ドル円と衆議院選挙の行方

 [2014-11-23] 今年に入り、兼業トレーダーとなったことから、仕事による負担も考えてスイングトレードをメインとしてトレードを組み立てるようになっているのですが、そのため、全体的なトレードは短期による小さなものの積み重ねから、最低でも100pips以上の中距離以上を狙うケースがほとんどとなり、そうした心構えを楽に感じておりました。

 正直、利益についてもトレード回数が激減する中で、かなり安定的に出ていたことから、大分、安心しておったのですが・・、今週は本当に危なかったです・・。

 「118.95ショート、これで落ちなければ知るか!!」と、久しぶりに怒りマックスで、仕事もチャートもほっぽらかして出かけるほど(もちろんストップはあり)、正直、今週前半は、“かなりの損失”を出しておりました。

 今年一番の怒りマックスだったのですが、ダメージは、90円辺りから持っていたものをほとんど清算しても足りないほどの痛手でした。

 そんな中で、ドル円が落ち、売りポジションがストップを巻かれなかったことにより、幸運なことに、今は笑顔でブログが書けているのですが、あのテンションで再度ストップを持っていかれていたら、全力ショートもあったかな・・と思うと、寒気さえします・・。

 先月、病気になってから上手く感情がコントロールできなくなることは薄々気が付いていたのですが、今週を終えて、「再度冷静な自分を取り戻すこと」を肝に銘じ、反省している次第です。

 皆様も、FXをされていて熱くなった経験があると思いますが、そういう時と言うのは、いつも結果は赤く染まりませんか?

 私はそういう時はいつも赤なのですが、今回は、何とか橙色で済みましたが、本当に気をつけてくださいね。

 マーケットの刃は、ちょっとした心の余裕に対して一気に牙を剥くことを身にしみて痛感致しました。

 こういった心の隙が、私を小物にさせる理由であると今は反省しております。

来週のマーケットについて

 さて、私のトレードの話をしても面白みは無いと思いますので、マーケットについて書かせて頂きますね。

 恐らく余り多くのトレーダーの方は気が付いていらっしゃらないかと思いますが、実は、「今のマーケットは売りやすかった」と言うのが本音なんですね。

 一時的とは言え、危険なゾーンまで踏み込むトレーダーが言っても説得力に欠けるかも知れませんが、色々と条件が揃っているので、来週のマーケットに繋がる話題でもあるのでご紹介しておきたいと思います。

 まず、来週は11月の月末相場になりますが、12月からはファンド関連はお休みに入ります。

 そんな中で、ファンド関連はドル円を買っていたか?それとも売っていたか?どちらが主流の流れになっていたのかは、今のマーケットを見れば一目瞭然でしょう。

 つまり、ファンド関連は最後の力を使って一気にストップ狩りを行い、ストップを十分刈り取ったと思ったところで、週末利益確定へと走りました。

 「来月は休みに入るので、そろそろポジション調整の動きが出る前に利益を確定させておこう」と言う動きですね。

 この動きが出やすいことは目に見えていたので、上げ相場に対して前々から売りを入れていましたが、今週は「負けてぶち切れするほど」売っていた訳です(苦笑)。

 次に、先週のブログで書いたように月足チャートは調整相場を示唆している以上は、売りで入るトレーダーが出る可能性があった点も非常に重要です。

 特に、来週のローソク足の戦いはこれを占うものになり、週足が陰線で確定するような動きになるのであれば、私は圧勝できるのでは?と期待するほど、大きめな流れの発生を想定しております。

 月足をベースに天井を取れば、それ相応の触れ幅が取れますからね。つまり、来週が陰線ならば、「12月の月足も陰線、もしくは下髭を引くような下攻めになる可能性が高い」と考えられます。

 こうしたことは、予想では無くイメージとなるため否定される方も多いのですが、ここまでチャートまで絵が出ることは珍しく、こうした直感がある場合は、100%とは言いませんが高い確率で当たるので、売りやすかったということが言えます。

 そして、最後はファンダメンタルズ的な要因ですが、選挙の影響がかなり大きいです。今の現状を整理してみましょう。

 1. なぜ今の段階で自民党は解散総選挙を行ったのか?

