ビッグマック指数を知る

 [2013-2-9] いつもは為替相場について色々と書いているブログですが、本日は「ビッグマック指数」から経済について見ていきたいと思います。

 ビッグマック指数はエコノミストによって定期的に世界のビッグマックをベースにして掲載している経済データなのですが、最新のビッグマック指数が今週発表されました。

ビッグマックが世界地図の上に

 まず、「ビッグマック指数」と言っても知らない方もいらっしゃると思うので、「ビッグマック指数」について、一体どういう指標なのか紹介していみたいと思います。

 >>ビッグマック指数(ビッグマックしすう、Big Mac index)は、各国の経済力を測るための、仮想的な通貨レート。マクドナルドで販売されているビッグマック1個の価格を比較することで得られる。

 >>具体的には、たとえば日本でビッグマックが250円、アメリカで2ドルのときは、250/2=125となり、1ドル=125円 がビッグマック指数となる。もしこの時点で、為替レートが1ドル110円だとすると、為替相場はビッグマック指数に比べて円高であり、この後、125円に向けて円安が進むだろう、などと推理する。

 参照サイト:wikipedia

 つまりは、最新のビッグマック指数を円を中心に見た時に、どれほど世界的に差があるのかを知る事で、水準よりも円高傾向なのか、それとも円安傾向なのかを知る事ができ、これをFX取引の材料にする事もできるでは?と言うものです。

 では、早速世界のビッグマック指数について地図上に表示されたものを見てみましょう。

ビッグマック指数(円ベース)

 参照サイト:エコノミスト

 この地図は赤が濃いければ濃いほど日本に対してその国のビッグマックが安い、つまり過小評価されている可能性がある事を示し、反対に青が濃いければ濃いほど高い、つまりはその国の通貨が過大評価されている可能性がある事を示します。

 上は2013年1月のデータとなりますが、日本の円に対してアジア圏は真っ赤で、欧州圏は真っ青と言う分かりやすい地図となりました。

ビッグマック指数を使う今後の為替予想

 では、もう少し詳しく国別のデータとして見ていきたいと思います。

 まずは、日本の円に対してビッグマック指数によって過大評価されている可能性が高いと考えられる国々です。

ビッグマック指数(円ベース)高

 目盛の大きさは大きければ大きいほど過大評価されている可能性を示しており、相場に関係がありそうな国名に赤いアンダーラインを入れてみました。

 こうして見ると、アメリカのドルに対しては過大評価されている事が分かります。

 それもアベノミクスによって一気に90円を超える円安方向への動きとなった訳ですから当然なのかも知れませんが、このデータでは25%の過大評価となっています。

 つまりは、ドル円は今後25%分の調整相場が見られるかもしれない?と言うのがビッグマック指数が示すデータとなります。

 では次に、過小評価されていると考えられる国を見ていきたいと思います。

ビッグマック指数(円ベース)低

 中国は元高を抑えるために変動幅を抑制しておりますが、25%を超える大幅な過小評価の対象国となっている事が分かります。

 また、韓国が最近ウォン高で経済が鈍化しているとのニュースをちらほらと見かけますが、このビッグマック指数を見る限りは円に対して適正評価となっている事が分かります。

 このデータがFXの役に立ちますか?と言われれば私は「分かりません」と答えるしかないのですが、「国の通貨ペアの状況を、こうやって見ると面白いんだな」と言う事は感じて頂けたのではないでしょうか?

 また、このデータには消費税等の税金や大きさやカロリーなどが含まれていない事から、データが曖昧すぎるとの見方をする方も沢山いらっしゃいますので、「ビッグマック指数を過信する事」には注意が必要かと思います。