FOMCと欧州の利下げは如何に

 [2013-5-2] さて、日本時間今朝方にFOMCによる、アメリカの政策金利決定会合の結果、アメリカの政策金利は据え置きと言う決断がされ、さらに、資産買い取り規模も据え置きと言う、予想通りのサプライズ無しの結果に終わりました。

 発表後の反応を見ておりますと、一旦97円に突っかけるような動きは有りましたが、そこからの買戻しは、やはり日本の金融緩和と97円のバリアへの意識、さらには中身について期待していた人の失望からでた円売りと言ったところでしょうか?

 私は、英語を読むペースがそこまで早く無いので、原文を読んでおりますと、「内容自体について円売りで反応するのはおかしいのでは?」と感じて、97.52辺りでショートで振り、約定は97.49、その後、30ポイントの利益で手仕舞いとFOMCも上手く乗り切れました。(FOMCの原文(英語):2013年5月1日付けFOMCの声明文へ)

 FOMCについて詳しくは後で紹介するとして、まずは、いつものようにドル円相場のチャートから追いかけていきたいと思いますが、フロー情報が乏しく余り良質のチャートでは有りませんが、いつものように4時間足でご覧ください。

ドル円2013年5月2日チャート4時間足

 上のチャートを見てみますと、完全に97円を意識した相場展開が繰り広げられているところですが、ここを割り込む事を心待ちにしている私としては、「非常にもどかしい」と言ったところです。

 しかしながら、これだけ底値で買いが入ってくるとなると、97円割り込みに対してそれなりの売り材料が必要になってくるとは思うのですが、どうしても買いが続かない中で、割り込みは時間の問題では?と言う意識を持って相場を追いかけています。

 恐らくは、直接の材料とはならない、本日の欧州の政策金利発表では、中々割り込みが難しいのかな?と言う意思も有り、明日に雇用統計が控えている事を考えても、買い勢力は虎視眈眈と97円付近でポジションを集めることでしょう。

 そう考えるならば、よほどのサプライズが無い限りは97円防衛ラインについて、本日割り込みが難しいと言う考えになるのですが、「万が一」の話ですが、ECBが0.50%の利下げに踏み切ってくれるのであれば、それは大きなサプライズとなってユーロ円の下落に連れた、ドル円の下落も想定されるので、じっくり追いかけてみたいところだと思います。

 また、底値が硬くネックラインがオレンジ色のラインに引かれていますが、ここを抜けてくるようであれば、高値追いの展開となり、緑色のライン98円辺りまで見ておきたいところだと考えています。

 現在の私は、底値割れを狙っている、もしくは、想定しているので、98円を目指す動きとなると面白く無い訳ですが、5月に入り極端に弱気に推移し始めている現状を感じ取っているトレーダーも少ないないように感じています。

 そこで、本日も基本的には高値売り、底値買いをしても良いのですが、底値は利食いを優先して、ストップ巻き込みによる逆指滑りは避けたいように思っています。

 ここまで底値を探って、一回も96円台を付けないとか、ちょっと不自然ですからね。

昨日のFOMCに関して

 昨日、内容とマーケットの反応に対してギャップを感じた方も沢山いらっしゃるのではないか?と思いますが、私もその内の1人でした。

 昨日のFOMCの声明内容は、全くのサプライズ無しではありましたが、買い材料として「ジョージ米カンザスシティー連銀総裁は高水準の金融緩和の継続が将来の経済・財政的不均衡の危険性を増し、時間とともに長期インフレ予想の上昇を引き起こす可能性があるとして反対した」と言う文面が出ています。

 この、ジョージ米カンザスシティー連銀総裁は、ホーニグ氏の後釜として総裁についている方なのですが、フルネイムでエスター・ジョージ、実は女性の方です。

 彼女は、基本的に、前任のホーニグ氏もそうだったのですが、緩和よりと言うよりも、タカ派的な人物になるので、今回のインフレ懸念についても、前回同様に同じように述べているので、実は全くサプライズ材料ではありません。(ジョージ米カンザスシティー連銀総裁発言参照:エスター・ジョージの発言・ニュース)

 そこで、私が最も注目したのは、「少なくとも失業率が6.5%を上回り、今後1-2年のインフレが2.5%を上回らないと予想される限り、FF金利の誘導目標を0.0%から0.25%の範囲に維持することを決めた」と言う文面です。

 この発言をどうとらえるのかは、個人の考えにお任せしたいのですが、先月発表されたアメリカの失業率は7.6%、インフレ率については、CPIが+1.5%、CPIコアが+1.9%となっています。

 そのため、インフレ率に関して反応を持った動きだったと言う事が分かりますが、文面が「今後1-2年のインフレが2.5%を上回らないと予想される限り」と書かれている事に注目しておくべきだと私は考えます。

 つまりは、3%のCPIを仮に付けた場合においても、「ゼロ金利政策は続けますよ」と言う、どちらかと言うと、売り材料になる発言になっている事が分かります。

 つまり、直近のCPIの数値よりも、半年、それ以降の予想されるインフレ率を重視していると言う事は、もしかするとまだまだ緩和余地があるのでは?とも解釈ができる訳です。

 実際、現在の見通しでは、「これ以上の緩和余地は無い」と考えるのが本筋だと思いますが、「まだまだ緩和は止めないよ」とマーケットが意識するように書いていると言う点に、FOMC参加者の意図を汲み取るべきだと私は判断しています。

 そこで、これから私が取るべき行動と言うのは、93円台辺りまで粘り、その後は買いポジションを集めていく流れとなる訳ですが、さぁ、だんだんとレンジ幅も小さくなってきたので、上ブレイクが失敗に終わった後と言うのが、97円ブレイクの見物となるように想定してポジション取りをしていきたいと考えています。