ドル円輸入系の買い観測

 [2014-4-10] やはり、日本時間は強めな推移を見せたドル円マーケットで、ここまでは推察通りと言う事であったのですが、その後、102では徹底的に打ち込まれてしまい、結果上昇幅を全戻しする格好になり、現在は下値探りの展開となっています。

 ここまでの下値探りがあるのであれば、下値での握力チェックが行われる事がメインシナリオとなってくるかと思うのですが、この動きの引き金とされている(ニュースやマーケット情報による)昨日発表されたFOMCの議事録要旨について、本日は言及しつつ現状のマーケットについて語ってみたいと思います。

 まずは、先日作成しておいたドル円の4時間足チャートからです。

2014年4月9日ドル円4時間足チャート

 上のチャートを見ながら現在のチャートを追いかけて頂けると分かるかと思いますが、マーケットは日本時間今朝方のNYタイムでは日本企業からの買いオーダーを恐れてツッコミ売りを持ち込まない展開となりました。

 しかしながら、102円オーバーでは徹底的に打ち込まれた印象を持たれている方も多いとは思いますが、ここで打ち込みを掛けてきたのは「CTA系のファンドではないか?」とマーケットでは噂が流れています。

 CTA系のファンドは、CTA(Commodity Trading Advisor:コモディティ トレーディング アドバイザー)との名前が示す通り、商品や株式相場のイメージが強いのが特徴ですが、そのトレードスタイル金融工学に基づきアルゴリズム開発された、24時間体制で運用をしているコンピュータによる取引がベースになります。

 個人的なイメージとしては、モデル系ファンドが短期で瞬間的な売買を行い、市場を混乱させた上で利益を出すのに対して、CTAがマーケットに参入すると、モデル系ファンドと比べて長めの利を狙っているケースが多いような印象があります。

 そうした意味で言えば、マクロ系ファンドとモデル系ファンドの中間的な存在のように考えています。

 さて、話がファンド関連へと脱線している訳ですが、CTA系からの売りが入った要因はコンピュータ解析によるものですが、ニュースメディアが言っている先日の「FOMC議事録要旨」を見て、円買いになる要因があるのか探ってみたいと思います。

 日が変わる頃にはFX要人発言・ニュースのゴゴヴィにて、もう少しニュースをまとめて書いてみたいと思っていますが、実質、円高になるような中身と言えば、「インフレ率2%を継続的に下回れば、低金利維持のコミットメント望む」くらいで、全体的には目新しい中身は無かったように考えています。

 しかしながらニュースによると、マーケットが「利上げ時期についての話題が出る」との期待を裏切った事からの円買いと言う風になっています。

 これは、ドル円が下向きに出た事に対する「後付け」と言われても仕方ない解釈であると個人的には切り捨てています。

 実際は、FOMC議事録により、「まだ買っていても大丈夫だ」と言う事から、ロシアウクライナ情勢もある事ですし、リスクオンへと移行できない状況で、米国債が買いこまれた事がドル円に対しては大きな要因になっているように考えています。

 そんな中で、米国株が強気に反応した事から、日本株の押上げを受けてドル円が上昇したところに(輸入参入を嫌がっての売りの利食いを含む)、米国債とのギャップを見たCTAが売りを持ち込んだと言ったところでしょう。

 現状の若干の円買いへと動いている中身について、それほど昨日のFOMC議事録が影響しているとは、個人的には考えていない状況です。

 さらに、貿易収支は改善したものの、中身である中国の輸出・輸入共に落ち込みを見せている中国に対してのシャドウバンク問題クローズアップされた事により、重い動きを見せ、日経平均が振るわなかった事による円買いと言った事をイメージしています。

 さて、色々と書いてきましたが、今後のドル円について私の戦い方ですが、やはり101は堅いと言うのは感じております。

 トレーディングポイントとしては、101.5カット時の戻りや、101手前、さらには101カット後と言う三段階を想定していますが、やはり日本企業からの買いオーダーを先日同様に意識したトレードしてコツコツといきたいと考えています。

 特にNYタイム後半に打ち込まれているようならば、戻りをキッチリと拾う事を意識しています。

ドル円4時間足のチャート

 後半は、いつものようにドル円チャートを作っておきました。

2014年4月10日ドル円4時間足チャート

 前半戦で時間を使い切ってしまい、既に時間が無いのですが、形状としてはダブルボトム形式で多少の底抜け程度では戻りが入りやすい形になっています。

 先に紹介していますが、抜けるのであれば大幅に抜けてくるので、底値割れ後などエントリーポイントが下値では沢山あるように考えられるチャートに見えています。