要人発言に揺れる相場

 [2013-2-13] 昨日の「ブレイクとイエレン副総裁」と言うブログで書いていたように、私は強い売りを入れておった訳ですが、思いもよらぬ方向からの売り圧力が入り、かなりの益を出す事に成功しました。

 その原因となっているのは「要人発言」と呼ばれる為替や経済に関係する人物の発言なのですが、発言者によっては、それまでの相場のトレンドや流れ、それにマーケットの注目材料まで変化してしまうものなので、大変注目しておきたいものです。(参照:FX要人発言・ニュースのゴゴヴィ)

 本日は、まずドル円の4時間足に注目した上で、現在までの相場の流れに対して出てきている要人の発言について紹介していきたいと考えていますが、この4時間足の形状も面白い形となっています。

2013年2月13日ドル円4時間足チャート

 少し色々な線が入ってしまい、一見分かり辛いチャートになっていますが、これは、「もしも三尊形成へと今後向かうなら、こんなパターンもありかな?」と言う事をイメージして作画したものです。

 まず、この4時間足のキーポイントとして、白いラインとなりますが、この白いラインがネックラインとなる事にで相場が底堅さをマーケットに対して伝えるポイントになっているように見えます。

 もしも今後更なる強さを相場が見せるのであれば、青いラインが下支えとなって再び上昇波形へと相場が向かっていく事が考えられますが、面白い流れとしては、白いラインタッチでの反転かと考えています。

 理由としては、92円台に入ると海外勢の厚みのある買いが入っているようで、投機筋のストップを考えると92.50においている事が想定できるため、その買いストップを巻き込んでの92円前半と言う水準は十二分にあり得るパターンかと思います。

 92円前半まで落ちてくると圧倒的に買い勢力は強いので、待ってましたとの言わんばかりに買い上げて点線で記した緑色の形になってくる可能性を想定できます。

 その後は、三尊形式となるのか?それともその上を狙ってくるのか?と言う意思の分かれ目が生まれてくるとは思いますが、どちらの条件にせよ、このまま少し下押しにくるのであれば白いネックラインは投資家の注目を集めるラインなので、キーポイントとなってくるように考えています。

昨日からの判断材料が難しい要人発言

 では、本日の本題の昨日からの要人発言の内容になってきますが、実は円高材料と、円安材料が入り乱れた発言となってしまっており、実に判断が難しい状態となっています。

 その影響を受けてユーロ円は上下に大きな動きを見せた訳ですが、最近の展開では「日本」「欧州」「ニューヨーク」時間で全て売りで引けた相場は全く無いので、これからの動きに注目してみたいと考えています。

 まずは日本時間、つまりは日本からドル円相場に対して発せられているメッセージは、

 ・麻生太郎副総理兼財務・金融相「声明は、G20に先立ちG7としての統一的な考えを示した」「デフレ政策を為替操作に使っていないことを各国が正しく認識」
 ・石破茂自民党幹事長「過剰な円高水準を脱しつつある」
 ・安倍晋三首相「消費者がデフレ期待からインフレ期待に変わってきた」

 と言ったところです。

 材料的には、麻生大臣の発言以外は円高傾向へと振れやすい発言と言う事になります。

 しかし、現在の相場は日本の発言と言うよりも、「世界からの圧力に弱い」と言うイメージのある日本に対しての日本の対応です。

 昨日は、G7にて「G7声明は誤解されており、声明は円の過度な動きに関する懸念を示唆した」との事で売りが入った訳ですが、これが2011年9月以来の為替言及であったため、インパクトは非常に大きくなり、円高材料であったためにドル円は一気に売り込まれました。

 しかし、その後はイギリスからの「G7声明は単一の通貨や国についてのものでない」との発言を受けて、円安材料となるため買い戻しが起こった訳ですが、もう世界中の思惑の重なり激しいため、投資家はテンヤワンヤと言ったところです。

 私は、G7の発言後83.9まで戻りが入った時に追撃での売りを入れたのですが、その理由はやはりG7と言う肩書が大きくイメージされた事からなのですが、もう1つとしては、これまで円安を引っ張ってきた日本政府から強い発言が無い事が大きいです。

 海外のファンドは既に大量の円売りを抱えてしまっているため、ストップを巻かれる訳にはいかないと必死で円売りをしてくる事が考えられますが、逆にそのストップについては魅力的だと考える人たちも多くいるでしょう。

 本日も昨日からの影響で要人の発言に大きく注目が入る円相場となる事が想定されますが、個人的には先に紹介した白いラインでの攻防になってくれると相場の見通しが立てやすいように考えています。