中国の景気鈍化が鍵に

 [2013-7-24] 先月辺りから特に週末外出する機会が多くなった訳ですが、これも私を誘ってくださる方々がいらっしゃるからで、日曜日の睡眠不足と相場観減退に繋がっており、大変感謝しております(笑)。断らない(断れない)自分が悪いのですが・・(笑)。

 さて、そうやって週末外を出歩く機会が増えると、やはり“マーケット関連に対して興味のある方”と一緒に行動する事が増える訳ですが、皆口を揃えて話題に上げるのは「中国のバブル崩壊」についてです。

 FXを専業としている方と会う機会はほとんど無いのですが、銀行員、貿易関係、鉄関係、建築関係者など、それぞれ日常からマーケットに関心を持っておられる方と話すと、いつもその話題で持ちきりとなります。

 これは以前にも紹介しましたね。

 こう言った銀行員のような金融関係と深い繋がりを持っている方はさておき、貿易や鉄、さらに建築関係者、または税金関係者まで、中国バブルについて話題にする事自体が、日本との経済関係の強さを物語っていると思うのですが、本日発表された、日本の貿易収支に関して言うと、中国からの輸入が6月としては過去最高を記録するなど、強い関係を構築している事が分かり、それが各業界において注目視される現状となっているのだろうと分析します。

 また、中国から輸入は、金額ベースでは1兆3273億円と14.3%の増加となったとの事です。

 先日、ある中規模企業の社長とお話をする機会を得られた時(既に中国へと進出している会社)、中国で暴動が起きた際にも設備投資を行っていた社長が、「今は縮小へと向かっている」と話していました。

 それまで居た従業員の数を20~30人程度から一気に2~3人へと削減し、日本でキッチリと3年間の経験を積ませた従業員のみ残したと話していました。

 しかしながら完全に撤退しない理由として、「それまでの投資が大きすぎてなかなか踏ん切りがつかない」とのことでした。

 また、縮小に対しては、反日による影響と言うよりも、中国国内で捌ける仕事自体が大幅に減少しており、20~30人規模の仕事は「既に無い」とまで言い切っていました。

 そう言った意味でも、その社長は変わり身が早い方なのですが、中国の景気鈍化に対して敏感に感じておられるようでした。

 その結果、本日発表されたHSBC製造業PMIに目をやると、+47.7と、3カ月連続で基準値の50を下回る数値となっており、さらには11ヵ月ぶりの低い水準となっています。

 この結果に関して、やはり新規受注に対する減少が大きいようで、社長が以前に話してくれていた内容とピッタリ一致しています。

 中国政府はこれに対して、預金準備率の引き下げ等を行い、景気刺激策を行う事で7.0%のGDPを維持しようとやっきになっていますが、直近で発表されている中国のCPIは+2.7%と、緩和を武器に使うには少々高めの数値となっています。

 また、海外資産の撤退により市場に出回る通貨全体の量が減っている事から、少々の緩和をしても問題無いとする見方もありますが、GDPが7.0%増を割れてきて、CPIが4%近くまで上昇する流れとなった場合に、もうバブルの崩壊は見えているように思えます。

 2年前でしょうか?アメリカの通信社がCMで、「皆は中国がハードランディング(バブル崩壊)する、と予測するが、私たちはソフトランディングすると言ってきた。そして、それが今現実なった」と何度も何度も放送していた事を思い出します(笑)。

 今、その通信社がどのようなCMを流しているんでしょうね(笑)?

 しかしながら、遅かれ早かれ、崩壊へは近づいてきている流れとなっていますが、貿易収支を見ていますと、やはり隣国、日本への影響は大きなものになると感じてしまいます。

ドル円の4時間足チャート

 ドル円のチャートについて後半では少しだけ。

ドル円2013年7月24日チャート4時間足

 とりあえず本日は、ここまでにしておきたいと思いますが、99円割れにはCTAのストップが控えている事と、99.40と99.35にはNYタイムカットのオプションが用意されているようです。

 では、本日も張り切って参りましょう。