イタリア選挙が語るドル円

 [2013-2-27] 「警鐘を鳴らすトリプルB」で昨日慌てながら3人のトリプルBについて紹介させて頂きましたが、その内の1人であるベンバーナンキ氏が登場したところで、日付が変わってから押し込む動きが見られました。

ベンバーナンキ議会証言の様子

 上は昨日の議会証言の様子ですが、議会証言を聞いておりますと、「この人は知能指数が高いのだろうな・・」と思わせるような話し方や、言い回しを選んでいるように感じますが、発言内容については「FRBが動く段階では無い」と言う事を感じさせるものとなりました。

 動く段階では無いと言う事は、FRBは毎月新規買い入れを行っている訳ですから、緩和の広がりを意味すると言う事で、円が買われる傾向にあった訳ですが、イタリアの問題もあり、米国債が買われ、リスクオフに走っている状態とも言えるでしょう。(FX初心者の為替用語参照:リスクオンとリスクオフについて)

 さて、話を本日の本題であるイタリア選挙に焦点を当てさせて頂きたいと思います。

 イタリアの選挙では、ベルルスコーニ氏が率いる中道右派連合の躍進により、イタリアにも「ネジレ」が発生する事が濃厚になってきたわけですが、元コメディアンであるベッペ・グリッロが率いる五つ星運動が躍進してしまった事も、今後相場に大きな影響を与えそうです。

 まず、今回のイタリア選挙を受けて気がかりなのは、財政削減にストップが掛かってしまい、国債の格付けへの影響が現れるのでは?と言う事です。

 政府がネジレてストップしてしまう訳ですから、このままでは「何も決まらない」「何も決める事ができない」と言うイタリアになる事が想定されます。

 そこで、今回の選挙についての格付け会社の反応はと言うと。

 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)、「イタリア総選挙の結果が、ただちに格付けに影響を与えるということはない」「次期政府の政策がイタリア格付けにとって重要となるだろう」

 米格付け会社ムーディーズは27日、「イタリアの選挙結果はクレジットネガティブ」「伊総選挙の結果、政治の不確実性が長期化する恐れ」

 と言うコメントを出しており、共に格下げ方向に含みを持たせている展開となっています。

 しかしながら、格下げが有っても半年以上のスパンを見ている事が考えられるので、ギリシャのように暴動等が起こらなければ、「格下げは無いだろう」と個人的には考えています。

 そこで、ユーロを買ってもいいのかい?となる訳ですが、今回はたまたまイタリアに目に入っていますが、フランス、スペインと怪しい影がチラホラと見え隠れしています。

 さらに、スイスフランの下限ラインに少しずつ迫ってきているなか、これは怪しいな・・・と言う思いでおります。

ドル円売りライン

 最後に、ドル円8時間足チャートを使って、ドル円の売りラインとしての目安について書いておきたいと思います。

ドル円2013年2月27日ドル円8時間足

 まず、本日高値ラインである白いラインは、変則三尊の下限割れが発生しているラインで、ちょうどこの高値92.2辺りではマクロ系ファンドの売りを観測しているようです。

 そのため、このラインまで上がればレンジ局面を意識しての売りを持ち込み、抜ければロングと言うのが鉄板の構えになってくるかと思います。

 ただし、買い手は以前のような強気での買いこみを行いにくい状態ですので、今回はツッコミ買いとなるようなエントリーは止めようと考えています。

 また、94.5で握っているショートについては80円台までホールドを想定しており、89円を付けるような相場展開になるならば、短期ロングでの短期反発狙いで小銭稼ぎを狙っています。

 最後に、イタリア国債の入札について注目しつつ、米国債の利回り、イタリアの株価・スプレッドに注意しながら、本日も日が変わってからが勝負となるように考えています。