イタリア格下げと影が
ドル円の4時間足チャート
さて、後半戦はいつものようにドル円4時間足チャートを使ってのテクニカルポイント等の見方について紹介してみたいと思います。
それでは、まずはチャートをご覧ください。
さて、上のチャートを見て頂けると分かると思いますが、私が感じたファンドの動きについて可視化してみました。
マクロファンドが一定ラインにて売り掛けを入れていますが、このライン上には日本の輸出系企業の売りが並んでおり、そのラインを掛けないようにファンドの売りが入っています。
マクロが入ればシツコイので、その辺り上値では徹底的に売り込まれる事を想定しておきたいところです。
また、モデル系ファンドがガチャガチャと暴れている様子が分かると思いますが、短期時間軸で見て頂けると、確実ピンポイントでストップを上下に巻きながら遊んでいる様子が見てとれるかと思います。
こう言った流れは明日まで続く可能性が高いので、とりあえずは、狭いトレード、欧州NYタイムに材料が出た場合には、「見極め後に行動」と言う戦略で今日も戦っていきたいと思います。
[2013-7-10] まず、昨日のトレードと言えば完全に目がついたのが、先日も紹介していたようにモデル系ファンドの動きと言うところになると思いますが、昨日の夕方に「モデル系ファンドの買い・マクロ系ファンドの売り」と言うマーケット速報が流れていたので、「やっぱりね(出るのが遅い)」と言ったとこでした。
ただ、マクロ系ファンドが入っていたのは少し意外では有ったのですが、後半でマクロファンドなどのエントリーラインなどに紹介していきたいと思いますが、101.2辺りではメンドクサイ展開になる事が考えられます。
大方の見方では、流れはやはり「ドル買いで良い」と言うのが根本的にはあるのですが、今朝方のイタリアの格下げに加えてメルケル首相からは少し気になる発言も出ていますし、さらに言うとアスムッセン氏とメルケル首相との意見の相違点についても気にかかるところです。
何だかんだ言いながらも、“ギリシャは進展している”と言う見通しの陰で、失業率が27%と言う信じられない高水準の中で、一体どのようにして景気回復に向かうのか?非常に難しい問題が山積み状態だと言えるのではないでしょうか?
さて、それではもう少し深く切り込んで先日のアスムッセン氏の発言に目をやると、「新たなLTROの可能性を排除しない」「ECBのフォワードガイダンスは1年以上先についてのもの」と言う発言を出しています。(発言参照:ヨルグ・アスムッセンの発言・ニュース - ゴゴヴィより)
つまりは、「危機に対応するように金融緩和を行う必要性がある」との見解で、ドイツ出身者であるアスムッセン氏なので、どちらかと言うと中間よりもタカ派的な人物によるハト派的な発言であると考えておくべきでしょう。
次にメルケル首相はと言うと、「財政支出はユーロ危機の解決策にはならない」「高水準の貸出コストがユーロ圏の成長を阻害している」と今朝方に発言しています。
つまりは、「金を使わずにどうにかせんかい!ドイツは金出したくないよ!」と言う意見を出しています。
両氏についてはどちらもユーロ並びにドイツの事を考えた発言になりますが、それでも意見に違いがあるのは後々の金融市場にとってはマイナス材料となるであろう点かと思います。
この発言が、イタリア格下げの陰に隠れているので、今回はピックアップして見る事にしましたが、やはり、欧州は一筋縄ではいきそうにないイメージと、マイナス金利の導入の思惑、さらには、長期間の低金利の継続など、ユーロに対して弱気の見方が広がる事になっています。
しかし、足元では、ドラギ総裁は「長期間低金利を維持することへの同意は難しい」など、低金利政策について強い反発が起こっている事も示唆しており、ユーロの問題はまだまだ火種が残り続ける可能性を示唆するものとなっています。
さて、そんな中で、行き先を失っているマーケットに対して、ファンド関連のフローが遊んでいる状況となっているのですが、行き先を失っている時こそファンドのストップ刈り合戦が行われる傾向にあります。
恐らくは明日の黒田日銀総裁の会見で、一定の流れは生まれる事が想定されますが、基本的にドル円についてはドル買い方向でいきたい方々が多いと思うので、下方向のストップを刈り取ったのであれば、もう一段下押しが来る前に更にロング(先ほどロング保有済み)で攻める予定をしています。