米円、政府調整・貿易悪化

 [2013-2-20] 本日は、今朝発表のあった日本の貿易収支とドル円の4時間足に焦点を当てながら、これからのドル円の取引方針について考えていきたいと思います。

 まずは、今朝発表があった1月貿易収支(通関ベース)の予想と結果についてですが、予想が-1兆3796億円だったのに対して、結果は-1兆6294億円と言う予想を上回る悪い結果となっています。

日本貿易収支推移

 グラフ参照:日本貿易収支(通関ベース)グラフ

 上のグラフを見て頂けると分かりますが、大きな日本の貿易収支の悪化がデータとして出てきています。

 以前はそれほど意識されなかった日本の貿易収支ですが、特に昨年あたりから弱い傾向を示すようになってから、市場からの注目が大きくなる傾向が出ているように感じています。

 このような悪化を材料に、やれ原発復活だのと言う話が持ち上がってくるとは思いますが、季節調節を行ったデータでは予想が-5867億円に対して結果は-6789億円と、そこまで大きな赤字にとなっていない事も意識しておくべきことかと思います。

 テレビのニュースなどでも最近では再三取り上げられていますが、円安に動くと言う事は輸入物価が上昇して、輸入品の値段が上がる事を指しますから、必然的に冬場のような暖房などに多くのエネルギーを使うシーズンになると、貿易収支が悪化する傾向があります。

 上のグラフを見て頂けると分かるように、少し前にも貿易収支が悪い結果を示している箇所がありますが、これがちょうど1年前で-1兆4750億円と言う結果となっています。

 1年前と言えばドル円の相場は80円以下で推移していた事を考えると、現在のような90円オーバーの水準でこの結果が得られたと言うのは、輸出勢が力を取り戻しつつある証拠となっている事と考えられます。

 その内訳はと言うと、輸出総額が前年同月比6.4%増と言う事になっている事を考えても、アベノミクスは現在成功方向を示しているように考えられます。

 また、もう1つ気になる点として、日銀の総裁が今月末にも分かるような展開となっていますが、現在の候補者は4名で、岩田一政氏、岩田規久男氏、黒田東彦氏、伊藤隆敏氏となっているようです。

 私の個人的な思いで「この人かな!」と書いていた黒田氏が残っている事に少し喜びを感じましたが、この4名に絞られたニュースだけで円安方向に動くと言う事は、政府による候補の絞り方は成功しつつあるように感じています。

ドル円4時間足と政府の調整

 さて、本日は後篇にドル円4時間足チャートでの相場の流れを持ってきましたが、まずはドル円の4時間足チャートを紹介してから色々と書いてみたいと思います。

ドル円4時間足チャート2013年2月20日

 本日チャートを後篇へと持ってきた理由として、記事を書いている最中に下値アタックからの反発が始まったからなのですが、こうして4時間足で見てみると、まだまだ週末に想定していた展開から離れていない事を示しています。

 白川氏の任期満了を待たず少しだけ早めの辞任を受けて、次の日銀総裁は誰か?に相場は注目している部分もありますが、日本時間の朝方から大きく反転を見せました。

 しかしながら、安倍首相や麻生大臣の発言「財務省として外債を買うつもりはない」「官民外債ファンドの必要性は相当薄まってきている」と言った発言を受けて高値を叩かれる形となっています。

 そこで、もう1度上のチャートに注目して見ると、黄色の○印を入れている箇所が大きな上髭となって引けている事が分かります。

 これは、海外勢が日本の金融緩和に対して期待していた事から大きく進んでいた円安の動きが、少しハト派色を弱めつつある政府の発言に疑問点を持ち始めている傾向なのでは?と私は考えています。

 それも麻生太郎の発言・ニュースのデータによると、RHDPは4.3辺りで推移していた麻生氏が、現在は4.0ポイント付近までハト派色を失い始めています。

 今回の円売り材料であった最大の理由は日本政府による、強い金融緩和姿勢であったため、このように少し政府の姿勢が甘くなると高値が重くなると言う展開となってしまいます。

 そこで、もう1度チャートを見てみると、綺麗な三尊形式となろうとしています。

 さて、最後にこれからの見通しについてですが、やはり、ここまで綺麗な形となるとターゲットラインまで・・と言う思いになりますが、白いラインまでじっと我慢して、夜は高みの見物がでればと甘い考えでいますが、こう言う思いでいると痛い目にあう事が多いんですけどね(笑)。