米雇用統計が示す思惑

 [2013-2-1] さて、92円まで上昇を始めているドル円相場に対して果敢に売りで挑んでいる私の逆張りスタイルは健在です。

 昨日のショートは全て刈られてしまい、さらに今週抱えたロングポジションは全て決済し、180pipsの利益でとりあえず確定をさせています。

 それも、今日の売りポイントでしっかりと相場が傾いてくれる事を祈っての行動になる訳ですが、まずは日足相場を見ながら昨日までの展開についてオサライをしてみたいと思います。

2013年2月1日ドル円日足チャート

 上に表示したのはドル円の日足チャートですが、見ての通り売っている奴は皆殺しにするようなチャートです。

 このチャートを見ただけで、私のショートストップをいくつ刈り取ったのか?と想像するだけでも身震いを起こすようなチャートになっていますが、天井ショートを決めるのが私のトレードなので諦めた時が負けを認める時だと考えて、眠い目をこすりながら必死で相場を追いかけております。

 上のチャートを見て頂けると分かるように、白いラインが入っている事がお分かりになられると思いますが、この白いラインが短期相場のテクニカルポイントである92.10あたりです。

 このテクニカルポイントをあっけなく突破してしまった事に今日のドル円の「怖さ」を感じる訳ですが、1つの節目として92.10を私は意識しておこうと考えています。

 例えば、本日予定されている米雇用統計に向けてNYタイムでは調整相場となる可能性が比較的高い訳ですが、その時の戻りに対して92.10が意識されるのでは?と言う事も判断材料としようと考えています。

 と、話を昨日までの相場展開に戻して、今週は何と言っても「アメリカのGDPがマイナスを付けた」と言う事から始まっていますが、これに対して「相場はなぜ上昇を見せたのか?」とお考えになられている方も多いと思います。(アメリカGDPの推移へ)

 「相場がそれを織り込んだから」と言う考えで相場に望まれる方もいらっしゃると思いますが、私は、「相場がGDPの材料を古いデータだと考えた」と言う考えに至っております。

 このマイナスとなったGDPに対して、その影響は「自然災害、特にハリケーンの影響がGDPを押し下げた」と考えている方が多いとして、さらに政府による投資が減った事もGDP引き下げ材料だとされています。

 また、GDPの影に隠れる一方で、アメリカにとって景気回復の1番のバロメーターともなる個人消費が堅調に推移している事が重要になってきます。(個人消費<速報値>(前期比年率))

 この個人消費が堅調に推移してくれたお蔭で、「消費大国であるアメリカの1番の力の源は強いままだ」「景気回復は続いている」と言う強い確信の元で取引を行っている投資家が多い事が考えられます。

 しかしながら、GDPがマイナスにまで落ち込むと言う悲観的な結果に対して、昨日までドル円の上値は重くなる展開となっていましたが、そこに1月のシカゴ購買部協会景気指数、つまりGDPよりも新しいデータが55.6と言う強気のデータを出した事で拍車がかかります。(シカゴ購買部協会景気指数グラフへ)

 それに加えて、昨日は1月末と言う事もあり、月末ドル需要が強くなり、ロンドンフィキシングに掛けての需要を見越してのドル買いが先行する展開になりました。

 そこで、迎える今夜の雇用統計の重要さが出てくる訳です。

今夜の雇用統計は怖い

 ドル円の相場を見て頂いても分かるように、現在92.20と言う私が売りたい気持ちを抑えられないところまで来ています。

 先週末に予想している売りたいポイントへと完全に入ってきた訳ですが、ここから先は転換期待が大となるポイントなので、私は積極的に売りで入っていこうと考えています。

 ここまで上昇してくると言う事は、相場はかなり「景気の展望に対して前向き」と言う事が言えます。

 それもそのはず、先に紹介したGDPの結果は「一時的な自然災害による影響」と考えられるようなデータが出ている訳ですから・・。

 そんな中で本日発表されるアメリカの雇用統計が非常に重要なシグナルを相場に対して与えます。

 それは、まず今夜発表予定の雇用統計は昨年末、つまり2012年のデータを発表する訳では無く、2013年のデータとなっているからです。(アメリカ雇用統計(非農業部門雇用者数)の推移)

 先月雇用統計にはGDPがマイナスまで悪化したような結果が予想できる材料が一切含まれていません。

 強いて言うのであれば、失業率が0.1ポイントの悪化を見せた程度と言う事になっています。

 つまりは、もしかすると今回の結果にその影響が出るのでは?と考える事もできなくはありません。

 と、数値に対して予想しても結局出た結果が全てなので意味が無いので少し話を戻しますと、今夜の雇用統計の結果が「今年の物だ」と言う事が大切なような気がしてます。

 もしも数字が悪かったり、失業率が悪化しているような結果が出たとするならば、GDPの結果が思い出されて更に悲観的な動きとなる可能性も否定できません。

 結果が少し良い場合や、悪くは無い程度の結果ならば、多少買い進んだ後、「ドル円は行き過ぎているから、この結果でこれ以上は買い進められないな」と言う雰囲気が見られる可能性も否定できません。

 まぁ、蓋を開けてみないと結局何も分からない事なのですが、「今日の雇用統計の注目度は、GDPの結果が有ったために非常に重要になる可能性が高い」と言う事を肝に銘じて取引を進めてみたいと考えています。