ドル円のレンジ相場状況

 [2014-3-26] マーケットが動く材料が乏しい中で、キリキリされていらっしゃる方も多いと思いますが、私もそのトレーダーの1人です(笑)。

 全般的に材料不足となる中で、ブログの題材にも困ってくる訳ですが、動かないなら動かないなりに本日はマーケット動向と言うよりも現在のFRBの考えに付いて個人的に書いてみたいと思います。

 下は先日私が作成して公開していたドル円の4時間足チャートです。レンジですね。

2014年3月25日ドル円4時間足チャート

 さて、FRBに関してですが、FRBメンバーのコメントと言うのは、ほぼ毎日発表されている訳ですが、現在の焦点は米国が今年度いつくらいに量的緩和を終了させ、いつ頃から利上げに向かうのか?と言う話ポイントになります。

 メンバーの意見から推測すると、現時点でメンバーのほとんどは「来年度2015年に米国は利上げを行うであろう」と言う見通しを出していますが、ここでポイントとなるのがイエレン総裁が前回コメントとして出した「量的緩和終了後6ヵ月で利上げを行う」とするものです。

 実際には、ここまでストレートに回答を出している訳では有りませんが、「金融緩和縮小終了後に長期間は利上げは行わない」と言う趣旨の発言を出し、「その長期間とはどれほどの期間なのか?」と問われたところ、「半年を意味する」と言う発言を出している事から、マーケットは「量的緩和終了6ヵ月後には利上げ」と言う連想になっている訳です。

 さて、ではこの「量的緩和終了がいつになるのか?」と言う話になりますが、メンバーの意見を読み漁っていると、「現状のペースで量的緩和縮小を継続するならば2014年10月に量的緩和は終了する」との見通しが出されています。

 現在のFOMCメンバーはタカ派な人物が多い事から考えると、恐らくは大きな経済不安定材料が飛び出さない限りは、2014年10月と言うのが1つのキーポイントとなってくる事を頭に入れておかなければいけないでしょう。

 10月と言いますと、9月のファンドの攻勢が活発化して後、と言う事で、マーケット的にも9月にマーケット転換が起き、10~12月に掛けて上げると言う例年の流れをイメージさせる訳ですが、

 ウクライナ情勢悪化などの悪材料を受けてのドル円下押しが有った場合には、「今から今年の年末を目指しての買いポジションホールド」を考えられると言う状況にあるとも言えます。

 次に、米量的緩和が10月に終了するとして、利上げは来年の4月~5月が目途になってくる訳ですが、現在の米国の政策金利は0.25%と実質0金利政策と言われている政策を行っており、これが2015年度中に何処まで引き上げられる目途があるのか?と言うのも1つの論題となってくるかと思います。

 現時点では、「2015年の米国政策金利は1%前後では無いか?」と言うのが多くのメンバーの考えになっている訳ですが、先日、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁が「2015年末には3%」と言う発言を出した事で、個人的には大きな驚きを感じています(要人発言参照:チャールズ・プロッサーの発言・ニュース)。

 2015年の5月から最初の利上げが行われるとして、8ヵ月で2.75%の政策金利の上昇は、明らかにオーバーペースと言える急速な金利上昇であると考えます。

 単純計算においても、5月の利上げ以降は0.25%ないし0.50%の利上げが毎月のように行われる事をイメージすると、トレーダーとして、その恐ろしさを感じずにはいられないでしょう。

 しかしながら、プロッサー氏が、このような急速な巻き戻しを「個人的な考え」として出す理由として、私、個人としては「米国がインフレに急速に傾くのでは?」と言う事を考えずにいられません。

 もしも米国が急速なインフレに見舞われるのであれば、FRBは緩和スタイルからの急速な引締めスタイルになってもおかしくはありません。

 もしかすると、来年度には3~5%のCPIを米国が発表する事があるのでは?

 現在のマーケットでドル円が下値で買われるのは、そう言った思惑が交差していると言う事を、私達トレーダーは体に刻んで置かなければいけないのかも知れませんね。

ドル円4時間足のチャート

 ドル円の4時間足チャートをいつものように作成してみました。

2014年3月26日ドル円4時間足チャート

 今日は、特別語る事は無いのですが、上のチャートで記しているレンジブレイクをそろそろ意識しても良いのかな?と考えています。

 もちろん“騙し(だまし)”になりやすい展開なので、注意をしてみたいと思っています。