再び意識されるGrexit

 [2015-07-04] 先週は一週間でかなり良いポジション取りを行うことができたので、上げても下げても後は値幅が出れば利益が出る形を作となりました。

 私のように値幅が出ることを期待してトレーディングされる方にとって、タイトルにも使った「ギリシャの欧州脱退(Grexit)」は願ったり叶ったりと言うニュースとなるわけですが、もし、週末の国民投票で「NO(緊縮財政反対)」となるような決断をギリシャ国民が選択した場合、ドル円相場は大幅な下げ幅を記録する可能性があり、それはそのまま利益となることを想定しております。

 しかしながら、これほどトレーダーたちが準備万端(結果が出てから時間がある状況)で発表が行われても、通常は大きな値動きとはならないため、「NO」と言う判断が出た後のドイツ・オランダ・フランス辺りの反応と、ギリシャ政府、特に首相のツィプラス首相の発言に注目をしておく必要がありそうです。

 それにしても、マーケット関係者からはギリシャがマーケットの混乱要因となっていることに嫌気を指した声が多々聞こえ始めているのですが、これはもう外交レベル云々や国民レベル云々と言ったものでは無く、ギリシャの長い歴史が語る倫理や哲学的なところまで話が飛躍しているため、この下手な交渉により、どちらの場合においてもツィプラス首相への風当たりは厳しくなることを予想しています(一般紙は、「YES・NO」どちらの場合においてもツィプラスの勝利と言う報道が多いです)。

 土曜日の夕方に発表されているギリシャの国民投票の世論調査では、「YES・NO」の差は何と1%しかなく、ギリギリ緊縮財政を受け入れようとする動きが出ている状態です。

 欧州各国の首脳たちは「やれやれ、どうしたものか・・」とギリシャに対して、さらに疑いの目を強め、頭を抱えているのは間違いありませんかね・・。

 さて、「そもそもギリシャが欧州に加入したことが間違いだった(ゴールドマンサックスによる粉飾決済によって加盟できただけ)」と言った話も再び掘り返されてニュース等で取り上げられ始めておりますが、このギリシャのバタバタの裏で、中国株が崩れ始めており、気の早い投資家からは「中国バブル崩壊の前兆しか?」と言った話題が出始めています。

 中国の賃金上昇により外資が次々と手を引いている中で、「中国のバブル崩壊は遅かれ早かれ訪れるであろう」と言うのが大半の投資家の見方ではありますが、「2014年中国バブル崩壊説」が否定された中で、私、個人的には2016年の崩壊を考えております。

 現在、日本での中国人観光客による爆買い状況を見ても、今がピークと言うよりは「もう少し先がピーク」と言うイメージが持てるかと思いますし、中国の株の崩れは投機筋がガンガン仕掛けを行っていることもあるので、「今の株価下落をバブル崩壊の兆候である」と考えるのは5%程度と低く見積もっております。

 やはり「バブル崩壊前は鰻登りの大陽線を見たい」と言う希望もあったりしますので。

 しかしながら、今回のギリシャ問題に関して中国政府は「借金の補てんを行っても良い」と発言するなど、株価下落に関して放置することができない状況になってきているのは間違い無いはずです。

 来週も中国株の下落、もしくは下げ止まりについても追いかけておく必要がありそうです。

 何だかんだと今週も書いてきましたが、来週のマーケットは全てギリシャ次第と言うところがありますので、まずは週末ギリシャの国民投票結果を見てからトレードを組み立てるのが良さそうですね。

ドル円4時間足チャートについて

2015年7月4日ドル円4時間足チャート

 最後はいつものようにドル円の4時間足チャートについてですが、やはりギリシャの国民投票を見て見なければ何とも言えず、「NO」と言う結果ではチャートの下値を次々に撃破してくる可能性もあります。

 ギリシャの状況で次第ではチャートが後からついてくるような状況にもなりますので、余りに大きく動き出した時にはチャートの時間軸を日足⇒週足⇒月足へと移動させて対応して頂ければと思います。

 その際、例えば、週足レベルのチャートでしっくりきているような相場展開となっている場合には、その値動きは歴史的なものとなっている可能性がありますので、特に写真者トレーダーの方は細心の注意を払って頂ければと思います。

 また、逆にギリシャによる「YES」の判断が出た場合には、問題が収束傾向になる可能性が高いので、基本的にはドル円は上値ターゲットを引っかけ、米国の利上げ関係がマーケットの注目を再度集める可能性を忘れないようにしておきたいところと考えております。

 来週は、バタバタするような相場展開となることが濃厚ですが、無理のされないトレードを心掛けて頂ければと思います。それでは張り切って参りましょう☆