米金融緩和幅の削減か

 [2013-6-19] 先日FTの記事やツイッターでマーケットが荒れたと言うのにも関わらず、「米金融緩和幅の削減か」と言う見出しとなってしまい、個人的に少し反省しながら書いている訳ですが、私が普段から読んでいる幾つかのリポートを読む限りでは、日本時間、明日の朝に発表されるFOMCで「どうやらアメリカの金融緩和幅を減らすのではないか?850億ドルから半額の450億ドルまで削減するのではないか?」と言う見通しが幾つか書かれていました。

 この記事を信じるのか信じないかについては、もちろん個人の判断となる訳ですが、私達個人投資家が心にとめておかなければならないのは、それくらいの削減を論じる人が出始めていると言う点です。

 基本筋としては、「今回削減が有ったとしても、金融引き締めの予定や見通しについて話が出る事は無いだろう」と言うのがマーケットの総意と言う事になりますが、万が一、「引締め時期の具体的な話し合いが有った」など、地区連銀総裁の1人が口を滑らせてしまった場合には、マーケットは驚くと言う事は、頭に入れておいても良いように考えています。

 次に、個人的な感想を書いておきますと、全体的には引締め気味のアイデアが半数ほどのメンバーから出ているのですが、まだ決めてと言うほど良質の指標が出ていない点、「アメリカの金融緩和からの撤退は遅いに事に越したことはない」と考えるメンバーが居る点を踏まえると、今回は現行維持で来月の雇用統計と失業率の推移を見てからでも遅くは無いように感じています。

 当時の日本のバブルで消費税により一気に景気低迷が起こった事を、アメリカは警戒しており、10年20年と言う失われた時を作らないためにも、下火から上昇局面へと移り始めている景気に対して、わざわざ冷や水を浴びせなくても良いように考えるからです。

 今年は、「ジャクソンホールにバーナンキ総裁は参加しない」と言う事が決まっていますが、そうするならば、今月辺りから緩和からの撤退のニュアンスを出して、来月、再来月にかけて少し緩和幅の若干削減を行い始め、マーケットの兆候を見つつ、今年度末までに緩和の停止、そして来年2015年にFRB新総裁の元で引締めに向かう形となるように考えています。

 住宅市場に関しても強気の数値が出ている事も有り、フィッシャー総裁は緩和幅の削減を訴えてくる事になるとは思うのですが、雇用指標を見てもあわてるような数値でないように個人的には判断しています。

 また、ある米著名アナリストによると、加速度的に米経済が回復した場合、来年、再来年には米政策金利は、3.50~4.50まで引き上げる必要があると言うレポートを出しています。

 さすがに、1年2年で「そこまで急激な引き上げは無理だろう」と考えるのが本音ですが、実際には、そこまで引き上げる必要が有る中で、低金利を維持している事に対する反動は今後非常に大きいのかも知れないと言う事も頭に入れておきたい点だと考えています。

ドル円の4時間足チャート

 さて、前半で頭の固い事を書きすぎてしまい、私自信の日記としても読み返したくないような内容になってしまっているのですが(笑)、最後にドル円の4時間足チャートだけを載せて、終わりにしたいと思います。

ドル円2013年6月19日チャート4時間足

 さて、昼ごろから中国株が下落した事を受けて、若干リスク回避の動きを見せた事により、現在95.28辺りでの推移となっていますが、95.0ブレイクは短期によるダブルトップのブレイクとなるため、下値は一気に94円台前半と言う事も想定できますが、大きな流れ4時間足レベルでは、高値が95.6辺りで引っ掛かって、ネックラインを超えられていない状況となっています。

 上抜けした場合には、97円のミドル辺りまで上値余地が生まれてきますが、その際にダウントレンドのラインをブレイクして来る事になると、100円抜けを視野に入れる動きとなる事が考えられます。

 それも明日発表のバーナンキさんFOMC次第と言う事を考えると、マーケットはテクニカル的にも完璧にどっちでも良いよ?と言う状況を作り上げている事を示唆しています。

 どちらにしても大き目のストップを巻いた動きを見せてくる事が考えられるので、勝負の時は一瞬となるようなトレードを想定して、「乗る時は恐れずに」で行きたいと考えています。