2013年FRBはハト派か?
その他のFOMC参加メンバー
まだまだ、FOMCの参加メンバーはいるのですが、昨日「お前のFXブログは字だらけだな」と友人にツッコミを受けているため、もう一人紹介して今回の記事は終わりにしたいと思います。
続いての人物はジェームズ・ブラードですが、彼はFRBの金融緩和に対して少し待ったを唱えている人物の1人です。
もう1人にはリチャード・フィッシャーがいるのですが、彼はオルタネイトメンバーとなっており来年メンバーとなるため、今回は紹介は省略したいと思います。
ブラードは、昨年行われたツイストオペの延長に対して反対を表明しており、「その効果よりもコストが気になる」と言った考えを持っていました。
直近では「2014年6月までに、ゼロ金利から上昇する可能性も」「2014年6月までに失業率が6.5%になると予想」と言う発言をしており、タカ派とまで言えませんが、来年に対しての含みを持つ人物でもあります。
また、昨年には米経済のバブル兆候について少し懸念の意を表明しており、アメリカが金融緩和からの巻き戻しまでは言いませんが、徐々に月額の緩和幅を縮小していくと言う意見を出している案を出していると私は考えています。
また、彼のRHDPは+2.4と、ニュートラルと言うよりはタカ派傾向に傾きのある人物である事が分かりますが、早期金利引き上げを主張するまでには至っていない事が分かります。(参照元:ジェームズ・ブラードのRHDP)
さて、ここまで3人を紹介していきましたが、FOMCのメンバーの中でもタカ派な人物でブラード氏を上げました、昨年のメンバーであったジェフリー・ラッカー氏が抜けた事で少しハト派色が強めであるようには思います。
他のメンバーについても、また紹介したいと思いますが、ハト派色が強めのメンバーが名を連ねています。
そこで、アメリカが金融緩和からの引締めへと動くには、もう少し時間がかかるのでは?と言う想定が出てくる事になりますが、欧州の安定について文面にでたFOMC要旨、それに水を差す事になるであろう週明けのイタリアの動き。
アメリカによる緩和策からの巻き戻しに少し躊躇をさせる展開となる事が今後欧州圏で起こると考えられる事から、ドル一辺倒の流れは、金融緩和撤退へのドル買いから、今度はリスク回避へのドル買いへと少しシフトしてくる可能性を考えています。
と、ここまで書いて気が付きましたが、人数を3人にしても字ばっかりで読みにくいですね(汗)。この辺り、少し私も文章の緩和政策から引締めに入らなければいけないかも知れません(笑)。
[2013-2-23] 本日の朝方の相場に驚いた方もいらっしゃると思いますが、ムーディーズがイギリスに対して「AAA」の格付けを始めて変更し、Aa1へと変更をしました。
見通しはステイブル(安定的)となっていますが、1978年以来守り続けたきた「AAA」を失う事になったイギリスに来週の頭は本当に怖いスタートとなりそうな予感がしています。
と、今日は相場も休みですし来週の目途を建てるでもなく、2013年のFRBメンバーについて個人的な考察をふまえながら、メンバーがハト派なのか?それともタカ派なのか?について考えてみたいと思います。
上の画像はFRBの議長であるベンバーナンキ氏ですが、まずは彼について少しだけ紹介すると、彼の考えは完全にハト派と言えるでしょう。
金融緩和によって弱い経済を立て直す事が正しいと考え、ミルトン・フリードマンによる「大恐慌はこれまでの通説(市場の失敗)ではなく、不適切な金融引き締めという裁量的政策の失敗が原因」と言う著書に対して、「あなたは正しい」「FRBは二度と同じ過ちは繰り返しません」と言う発言をしている。
つまり正確に言うと、金融緩和による経済上昇を期待するのではなく、実際は不適切な金融引き締めを批判していると言う事を主張している人物でもある。
しかしながら、逆を返せば、現在のアメリカ経済に対して「脆弱」と言う表現や「雇用の回復は苛立たしいほど遅い」などと言う表現を使い弱さについて提唱しています。
「アメリカが弱い=金融緩和」と繋がるため、私たちが取引しているFXにおいては「アメリカが弱い⇒更なる金融緩和⇒アメリカドルの流通量の増加⇒アメリカドルの価値が下がる事を見越してのドル売り⇒アメリカドルの価値の低下⇒円高」と言う流れに繋がる。
バーナンキ氏はハト派かタカ派を示す指数であるRHDPにおいて、「-4.2」と言う数値を付けている事から、かなり強いハト派的な人物である事が分かる。(参照元:ベン・バーナンキのRHDP)
しかしながら、「任期の延長をしない」と事前に述べている事もあり、実質今年1年が彼の勝負年となる事は明白な事でしょう。
この事から、次期総裁へのバトンパスと言う意味で政策に幅を持たせるようにするため、年後半になると彼の風向きが変わるのでは?と言う見方を私は持っています。
しかし、現在ではFRBをハト派にしている要因のリーダーだと言えると考えています。
ウィリアム・ダドリーは、FRBの副総裁を務める人物で、ニューヨーク連銀総裁の立場から毎年のFOMCの投票権を保有している人物となりますが、FRB副総裁となった事で、現在はニューヨーク連銀副総裁がメンバーとして補充されています。
彼の直近の発言では「世界的な経済状況は半年前よりも改善している」「欧州では債務危機が後退し、中国では成長が改善。日本では新政権によりポジティブな方向に動き出した」と言う発言を出している。
彼はゴールドマン・サックス出身者なのですが、世界の要職にGSメンバーがちょろちょろいる事にも注目すべき点ですが、その多くは金融緩和を提唱していると言うのも面白い例です。
そんなダドリーもハト派色の強い人物だと言えますが、少し直近の発言傾向からはハト派色が薄らいでいるように感じているのは私だけではないはずです。
RHDPは-3.5と強いハト派色を以前として示していますが、少し変化の兆しを見せているのでは?と考えています。(参照:ウィリアム・ダドリーのRHDP)