米国シリア攻撃は確定か？

　[2013-9-4] 台風の影響と申しますか、大雨の影響で、家の周りの片づけ等に追われて更新が遅れてしまった事を先にお詫び申し上げます。

　いつもであれば、2時には書き始めて3時には更新となっているのですが、本日ブログの書き始めは3時20分で、短めの更新とするので4時辺りに書き終わるかと思います。つまりは、その頃の書かれたブログだとご了承ください。

　さて、今日は前置きを短くして、早速、先日のチャートからです。

　上のチャートを見て頂けると分かるように、完全に現在のマーケットを見る限りでは役に立たないものへと変わっている事が分かります。つまりは、私の相場観が“ダメ”と言う事を意味しています。

　強いて挙げるのであれば、マクロ参入ライン？と考えられるポイントでは、やはりファンド関連のフローが有った事ですが、米ISM製造業景況指数が予想に反して強気の数値で有った事から値を上げたドル円が、ロンドンフィキシング辺りの買いフローを熟した後で、米国のシリア攻撃による談話が聞かれた事を受け下落、その後、日本株の強さと、日本消費税導入による追加金融緩和の可能性を示唆しての上昇と言ったところです。

　かなり要約してしまっていますが、昨日の米シリア問題における下落について、「なぜ、これほど強い反応を見せたのか？」と疑問に思われている方もいらっしゃると思うので、少し解説を入れておきたいと思います。

　ニュースでは、あまり語られていませんが、現在のシリア情勢の原因は、「パイプラインによる攻防戦」だとお考えください。イランから伸びるパイプラインをトルコ方面、つまり北に伸ばすのか、シリア方面、西に伸ばすのか？の戦いとなっており、その派閥が分かれた事により、海外からの資金援助が政府・反乱勢力と2方へと武器を含めて流れています。

　つまりは、この流れはイランからの天然ガス・石油取り合戦である事(シリアも産油国ですが量は比較的少量)を、まず頭に入れておくと、誰がどちらに付くのか？で面白い流れが出来上がります。

　そもそも、イランは核兵器の問題によりアメリカとの対立を持っている訳ですが、その影響から多くの国から経済制裁を受ける上で、原油・天然ガスの輸出ルートを遮断されています。

　その1つが、北ルートであるトルコを通って、欧州へと天然ガスを供給するパイプラインなのですが、これをトルコが遮断した事から今のシリア問題が勃発しています。

　北へと原油(天然ガス)の輸出が不可能になったイランは、「イラク⇒シリア(海に面している)」を通して海外輸出を試みる事を考えた訳ですが、これを良しとしないのは、「アメリカ」で、正確にはイスラエルとイランは犬猿の仲ですので、イスラエルに政治の実権や経済の多くを握られてしまっているアメリカは反対せざるえない状況です。

　これに伴い、アメリカは反政府勢力である自由シリア軍(FSA)を応援している事から、今回の攻撃を仕掛けようとしている訳ですが、シリアを同盟国だとするロシアや、石油や天然ガスの利権を虎視眈眈と狙っている中国などは、正に反対している構図がある事から、戦いが激化している訳です。

　この事を少し頭に入れておいた上で、先日のアメリカ下院委員の発言を聞くと面白くなります。

　ベイナー下院議長が「オバマ大統領の対シリア軍事行動を支持する」

　ペロシ米下院院内総務「シリアの化学兵器使用への対応は米国の利益となる」

　なるほど・・。って思いますよね。この戦いは化学兵器うんぬんと言うのでは無く、「米国の利益」つまり、石油や天然ガスの利権問題、さらにはイスラエルの圧力が全てと言って良いのかも知れません。

　さらに、早ければ上院では本日中にシリア攻撃への決定が行われ、下院のボスであるベイナー氏(オバマ大統領と対立する政党である共和党のボス的存在)が賛成の意向である事から、9日には下院でも賛成多数で可決される事が濃厚となってきました。

　つまりは、来週には攻撃が高い確率で行われる事が想定される訳ですが、これを受けて、もしかするとQE削減は先送りと言う見方が出始める事も考えられます。

　現在は、雇用統計に向けての動きとなり、「シリア問題は来週の事でしょ？」と言う空気をマーケットは出していますが、このままいくと間違いなく雇用統計発表後には良い指標が出た場合に、円売り情勢となったとしても、引けに向けて上値は叩かれるマーケットとなるため、週末に向け、どのあたりでどれほどの売りを持って行くか？がポイントとなりそうです。

　さて、時間も押してきているので、既に4時を回っているので、後半はチャートだけです。

　本日は、大雨の影響で、インターネットの1回線が遮断されるなど(携帯と合わせて3回線あります)、大変な事になっており更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。