来週のドル円相場見通し

 [2013-2-10] 本日は日曜日と言う事で、いつものように来週のドル円相場について書いてみたいと思いますが、週足チャートは「ヤレヤレやっとか」と言うようなローソク足が付いています。

 まずは、ドル円の週足チャートを見ていきたいと思います。

2013年2月10日ドル円週足チャート

 金曜日には麻生財務大臣の発言で、「為替がわれわれの意図しないぐらいに78円とか79円とかだったのが、いきなり90円なんてことになった」との発言がきっかけとなり下落したドル円から戻りが起こって、引けにかけて少し落として終わり。と言う相場となっています。

 この発言を考える限りでは、日本の北側で灯油高が直撃しているとの話もありますし、若干、円安ペースを故意にセーブしようと言う思惑があるのかも知れません。

 前回は甘利さんが「過度な円安は、輸入費用の増加を引き起こし、国民の生活に悪影響を与える可能性がある」との発言を出した事で、若干のブレーキが掛かった訳ですが、その後、浜田内閣官房参与(米エール大名誉教授:日銀総裁有力候補1人)「95円または100円への円安進行は懸念する必要ない」 との発言も有り、持ち直した形でした。

 さて、では今回の麻生財務大臣の発言も他の発言によってかき消され、更なるドル円相場の上昇へと繋がるのか?がテーマになってくると思うのですが、ここで先に紹介したドル円の週足チャートを見てみると・・。

 そうです。先週の週足は陰線の上髭、実体の小さなローソクとなって確定してしまったのです。

 今回の激しい相場上昇過程において週足レベルでの陰線を付けているのは白い○と黄色い○の2カ所だと言う事が分かります。

 そこで、今回の麻生氏の発言が、「明日からのドル円相場に影響を与える可能性が高い」と言う事がイメージされてくる事になりますが、反対に、先週の高値を抜けるような相場展開となるのであれば、それは短期的と取引をされている方にとっては、非常に大きなブレイクとなり値動きを感じる事になるだろうと考えられます。

 それほど1つの大きな節目を迎えている可能性のあるドル円相場の週足の傾向になっていると言うのが、明日からの相場を戦う上で重要なキーワードになってくるように思います。

 この先、大きな相場下落があるとするならば、どうしても黄色の○で囲んだローソクの形が気になるところではあるのですが、85円割れまでの調整となると、長い目線となってしまい非常に難しいところだと思います。

少し短期目線、4時間足でのドル円

 さて、長い目線の話をしてもイマイチ来週の立ち回りに対してボンヤリとしてしまうので、4時間足チャートを使って少し近い未来について考えていきたいと思います。

 まずは4時間足チャートを見ていきたいと思います。

2013年2月10日4時間足チャート

 ご覧になって頂けると既にお気づきかと思いますが、大きく陰線を付けた事により黄色のトレンドラインを下抜けしている事が分かります。

 更に、少し短期目線に変えると高値は三尊の形となっている事が分かるのですが、今回のその事については紹介していないので、1時間足チャートなどでドル円を見て頂けるとお気づきになられるかと思います。

 次に白いラインが入っている箇所ですが、この辺りを下抜けてくると、一目均衡表では調整局面を示唆するラインとなってきます。

 私は一目使いではありませんので、詳しい説明は止めておきますが、チャートの形状からしても白いライン辺りを基準とした三尊形式へと移行してくる可能性もあるので、来週は高値叩きは少し激しさを増すのかな?と言う気でおります。

 月曜日は日本が休場と言う事もあり、朝からの相場はやや抑え気味となると考えていますが、中国では旧正月が控えている事もあり、欧州通貨にとっても厳しい展開となる事が想定されます。

 そこで、来週の立ち回りは、やはり高値売りを基本とする事になるかと思うのですが、先に書いたように先週高値を抜けてしまえば完全に売りは怖い状態となるので、その辺りは臨機応変に相場に向かう予定となっています。

 また、明日、イエレンFRB副議長講演の講演が予定されています。

 彼女はFRBの副議長に任命されるほどのやり手の女性なのですが、基本的に発言はハト派傾向色が強い事もあり、注意していきたいと思います。(イエレンFRB副総裁の過去の発言参照:ジャネット・イエレンの発言・ニュース)