FOMC来週のマーケット

 [2013-12-15] 本日は日曜日と言う事で、いつものようにドル円並びにマーケットの来週の見通しについて書いていきたいと思います。

 先日も、知人の会社経営者の方とお話をさせて頂く機会が有り、その友人が先月「株」を始めたと言う事で、私のマーケットについての話を聞きたいと、わざわざ私を尋ねてこられました。

 その際、「来週のマーケットについては注意してみておいてください」と現在のマーケットについて話をさせて頂いたのですが、本当に来週のマーケット、FOMCについて今週の注目度は“かなり高い”と言っても良いでしょう。

 何といっても、FRB総裁として最後の指揮を執るバーナンキ議長が最後にどのようなコメントを残すのか?、または米経済についてどのように分析をしているのか?、さらには今回の決定で量的緩和の縮小があるのか?と言った注目点があるでしょう。

 FRB議長であるバーナンキ総裁は、テレビ画面に映っただけでもドル円は売りで反応してしまうような、超ハト派な人物です。

 そのバーナンキ総裁が退任する前に、どのようなコメントを出すのか?やはり気になってしまいます。

 毎日ブログを読まれている方はお気づきかも知れませんが、私自身、実はバーナンキ議長の大ファンでして(笑)、彼の発言や質問に対して対応する姿勢、さらには言葉の選び方などFXだけでなく、私の日常生活でも数多く参考にした人物でもあります。

 そんなバーナンキ議長が次期総裁について、知人を介して辞退する旨のニュースがマーケットに流れた時のショックは、言うまでもありません。

 さて、話を私の尊敬するバーナンキ議長からマーケットへと変えていきたいと思うのですが、基本的には、「バーナンキ総裁の発言は大きくマーケットに影響を与える事は無いだろう(後任がイエレン副総裁になっているため)」と言うのがマーケットのコンセンサスになります。

 しかしながら、全くマーケットが予想していない角度から、金融緩和の行く末や低金利政策の継続について語るようであれば、それはサプライズと取られて一時的にも大きな反応を見せる可能性が有る事を考慮しておく必要があります。

 次に、12月における金融緩和縮小の動きについてですが、例えば前ECB総裁であったトリシェさんが退任する時には(任期満了にて)、利上げを行いました。

 それは、次のECB総裁であるドラギ総裁(現ECB総裁)に対して、「選択肢を与える(金融緩和の幅を与える)」と言う意図も有ったと私は考えておりました。

 それが、来週行われるFOMCで見られるのか?と言う話になりますと、個人的には「引締め方向の最初の舵取りは無い」と踏んでおります。

 現在、アメリカ経済は安定的に推移し、力強く無いながらも雇用の回復が行われております。

 強すぎる住宅市場に関しては、どうしてもバブル懸念が残るものの、CPIコアの上振れが見られていない中で、やはり「中期的にはインフレ率は安定している」と言う見通しになってくると考えられるためです(経済指標データ:米CPIコアの推移グラフへ)。

 バーナンキ議長率いるFOMCメンバーは、CPIコアが2.0%を下回る水準で推移する事をデフレ方向へ進む悪材料であると判断しています。

 そんな中で、雇用や住宅市場が回復してきても、インフレ率の上振れの流れが見えない限りは、やはりQE縮小はなかなか難しいと考えられるからです。

 しかしながら、現在のマーケットは先日発表された、米シンクタンクの「12月金融緩和縮小」に関する信憑性の高いレポートにより、「引締めの最初の動きが出る」との見通しを建てています。

 正確には引締め方向の動きでは無く、緩和幅の縮小になる訳ですが、マーケットは緩和が縮小されるならば、それを引き締めの第一歩だと考えて、一気にドル買いを入れてくる可能性が有ります。

 新興国通貨は、ドル買いに押され急落し、株式相場においてもパニック売りが出てしまう可能性も否定できません。

 現に、米シンクタンクの発表を受けた米株は急落を見せ、100ドルを超える動きとなり、その後は完全に上値が抑えられる状況になってきています。

 もちろん、米国債については売りで反応し3%に迫る勢いを見せている中で、マーケットのコンセンサスからは反しますが、やはり「今回の金融緩和縮小の動きは難しい」と考えています。

 そこで、金融緩和縮小が見送られた場合のマーケットの反応を考えておきたいのですが、その場合、恐らくはドル円に関しては一時的な下押しが見られ、その中でも「縮小が来月に延期されただけだ」と言う考えから下値では買いが入ってくる事になると踏んでいます。

 また、米株は急上昇を見せるとは思いますが、来月に関しての思惑から、やはり上値は重い展開になってくる事を想定してます。

 結局は、発表後にバーナンキ議長がどのようにマーケットから理解を得るか?と言うところになってくると思うのですが、アメリカの強い金融緩和の立役者であるバーナンキ議長を失う今、長い目ではドル買い、短期的な反応では円買い方向で推移してくる事を想定しています。

 最後に、もしもFRBがマーケットのコンセンサス通りに金融緩和縮小に乗り出した場合には、一時的にドル円は買いで反応を見せると思いますが、米株の崩れを見た日本株の崩れにより、円買い方向へとシフトして来るように考えています。

 つまりは、どちらのケースにおいてもバーナンキ議長が「どのようにマーケットをまとめるのか?」と言うところに注目が集まっているのは間違いない事でしょう。

 どちらにせよ、比較的円買いで推移しやすいFOMCになる事を私は来週のFOMCに向けたマーケットとして想定しています。

ドル円4時間足のチャート

 さて、後半はドル円チャート4時間足を紹介してみたいと思います。

ドル円2013年12月15日チャート4時間足

 上のチャートを見て頂けますと、かなりレンジレベルが分かりやすくなっているかと思います。

 明日、月曜日のスポット日のフローは、103円台の場合には輸出企業からの売りが入りやすく、102円台ですと輸入企業からの買いが入りやすいレベルとなっています。

 そのため、行き過ぎた動きの反転を狙ういつものやり方で望んでいきたいところですが、もしも103台で朝から推移しているにも関わらず輸入系から買いが持ち込まれた場合には、104円カットはかなり高い可能性でおきる事が考えられるので、その場合には潔く逆張りは、しっかりストップを巻いてからと言う形を想定してます。