺りから変わっていない事を考えると、ここで債務上限問題にアメリカが揺れると、強めの円買いが入る可能性を示唆するように考えられます。

 アメリカは現在“ネジレ”状況に有り、以前のようにオバマ大統領に対する高い支持率も無い事から、オバマ大統領は演説をわざわざ地方都市まで出向いて行っている現状があるのですが、このオバマ大統領の力が弱っている事が、この債務上限問題の原因と言っても過言ではないでしょう。

 ベイナー米下院議長は、オバマ大統領とは反対の立場、共和党の最重要人物なのですが、現在、このベイナー氏とオバマ大統領の意見は完全に割れてしまっています。

 これも“選挙”を見据えた意見割れとなっているのですが、オバマ側が「無条件での債務上限引き上げ」を求める一方、ベイナー側は「無条件にて債務上限を引き上げる訳にはいかない(政府の支出を減らさなければ国民の支持が得られない)」と言う対立で、私達のような外から見ている者としては、「いい迷惑」と言うのがアメリカの現状となっています。

 この対立状況についてですが、“いつも”交渉はギリギリまで行われるので、恐らく10月まじかになってくると「米軍の燃料費が無い」や「公共施設の運用費が無い」と言った、“分かり切った”危険を煽るようなニュースが飛び出してくるので注意が必要になります。

 この債務上限の話に付いて、昨日の時点から飛び出してきた原因としては、ガイトナー氏の後釜として米財務長官に就任している、ジェイコブ・ルー米財務長官の「米国は10月半ばまでに連邦債務が上限に達する」との発言ですが、実は、こう言った発言はちょこちょこ行われています。

 しかし、昨日(今朝方)のケースでは、たまたま、その発言が出たタイミングがトレンドラインに当たって上抜けができない状況になっていたので、期日が意識され売りで反応したと言うところでしょう。

 9月の半ばになると、恐らくマーケットは債務上限の話でもちきりになる事が考えられますが、その前にアメリカが手打ちをできるかどうか?注目してみたいと思います。

ドル円4時間足のチャート

 さて、後半はいつものようにドル円の4時間足チャートで現在のマーケット状況について作画してみました。

ドル円2013年8月27日チャート4時間足

 現在、強めの下髭陰線となりマーケットが引けた事を受けて、チャート的には上値を探りたいところでは有りますが、材料不足といったところ(買い材料が無い)、と見てみます。

 上には本邦系の輸出からの売り、下にはマクロ系ファンド(米系)からの買い支え、さらにピンクラインの下には、輸入系業者からの買いが待っている事も有り、動きにくい状況となっています。

 しかし、今週は週末ですので、やはり週後半にかけてもドル需要が出る事が想定されるので、ドル買い方向での見方と言うのは変わっていません。

 現に、98円近辺になると強めの反発が起きるのは、そう言った思惑も重なってのことだと考えています。

 本日は、米住宅系指標と消費者信頼感指標の発表が予定されていますが、悪い結果はQE削減後退を意味し、売り反応しやすい状況ですが、売りで反応するならば下げ止まりを買いで入り、98円ラインのブレイク辺りが面白いと考えています。

 また、良質な結果となった場合には、やはり上値を抜けるほどの勢いは無いので、じっくり引き付けて短期的には売ってみたいと考えています。