10月に突入するドル円相場

 [2013-9-29] 本日は、日曜日でいつものように来週のマーケットを考えていきたいと思います。

 まだ、マーケットオープンまでに幾つか目ぼしいニュースが出てくる可能性があるため、何とも言えないのが現状なのですが、週末に入り特に目新しいニュースは出ておらず、マーケットの窓開けは「比較的穏やかなものになるであろう」と言う見解を持っています。

 しかしながら、ファンダメンタルズ的考えからすると、米債務上限引き上げについてのタイムリミットが10月1日とする意見や、15日まで大丈夫とする意見など割れている事から、マーケットからの引き上げ要請が米国株式相場に出る事も考えられるので、月曜日の欧州タイムやNYタイムには要人発言等による急激な変動も考えられるので、「安眠できる状況では無くなる」と想定しています。

 FRBの総裁については、先週の月曜日の時点では「今週中に候補者を発表しない」と言う見解が出されていた事から特に注目を煽る事は有りませんでしたが、今週は、やはり「イエレン現副総裁」の名前が出る度に、若干のドル売りの動きが出る要因となる事が考えられるため、注意をしていきたいところだと考えています。

 FRB次期総裁については、「イエレン副総裁」が繰り上がりしてくる事になりそうですが、彼女が総裁となった場合、マーケットに対して「如何に冷静沈着に対応できるのか?」が勝負になってきて、現FRB総裁であるバーナンキ総裁(私の尊敬する人物の1人です(笑))のように、一切の失言や迷いの無い回答ができるかどうかが肝になってきそうです。

 特に、「マーケットを黙らせる能力」「QEを正当化させるだけの説得力」「利上げが“かなり”先である事を示し、マーケットが疑わないだけの存在感」こそFRB総裁がマーケットをコントロールするカギになってきます。

 来年からの米国FRBの手腕には、「一癖も二癖もあるFOMCメンバーを従える事ができるのか?」と言ったところも注目材料になってきそうです。

 少し話が逸れ始めたので本題に戻すと、月曜日のマーケットは月末、さらに日本時間は五十日と言う事もあり、日本時間は本邦企業系からのフローがマーケットを形作っていく事になります。

 基本的に98円台は輸入系からのドル買いフローが中心となり、99円は輸出系からのドル売りフローとなるので、結果的にかなり大きなフロー合戦と言う事になってきそうですが、全体的には上下挟まれた展開なので、レンジ崩れが発生するような展開を想定するのは酷な状況と考えています。

 また、マーケットは全体的に週末に予定されている米雇用統計をベースに動いてくる事になるのですが、個人的には、10月に入り居心地の良い98~99円と言うレンジラインをどちらかにブレイクしてくる流れを想定しています。

 ただ、上下どちらに振っても、最初のブレイクが起こったところで、企業系からのフローが入るため、最終的にはダマしとなるのでは?と言う見解を持っているため、押し切ったところではポジション建てを行ってみる予定をしています。

 基本的にフローは企業からの売りフローの方が大分消化されている可能性が高いため、下方向のブレイクが先に発生した場合には旨い展開となる事を想定しています。

 最後に米10年国債の利回りについてですが、これも2.6%と、少し前まで「3%の戦いをしていた」とは考えられないような利回りの低下速度となっています。

 余りに利回りの動きが激しすぎるため、通貨や株よりも先に1人旅へと出てしまう事もあるので、最終的には米国債の流れに従うと言うリズムを持ったトレードが大切な1週間となりそうだと考えています。

ドル円4時間足のチャート

 後半戦は、いつものようにドル円の4時間足チャートで先週までのマーケットのおさらいです。

ドル円2013年9月29日チャート4時間足

 基本的には、チャート的に97円ミドルまで押せば、何かしらのチャート面でのブレイクとなり、下押しが強い展開へと変わっていくのですが、やはり97円にて打ち込みを狙うには、現在出ているマーケット材料を考慮すると乗り気にはなれません。

 そこで、先に紹介したような“だまし”を狙ってエントリーをしていく事になるのですが、オセアニアタイム辺りでファンド関連が打ち込んできて98円ストップを巻きとる動きをしてくれるならば、これ見よがしに窓開けと同時に買いを入れたいところではあるのですが、そう簡単にマーケットが推移してくれるのは年に数回程度なので「難しい」のが実情です。

 月曜日の時点では、やはりマーケットはレンジ状況で推移して、火曜日に入り輸入系からのドル買いフローの大きさを見た上でマーケットが決断してくる事がメインシナリオとなりそうですが、チャート的に見ると上下どちらに離れても良い状況ですので、行き過ぎを処理すると言う先週までの行動と同じように月曜日は戦ってみたいと思います。