米利上げと日銀砲不発?

 [2015-12-19] いやはや、2015年12月のマーケットは面白いですね。

 米国の利上げに、日本の不発。話題が次から次へと出てきます。

 今年からトレードを始めた方にとって、これが普通のマーケットだと考えては頂きたく無いのですが、それにしても今年の12月は面白いです。

 さて、ここで「何が面白いのか?」と言うお話をさせて頂きたいと思いますが、まず、発表された米国の利上げですが、マーケット参加者はこの時を待ちに待っていたものでした。

 と言うのも、リーマンショック後にバーナンキ総裁から始まった前例の無い金融緩和が行われ、その後、単発で終わると思われた金融緩和が複数年にも渡り行われ、ドルを刷り続けたバーナンキ元FRB総裁は「ヘリコプターバーナンキ(ヘリコプターに乗り空から紙幣をばら撒く様に金融緩和を行ったことから)」とまで呼ばれた。

 そんなバーナンキ元FRB総裁は、これまでのデフレ経済学では無く、日本のバブル崩壊を失敗例として新しい経済学であるインフレ経済学(弱インフレ状態が最も景気が良くなる等の考え)を市場に持ち込んだ総裁でしたが、「バーナンキ背理論」は当時、何度も何度も読み返した記憶があります。

 そんな2008年から始まった低金利時代に対して、ようやく、本当にようやく1つのトンネルを抜け利上げが行われた、メモリアルとなる月であることを感じました。

 今、思い起こせばリーマンショック破綻のニュースについて知ったのはオーストラリアでしたが、当時、ジム仲間だったインドのIT中小企業の社長が、ニュース発表後に突然帰国したことが浮かびます。

 あれから、7年、私も大きく変わったように思います。

 さて、そんな米国の利上げに対して、日本の日銀はどのように動いたのか?と言うと「上場投資信託(ETF)を年3兆円の枠内を追加で年3000億円新設」と言う動きです。

 黒田日銀総裁は「これは追加緩和ではない」と主張していますが、もしこれが本当に追加の金融緩和だとすると、「余りにも再来年度の消費増税を前にして日銀の姿勢が弱すぎる」と言うイメージを持ちます。

 しかしながら、日銀のメンバーの様子を見ておりますと、どちらかと言うと「これ以上の緩和は嫌だ」とする発言が力を持ちつつあるだけに、来年度における対応が本当に重要になってくると考えております。

 もし、ここで腰折れするようであれば、「何の為の金融緩和だったのか?」と考える動きから、一気に円高方向へと振りかけるようなファンド関連の売りが入ることも意識する必要があるように思います。

 しかしながら、こうした動きや考え事ができる12月は本当に嬉しいです。

 今年は、本当に年末までマーケットが楽しめます。

ドル円4時間足チャートについて

2015年12月19日ドル円4時間足チャート

 実は、先週末にかなりの両建てポジションを作ってしまっているので、資産が結構ガチガチになってしまっております。

 そのため、基本的にはレンジ相場は旨みがあるとは思っていないのですが、来週は上のチャートを見る限りでは、前半戦に下攻めが起こりやすい形ではあるものの、戻りが入ればレンジかな?と言う思いでおります。

 恐らく両建てのトレーダーが多くなっていると思いますので、「ポジション外しのタイミングだけ」となってくるかと思いますが、“アワヨクバ”レンジの戻りも狙ってみようと思っております。

 さて、2015年も終わりに近づいてきましたが、あと少し、しっかりとマーケットに向かいたいと思います。