ドル円下落の概要と水面下

 [2014-7-12] 今週もドル円マーケットを中心としたブログを更新していきたいと思いますが、まずは先週末に作成していたドル円4時間足チャートをご覧ください。

2014年7月6日ドル円4時間足チャート

 トレンドブレイクが起こり、雇用統計の結果も良かったことから、私は底堅く推移してくるマーケットを紹介しておりましたが、週頭についてはマーケットの強さを感じることができたものの、結果として下攻めが起こり101.1のオーダー引っ掛け辺りまで底値を拡大させることになりました。

 チャートでの現状解説については明日行いたいと思いますが、本日は、こうした動きとなった流れについて書いていきたいと思います。

 まず、この動きの発端となっているのがFOMCですが、FOMCにおいて全体的にハト派な意見が専攻していたことを切っ掛けにして、期待上げの中で、下方向を大きくエグル形となりました。

 この中身については、投資家による過剰な米株式投資についての警鐘や、「労働市場の停滞は失業率が示すより大きい可能性を指摘」と言った内容が含まれていたためで、金融アナリストや著名投資家からも米国株の崩れについての危険性が指摘され、「米株下落(米国債買い)⇒日本への悪影響⇒日本株下落⇒リスク回避⇒日本円買い」と言った、完璧では無かったですが道筋が付けられました。

 これに加えて、ポルトガルの銀行関連の話題から「エスピリト・サント・インターナショナル(ESI)の一部短期債務の返済延期を背景に、子会社であるエスピリト・サント・フィナンシャル・グループ(ESFG)の取引が一時停止」そして、「ESFGの子会社でポルトガル最大の上場銀行であるバンコ・エスピリト・サント(BES)」の株価が一時12%を超えるような打ち込みが起こり、マーケット不安の中でさらにリスク回避の動きが進みます。

 また、FRBメンバーからも、現在の状況についてハト派的な意見が出て、上値を追いにくい展開へと発展しました。

 その結果、下値は本邦輸入系の参入ラインとなっている101.1辺りを目処にしたところまで打ち込まれ、その後、下げ止まりが発生、そして週後半に掛けては動きなしの様子見と言う状況になりました。

 しかし、ここで個人的に注目しているのはFRBメンバーの発言なのですが、実は、ハト派な内容がマーケット関係者の中で意識される一方で、比較的多くの委員がタカ派の発言を行っています。

 ジョージ米カンザスシティー連銀総裁「利上げ開始は年末までにあるかもしれない」

 プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁「多くが考えるより、FRBは利上げに近い」

 水面下で隠れてしまっていますが、2人はタカ派な委員とは言え、この発言はマーケットが放置しておくには少し難しい話題となるでしょう。

 個人的には年内の利上げは難しいと考えていますが、年後半には掛けては、米国利上げの話題がマーケットに上ることは間違いないでしょうし、その期待上げを「確実にものにしたい」と言う思いで見ております。

 さて、本日はここまでですが、明日は来週について書いてみたいと思いますので、お時間がある方は、また明日お会いいたしましょう。