日本株崩れで注意が必要

 [2013-11-29] 昨日の夕方、話に出していた社長さんがワザワザ会いに我が家まで来て頂く(笑)と言うハプニングにも見舞われながら、私の狭いトレーディングルームにてマーケットについてのお話をしておりました。

 その社長さんは飲食店経営者の方で従業員30~40人を抱えておられるかたです。

 社長さんがおっしゃるには、日本のマーケットが良くなっても、「大企業勤務者の給料が上がった事を実感した」翌年になってようやく飲食業界にも恩恵がやってくるとの事でした。

 そのため、現在の景気トレンドと言うのが気になってきているようで、「このまま順調に日本が回復を続けるならば、来年には少し良い結果が得られるのでは?」との事でした。

 これから飲食店業界に進出する事を考えておられる方には朗報かも知れませんね!

 さて、そんな社長さんの話を聞きながらも、私が横目でチャートを追いかけていたので気になったのでしょう。

 社長さんから「今の日本は、もっと円安に動くべきなのか?それとも、もっと円高にすべきなのか?」と言う質問をお受けいたしました。

 「私のような、“せこいトレーダー”が日本の為替と経済について回答するのは大変恐れ多いことなのですが・・。」と前置きした上で、とても難しい難題について私なりの回答を致しました。

 為替相場と言うものは、そもそも変動しているから私達も利を追求する事ができるのですが、その変動が一方的であると一方の人は大金を手にする事ができる中、他方では多額の損失を出す事になります。

 つまりは、「変動が一方的では無い」と言うものが、売買する人間からするとバランスが取れて良い状況だと考えられます。

 例えば、日本は燃料の多くを輸入に頼っていますが、円安は燃料や原材料の輸入には不利に働き、さらに資源の高騰が起こっている中で、輸入は円安が進むに連れ厳しい状況へと変わっていくことになります。

 これが、もしも一方通行のマーケットで有った場合に、輸入業者が原材料購入の資金としてドルやユーロといった海外通貨を取得すると、輸入業者は「今ドルが必要だ!今ユーロが必要だ!円安になってしまう前に買わなければ!」と大量に円売りオーダーを出してしまいます。

 それは、さらなる円売りへと繋がり、その動きを嘲笑うかのようにヘッジファンド等も円売りオーダーでさらに価格を釣り上げる展開へと波及して来る事が考えられます。

 そういった流れは、いくら「輸出が伸びるから」と言っても良い状況では無い事は誰の目にも明らかでしょう。

 そこで、私が社長に答えたのは、「洗濯洗剤でもそうじゃないですか?(笑)弱酸性が良いように、日本の為替についても弱インフレ、つまりは弱円安が一番良いんですよ。」。

 ただし、トレーダーとしての自分は「値幅が出る事」は常に祈っていると言う事を付け加えておきました。

 “かなり長すぎる”前置きとなってしまったのですが、この話が余りに今日のマーケットについてタイムリーだったので紹介させて頂きました。

 と、言うのも、本日の102.5をカットした買い上げが本邦の輸入系からのフローが入ったとのニュースが出ていたためです。

 私が知人から聞いた話によると、100円台には大量にオーダーが並んでいるとのことでしたが、ここで買いを出してきた事には少し驚きました。

 本日は、五十日のスポット日(明日が休みなので)となるため、本日、もしくは来週の月曜日に輸入・輸出両者からのオーダーが入りやすい日ではあったのですが、まさか、102円台での大人買いには驚きました。

 これは、「輸入系からの需要が我慢できなくなってきている」事をイメージさせ、今後の底値の堅さ、特に100円割れ辺りでの動きの堅さを意識させるものとなりました。

 直後に、週末リスクや米国株リスクを考えた、株の利益確定売りが入ったために総崩れとなりましたが、これがトリガーとなり株が時間外で崩れたり、米国株が崩れたケースでも「90円台で買っておけば安心」と言うニュアンスを感じるマーケットとなっているのではないでしょうか?

ドル円4時間足のチャート

 さて、後半はいつものドル円チャートですが、少し変動が有ったので、面白い形になっています。

ドル円2013年11月26日チャート4時間足

 こういった動きになってきていると、もしもアメリカの株価が崩れたら大相場が期待できるチャートとなっています。

 特に、円は日本株価に下支えを受けての102円と言う動きだと言う事を考慮するならば、積もり積もった円売りポジションのストップを巻き込む可能性もあるので、今日のNYタイムに荒れるようならば細心の注意が必要だと考えています。