日本は米国債購入へと動く?

 [2013-12-6] 例年であれば、12月に入りトレードも昼間っから焼酎を飲みながらチャートを眺めている至福の時を過ごしているのですが、今年は来年から事業に向けて12月だと言うのに慌ただしく動き回っております。

 先日も突然ブログをお休みする事になってしまったのですが、急遽、宿泊施設経営者の方からご連絡を頂きまして、マーケットを置いて出かけておりました。

 ブログを読みに来てくださっていた方には大変申し訳なく思うのですが、12月と私の状況をどうかご了承頂ければと思います(反省)。

 さて、前置きはおいておいて、本日は、CNBCだったと思うのですが(ソースが定かでは無い・・最近の飲酒が原因か・・(謝罪))、少し面白いマーケットの話を海外アナリストが話していたので、紹介させて頂きたいと思います。

アナリストによる近い将来のマーケット話

 通常であれば、私はこう言ったアナリストの話に対して深く耳を傾ける事は無いのですが、本日紹介する話は、突っ込みどころが見つからない物だったので、「かなり高い確率で有り得る話」だと言う事を感じております。

 結論から話しますと、「日本が再び米国債を大量に買い入れるのでは?」と言う話題です。

 現在、アメリカは金融緩和からの脱却に向けて、テーパー(金融緩和からの先細り)を実施しようと考えていますが、それに伴い米国債購入が終わる事を見据えて、米国債売りを行う投資家が増えています。

 実際この観測を受けて、ピーク時には1.5%を下回る推移していた米10年国債利回りは、現在では2.8%まで鰻登りを見せています。

 この急激な利回りの上昇はFRB(アメリカの中央銀行)関係者や政府を含めて、全くと言って良いほど面白い話ではありません。

 米国債の利回りが上昇すると言う事は、米国債金利に対して連動し推移する住宅ローン金利への波及も呼び、現在のアメリカ経済を下支えしている住宅市場を急速に冷え込ませる可能性さえあるためです。

 もちろん、住宅市場の失速は、アメリカ経済自体の失速へと繋がり、結局、量的緩和が再度必要と言う逆戻りの経済状況になる可能性も有り、そう言った状況になるならば世界は「2番底の到来だ」と大慌てになる事でしょう。

 そう言った状況を避けるために、アメリカはFRBに変わる米国債購入者を探す必要が有る訳ですが、その白羽の矢が立つであろうと考えるのが日本です。

 日本は、既に世界でも3本の指に入るほどのアメリカの国債を大量に取得している国ですが、アメリカ側からすると「アメリカの景気が悪くなると日本にも影響があるだろ?友達作戦もしたし、中国との防衛関係も大変だろ?だからもっと国債を買ってくれないか?」と言う訳です。

 しかしながら、日銀がアメリカ国債を直接購入する事に関して大きな障害があるため、それ相応の状況やマーケットの流れが必要になります。

 そう言った今後予想される米国債と日本の関係を頭に入れた上で、本日流れたニュースを見て頂けると、少し面白いかと思います。

 伊藤隆敏・公的年金の有識者会議座長「GPIFは国内債52%へ削減に今すぐ着手を」「GPIFは国内債を基本ポートフォリオ加減に向けて削減を」「GPIFの国内債比率について、私案では35-40%が目指すべき姿」

 さて、上のニュースを見て頂けると分かるように、日本の公的年金運用において「日本関連の債権を売っぱらって、外債に手を出そう」「外債?米国債も含まれるよね?」と言った流れになっているように感じます。

 この発言を受けて、現在ドル円は急上昇を見せた訳ですが、そりゃ外債を購入するには外貨が必要になるので、当然の流れと言えば当然と言えるのですが、忘れていけないのは海外に投資する事には為替差益等を含めた2重3重のリスクがあると言う点でしょう。

 今年の運用では3兆円を超える利益を出しておりますが、GPIFは2007年度と2008年度で約15兆円の損失を出した過去がある事も忘れてはいけません。

 さらに、現在過去最大の資産運用金額124兆円近い金額にまで膨らんでいる事から、そのリスクの大きさには日本人の将来として心配しておくべきことでしょう。

 さて、少し話が脱線したので戻しておきますと、日本が米国債を買いに走る動きは、本日の内容を見ても出始めていると考えています。

 米国債の利回りが今後上昇する事は(ほぼ)間違い無い中で、米国債買いに走る事は一時的な米国債の利回り上昇を抑えるきっかけになったとしても、将来的な損失と言う面では免れられない事でしょう(⇒利回りが上昇し米国債の価値が下がるため)。

 そう言った中でも購入せざる得ない日本の状況には理解を示す事ができるものの、損失を出した時の尻ふきがどうなるかは、結局先送りになってしまうのかも知れませんね・・。

ドル円4時間足のチャート

 さて、後半はドル円の4時間足チャートですが、本日は米雇用統計が予定されているため、状況把握程度にお考えください。

ドル円2013年12月6日チャート4時間足

 上のチャートを見て頂けると、ストップオーダーが上下に散りばめられておりますが、ポイントとしては、上に(102.5)設置されているリアルマネーに関する売りオーダーです。

 リアルマネーからの売りは、引っかけると反対売買を行わない(利益確定を長期的にしない(利益確定がない))オーダーになるため、マーケットでは上値を重くしたり、下値を支えたりする大きな力を持ちます。

 今回、このオーダーが観測されている事から、上値の重さを感じたマーケットは102.25のオーダーを前にして動きが沈黙しています。