今年の12月相場は休めない

 [2015-11-29] 正直、例年ですと私もほとんどのポジションをスクエアにして、12月は流している感じになっているのですが、今年のマーケットは12月も話題に事欠かない状況となっています。

 特に、米国の利上げが主要な話題になっていることは言うまでもありませんが、こちらの利上げは、現状のマーケットを見ていますと“かなり高い確率”で行われることが想定されています。

 この利上げに関しては、やはりドル円の下支え材料になることは間違い無いかと思いますが、気になる点としては、米国が利上げに踏み切ろうとする中で、再び日銀の緩和姿勢が甘くなっている点です。

 今後、日本が消費税10%へと増税するに当たり、「現在の日本の経済状態は弱すぎる」と言うところは、多くの経済学者も感じているところかと思います。

 特に、2%の増税と言う幅よりも「10%と言う計算しやすい消費増税である」と言う点について、もう少し注目があるべきだと個人的に考えております。

 そのため、政府関係者からは景気の落ち込みは政権の信頼に直結するため、追加緩和を希望する声が出てきております。

 しかし、その一方で日銀は、追加緩和に対して二の足を踏む姿勢が強調されつつあり、マーケットは、FRBの動向に合わせて硬化する日銀の動きに呼応して、若干上値が重くなった部分があると考えています。

 次に、テロおよびロシア・トルコ情勢に関してですが、正直、ここの読み筋は非常に難しいと考えています。

 ロシアにしてみれば、シリア沖から欧州への資源輸出経路の確立は、ウクライナおよび欧州に対するガス輸出に影響を与え、交渉カードの欠如を意味することになります。

 そのため、「シリア情勢が穏やかに解決して欲しく無い」と言うのが本音と言うところだったはずです。

 そこで、ロシアはシリアに空爆を開始すると、ISだけで無く反政府組織までをターゲットに入れてた動きを見せていたところがあると考えておりました(余りこの辺りについては詳しい知識がある訳では無いので、ほぼ想像ですが・・。)。

 これはつまり、フランスや米国の空爆により、かなりISの力が弱まっていたことを意味しており、その力の弱まりがフランスでのテロに繋がったと言う憶測も立てられるかも知れません。

 そのような中で、トルコがロシアの戦闘機を撃墜してしまったのは、米国や欧州各国は怒り心頭だったのでは?と思います(ロシアは上手くやった?)。

 こういうことを考えておりますと、やはりまだまだ年末にかけて情勢が安定化することは難しい・・と言うイメージが出てきます。

 今年はまだまだトレーダーが残っているとは言え、こうした情勢が背景にありますと、例えば、「地上軍の派遣」と言うニュースでも一気に売りが入りマーケットが崩れることも考えられます。

 現在、トルコとロシアが一触即発な状態であることを考えると、こうしたことを意識しておかなければ、突然の変動についていけなくなるのでは?と言う思いと戦っています。

 しかしながら、まずは来週の米雇用統計からです。

 ここでの数値は最近「14万人以上ならOK」と言う新しい見方も出ておりますので、その辺りの数値にも気を付けながら、米国の景気を占い、利上げの可能性について考えてみたいと思います。

ドル円4時間足チャートについて

2015年11月29日ドル円4時間足チャート

 最後にいつものドル円チャートになります。

 こうしてチャートを見てみますと、先週末の動きがトレンドブレイクを示唆しており、さらにダブルボトム形状になっていることも分かります。

 そこで、週明けの動きが軽めに下向きに出た場合には、買いで対応してみてダブルトップの上抜けを狙う形で対応し、強そうならば、ダブルトップ下限辺りでの反発狙いの買いを考えてみたいと思っております。

 今の段階では上下に大きな窓を作るようなニュースは出ていないと思うのですが、窓が開いた場合には比較的に戻りやすい月曜日になることを今の段階では考えております。

 「全体的には週末の米雇用統計に向けての期待上げ」と言うスタイルでトレードに挑むことを考えておりますが、1年の締めくくり、一緒に頑張ってマーケットの荒波に向かいましょう。