 回答は、簡単ですね。それは「与党は今が最も解散にとって良い可能性がある」と考えているためです。

 つまり、自民党は、何かしらの危機感を持っており、それが内閣支持率なのか?金融緩和の限界による景気後退が要因なのか?それとも消費税による不安要因なのか?分かりませんが、悪いことが先に起こる可能性を示唆します。

 もしも、悪いことが無かったとしても、まず高い確率でマーケットはその空気を察知して動くので、この予想が外れても勘違いであったとしても、マーケットが下がる可能性は高いと考えられます。

 2. 解散のタイミングとしては今そんなに与党にとって良くない。

 大臣の問題や、悪いGDP発表など、今のタイミングでの選挙は与党にとって良い展望を持ちにくいタイミングであり、恐らく、維新の党などにとって良いタイミングとなる可能性を考えます。

 つまりは、ここでやらざる得なかった理由が必要になりますが、ここでやらざるえなかったということは、1.紹介したような理由について、「もしかするとかなり酷い状況を与党は予想している?」とマーケットは考え始めるはずです。

 そうなれば、強い売り材料になって当然ですね。

 3. 安倍首相は「アベノミクスの是非を問う選挙だ!」と述べ、「選挙の負けは安倍総理への責任追及がある」と言うことが大問題。

 安倍首相は、今回の選挙をアベノミクスの成功か失敗か、つまりは継続か中止か?を問う選挙であるように言及し、さらに選挙の勝敗ラインとして「自民党、公明党の連立与党によって過半数を維持」を目処にして「238議席以上の獲得」が必要であることを示唆しています。

 しかし、そんな中で、首相は勝敗ラインは党員からの反発もあり「与党で270議席以上」へと変更されました。

 そして、この「270」と言う議席数が、選挙までにコロコロと変わってくることや、環境の変化で予想は変わりますが、現時点ではかなり微妙な数値と言え、「可能かどうか?」と言う点で、個人的には五分五分だと考えています。

 ただ、ここで問題なのが、この「五分五分という意見」が“トレーダーについては不安要因でしかない”と言う点です。

 「もし、与党の獲得議席数が269議席ならば、責任から安倍首相が辞任する???」

 ドル円ロング、日本株ロングをしている人にとって、安倍首相の辞任は、アベノミクスの終了を意味しており、期待されている日本の景気上昇もまた終わりを告げることを意味します。

 「どんな状況になっても安倍首相が辞めることは無い」と言うのが個人的な相場観ですが、マーケット参加者は、少しでも与党にとって旗色の悪いニュースが出ると、怖さで売りを出してくるでしょう。

 つまり、マーケットは「与党=円安」「野党=円高」と、もう決まってしまっているのです。

 自民党が負け、安倍首相が辞任する場合、10円以上の円高相場への動きを想定しておりますが、これは、今回の選挙はそれほど怖い思いをして見ているトレーダーがいることを示唆しています。

 勝って当然と言う与党の中でマーケットは推移していますので、自民党が勝ってもサプライズ要因ではないため、日本の事情に少し疎い海外トレーダーは、「一度、利益確定したい」と思うことが考えられます。

 つまりは、今回の選挙はロンガーにとってリスクリワードを考えると地獄の選挙となる訳ですが、もし、進みすぎる円安相場についての歯止めとして、今回の選挙を利用しようした参謀が日本に居たとするならば、こうしたマーケット不安の先に何を求めているのか?に我々トレーダーは注目しなくてはいけません。

 今の私では、まだ力不足のため、全く次なる一手が読めていないのですが、日本の後ろには、いつもアメリカが、そして、前回のアメリカの選挙は共和党が・・、この辺りの関係は少なからずあるのかな?と勝手に想像をしております。

ドル円チャートについて

2014年11月23日ドル円4時間足チャート

 さて、今週は色々と語ってしまいましたが、最後はドル円の4時間足チャートでいつものように締めたいと思います。

 チャートは依然としてトレンド上にあることが分かりますが、先に紹介してきたように来週はこの下値のサポートを破る一週間となる可能性が高いと考えています。

 通常であれば、ダブルトップをつけてから落ちることが落ち方としては綺麗なのですが、今回の高値(119)は長い目で見ると「暫定的」と言う意識であれば、下値攻めを行って数ヵ月後に120アタックを始めるならば、チャート上からも違和感が消えるように考えます。

 ここで、月曜日から上値追いの展開となった場合には、本当にビックリする訳ですが、上げた場合には118以上からの売りオーダーをどのように消化していくのか?を見ていく必要がありそうです。

 また、週明けについては、長野県北部を震源とする地震の影響により、動く可能性も否定できませんので、被害が大きい場合にはリパトリエーションの動きを見ての円買いが起きる場合もありますのでご注意ください。

 それでは、今週も張り切ってまりましょう!!