FRBはブラックボックス

 [2013-5-16] 直近までのマーケットの動向を見ていると、やはり円売り(円安)への動きには変わりないと思いますが、一方で円安よりも私が注目しているのがドル高の動向です。

 ここ数週間の内のドルに対するマーケットの上昇度はかなり急加速なもので、何とあの金相場ですら1400ドルを割り込んで推移している状況で、世界的な好景気とアメリカの金融緩和からの脱却を期待したマーケットの動きになっている事を感じています。

 マーケットは早いもので、金融緩和からの撤退を示唆する段階であるにも関わらず既に引締めの話が良く聞かれている訳ですが、今は「資産購入規模を減額するかどうか」が焦点であり、「どの資産を売却するか?」では無い事を頭に入れておく必要があるように考えています。

 例えば、次回のFOMCにおいて、アメリカが金融緩和からの秩序だった撤退を目指す形で、今までの緩和的スタイルから若干の緩和幅縮小にとどまった場合、マーケットは納得する動きとなるのでしょうか?

 円に対して考えるのであれば、円はこれから緩和が進む事が考えられ、ドルは緩和からの撤退に向けての第一歩を歩む事になるのですから、円売りドル買いと言う流れで良いように思いますが、ドルと言う意味で考えてみれば「期待以上の結果では無い」と思う人も少なからずいるように考えています。

 今回FRBはブラックボックスと言う題名としましたが、最近の私のブログ内でもちょくちょく書かせて頂いているのですが、バーナンキ氏の影が薄い事が怖い・・、退任となるのか?と思っていれば、続投の噂も最近では耳に入るようになっています。

 この米緩和の象徴とも言える人物が、表立って緩和からの撤退を宣言する事に対する躊躇があるのか?それとも、退任に向けて自分に対する影響を考慮しているのか?その辺りは、私のような個人投資家には分からない事ですが、それにしても、彼が表舞台にしばらく出てない事から、彼への影響力はドンドンと上昇していると言うところだと思います。

 また、FRB全体的な空気的にも「緩和の縮小は確実だ」と考えるトレーダーが多いようにも思う訳ですが、実際緩和について反対的な意見を述べているメンバーと言うのは、どちらかと言うと中央よりタカ派よりの人物が多く、ラッカー、フィッシャー、ジョージの3名が主格となっています。

 他のメンバーを私の感覚で言えば、ハト派と言うよりもタカ派側に推移したメンバーがチラホラと増えたな、と言う程度と、イエレン総裁が若干ハト派色を弱めたように感じています。

 ハト派のボスである、バーナンキ氏は現在逃走中(笑)と言う事で、次に気になる人物、ハト派のナンバー2とも考えられる、ダドリー総裁の意見にマーケットは注視するようになってくるように思います。

 やはり、こうやってメンバーを考えながら全体の流れを見てみると、タカ派になってきたとは言え、利上げに向かうまでには、かなり時間が掛かるのではないか?と言う気持ちになってきます。

 そう考えると、やはりドル円相場については、「ある一定のラインまで上げた」とマーケットが確信を持てるのであれば、調整局面を迎える事が想定される訳ですが、無駄に強い株価をバックに資金の流れが危険な状況になる事を考えると、ゆっくりとした調整よりも素早いクラッシュのような調整があるのか?と、個人的に警戒しております。

 長々と書いて参りましたが、FRBを考えると、やはり出るまで分からない、GSのポジションを見ながらFRBの舵取りを予想するのが一番効率が良いのかな?(笑)と思う今日この頃です。

簡単にドル円相場4時間足のチャートだけ

 さて、前半に文章を書きすぎてしまって、てっきりチャートの事を忘れてしまっていたのですが(笑)、今日もドル円の4時間足を使って簡単に状況をまとめたチャートを作っておきました。

 特に説明する事は無いのですが、いちを参考までにご覧いただければと思います。

ドル円2013年5月16日チャート4時間足

 昨日の指標前に若干の仕掛け的な売りと、利食いが入った事は間違い無いと思うのですが、最近のアメリカ絡みの情報流出のニュースを見ていますと、やっぱりやっている奴はいるんだなと思っているところです。

 チャート的には、101.5辺りが固めと言うように見える訳ですが、トレンドは円売りと言った形となっています。

 101円を割れるところまで落ちてくるようであれば、それはそれで、買いが入ってくるのは間違い無いと言ったところで、個人的には何だかんだ言いながらもドル需要は少しは解消しているように考えているのですが・・。

 ファンド関連が特に輸入系の買いを意識しているところが、どうなのかな?と言ったところかと思っています。