4月米雇用統計悪化と為替

 [2015-04-04] 土曜日の夕暮れ時、最近はもっぱらこの時間にブログを書き始めることが多くなっているのですが、それもこれも一昨年から始めた仕事による影響が非常に大きいです。

 マーケットの動きについて土曜日に考えなければいけないのは非常に難しいところがあるのですが、実際、メイントレードがスイングとなっている以上は、さほど大きな影響は出ていません。

 さて、3月も終わりになり、1ヶ月分の利益はどれほどになっているのか?と言いますと、正直、「レンジマーケットに益は無し」ではありませんが、スズメの涙ほどのプラスとなっています。

 こうした結果を見ると「本当に仕事が有って良かった」と思える瞬間ではあるのですが、逆に、こうした『保険』のようなものがあるからこそ、以前のような鋭いトレードができなくなっているようにも思えています。

 ワンショット、ワンショットが、胸をえぐるような痛みの中で生み出していた頃とは重みが違いますね。

 そんな現在の温い私ですが、お時間が許すようであれば本日のマーケットについてのお話にもお付き合い頂ければと思います。

 さて、先日、ある大型ホテルの御曹司の方と食事をさせて頂いたのですが、彼曰く、日本の景気が上向いてきているのかな?と言う見通しを持っておられました。

 私のような末端の末端の人間が、実際に景気向上を感じるまでには時間が掛かることになりますが、ホテル事業のように宿泊客の客層をいち早く知ることができる業界では、料理の選択やルームサービスの利用状況でそうした身近な景気を感じることができるようです。

 父親はゴルフ場経営者と言うお話でしたが、御曹司うらやましや・・。と思ったのは言うまでもありませんね(笑)。

 さて、こうした日本の景気についてお話したのには理由がありまして、それは、先日の米雇用統計の結果についてお話する必要があるためです。

 米雇用統計は、今年に入り強い数値を付けてきていましたが、昨日の発表では1、2月の雇用者数についても合わせて6万9000人の下方修正と言う結果になり、+12万6000人と言う「2013年12月以降で最低の伸び」と言う状況になりました。

 正直、「かなり悪い」と言う流れではあったのですが、欧米が「グッドフライデー」であったこともあり、株価の大幅変動が無いため影響は大きく出ることはありませんでした。

 ただ、これから注目していかなければいけないのは、米国の株価で、ここが米国の利上げ後退を受けて「下向きに反応を見せるのか?」それとも「上向きに反応していくのか?」と言う点です。

 これまでの金融緩和継続時の流れですと基本的に利上げ論の後退は米国株を下支えする形となっていたのですが、テーパーリング終了以降は、この動きにムラが有り、正直、その時々によってバラつきがある印象がありました。

 しかし、最近利上げが現実味を持ち始めると少し状況が変わり始めており、アメリカの利上げ論の強まりは「米国株価を押し下げる」と言う流れを生むようになっています。

 こうした流れとなっている理由は、米ドル上昇によるところが大きいのですが、利上げ論が強まることで米ドルは素直に買いで反応しやすくなり、「株売りの米ドル買い」と言う動きが出ている形です。

 この動き方はバランスが取れていると言え、いわゆる調整相場となる訳ですが、もし先日の雇用統計で米国で活発に取引が行われていたとしたならば、どのような状況となったでしょうか?

 恐らくはストップの巻き込みはもっと大きくなり、今回、時間外で動いてた米平均株価の動きとは比にならないほどの動きが起こり、リスクオフの流れを受けて通貨でも投げが入る動きとなったかも知れません。

 そう考えてみると、今回悪い数値を休みに出してきたのは、「指標調整する狙いもあったのかな?」と勘ぐりたくもなってくるものですね。

 全体的には2015年中の利上げは50%ほどと言うのがマーケットのコンセンサスとなっておりますが、今回の米指標は「あれ?思ったより米国は強くないぞ!」とトレーダーに対して意識させるには十分なものであったと言えます。

 今後、注目は米国の失業率にも集まってくることになりますが、来週からの相場では、FRBメンバーから「それでも景気は弱くない」と言った類の発言は、そのまま「緩和は無い」と言う流れをマーケットが意識している以上は「米株の下落」へとつながってくることを意識する必要があると考えています。

 来週のポイントは、雇用統計が悪かった理由探しと、今回の雇用が悪かった結果を欧米市場がどのように受け取っていくかの見極めから始まっていきそうだと考えています。

 つまりは、欧州時間からの弱さを意識する必要をイメージしています。

ドル円4時間足チャートについて

2015年4月4日ドル円4時間足チャート

 さて最後に今週もチャートを用意してみました。

 全体の流れとしては下向きとなっていますが、基本的にトレードはまだ下向きの流れとは言え、120までの戻りは比較的容易な形でマーケットは流れているように思います。

 そこで、基本はダブルボトムを意識しつつ、ネックライン辺りまでの戻りがあっても良いのかな?と言う流れを見ながら底値付近では買いポジションを延ばす形を考えてみたいと思います。

 さて、来週も厳しいマーケット展開が続くことが予想されますが、コツコツと積み上げてみたいと思います。