FOMCドル円上昇理由と対策

 [2014-3-20] 昨日、FOMCにて大きな上昇を見たドル円マーケットについてですが、本日は、この事について個人的な思惑を書き残しておきたいと思います。

 まず、「MBSの購入を現在の月間300億ドルから250億ドルに縮小、長期国債の購入を現在の350億ドルから300億ドルに縮小」と言う市場予想通りのテーパリングと言いますか、金融緩和幅の縮小が行われました。

 これをマーケット初心者の方用に簡単に解説すると、アメリカが毎月市場に流れる米ドルの流通量を増やしている状況に有る訳ですが、この増やす量を減らす事を決定したと言う事です。

 「まだ米ドル流通量を増やしているにも関わらず、なぜ米ドルの価値が上昇するの?」と言う疑問を持たれる方も多いと思いますが、マーケットは既に一歩先を走っていまして、「米ドル流通量増加量を減らす⇒流通量を変えない⇒流通量を減らす」と言う考えで動いております。

 つまりは、流通量を増やす量が減ったと言う事で、流通量を減らす「金融引き締め」を意識して動いている訳です。

 それでは、いつ流通量を減らす行動に移行するのか?と言う疑問が出てくると思うのですが、イングランド銀行が最近特に景気加速感が出ている事から、量的緩和縮小(流通量を減らす)の動きについて議論が出ているのですが、イングランド銀行からは「緩和した資金(国債を買った資金)を売り戻し、量的縮小を行うのではなく、まずは利上げを行う」と言う見通しが出ています。

 これに習う形で考えると、米国も米国債を購入した資金を逆行させるのでは無く、「量的緩和終了後は利上げになるだろう」と言うのが今のマーケットの見方となります。

 そこで、いつ利上げが行われるのか?と言う話になりますが、昨日FOMCで発表されたデータでは、「2014年のゼロ金利解除予測は1人、15年は13人、16年は2人」と言う結果が出ています。

 つまりは、「来年米国では利上げが行われる」事が、かなり高い確率となっており、米ドルの買いが行われました。

 さらに、米FRBの長である、イエレン総裁は「量的緩和終了から利上げ開始まで相当な期間を予想」「相当な期間とはおよそ6カ月を指す」と、具体的な数字を出してしまったもので、マーケット参加者は驚いた訳です。

 それは2015年時点、つまり来年の政策金利見通しが1%と言うのが主な見通しの中で、25べーシスポイント(0.25%)ずつの利上げを数回に渡り実践するとしたならば、急激な金利変動をさせないために最初の利上げが2015年初頭~春で無ければいけなくなる事を意味し、さらに、それに先駆けて6ヵ月前の金融緩和終了と言う見通しを出すのであれば、遅くても今年の10月辺り~11月辺りには金融緩和を完全に終了する必要が出てくるためです。

 そう考えるのであれば、今回150億ドルの縮小を行った事で考えると、現在の緩和額が850億ドルですから約半年で終了する事を意味し、それはちょうど10月~11月辺りと言う風につじつまが合ってくる事になります。

 この状況に慌てた米国債購入者達は、一斉に米国債を売り払う動きを先日出した事を受け、日米の金利差意識での米ドル買いの日本円売りへと動き、さらに他の通貨においても一気に米ドルが買われる動きとなった訳です。

 しかしながら、ここで立ち止まって考えて頂きたい事が、米株の動きです。

 米株は、量的緩和縮小と言う動きを受けて、米ドルの価値上昇を考えたり、景気刺激策からのFRBの撤退を意識して迷いながらも売りで反応をしています。

 米株の動きを大きく意識するのは、日本と経済的に深い繋がりのある日本株です。

 日本株が本日は案の定売られる動きになりましたが、これが、先日FOMC高値で売りやすいポイントであった事を意味する訳ですが、さて、チャートではどうだったでしょうか?

 もう、何ヶ月同じ事を書いているか分かりませんが、例のテクニカルラインが再び機能しております。

ドル円4時間足のチャート

 本日は言う事は有りません。テクニカルラインの偉大さを感じて頂ければと思います。

2014年3月20日ドル円4時間足チャート

 FOMCでの強い上昇の中、怖さも有った方も多かったと思いますが、ここで売らなければ・・と言うポイントまで上昇を見せていました。私のブログに以前から足を運んで下っているいる方の中に、爆益を出されたと言う報告を本日受けて少し天狗になっておりますが、私は102.3で売りに入り一度損切りをしたのは内緒の話です(笑)。