レンジに利上げ材料無し

 [2015-03-21] 気がつけば早いもので既に3月は終盤に近づいていることに、個人的には焦りを感じながら今年のトレードを行っています。

 昨今では、この2月3月と急に動きが鈍くなる展開が多いFXマーケットですが、今年のマーケット状況も119~122と3円の値幅を意識した展開となり始めており、レンジ相場ではスイングの破壊力が完全に失われてしまいますので何とか早めのブレイクが欲しいように考えております。

 さて、やはり多くの方が気になっているのがドル円マーケットの上下の動き方と先日の引けでの打ち込みについてだと思いますが、為替関連のニュース等によりますと「米利上げ意識の後退によるドル売り円買い」と言う風に解説が行われていました。

 こんな内容であれば正直FXトレードを2~3ヶ月程度の経験がある人でも十分書けてしまう訳ですが、「まぁ、材料が無い状況での手仕舞い売り」と言うのが私の見解となっています。

 「売買には理由があるなら値動きにも常に理由がある」と言うのであればこの回答は間違いとなる訳ですが、FOMCの底値ロングを決めた人たちが上値の重さとレンジ相場展開を意識して、特に期待材料も無いことですし一旦ポジションをフラットに戻した動きもあったのでしょう。

 こうした上値叩きの中で、119を下抜けてくれると一気にマーケットは面白い値動きになってくるのですが、やはり下値付近では本邦系からのまとまった長期資金が政府関連や民間から大量に出されるので、底堅く推移を見せています。

 さすがにこのまま右肩上昇の動きと言うのも今の段階では考えていないのですが、例えばこの動きのままで10月に突入するような事態になりますと、輸入系からのドル買い需要を受けて「130円140円コースの動き」と言うのも否定できません。

 もちろん、政府や日銀はこうした動きに関して歯止めをかけてくることになるとは思いますが、日銀は金融緩和推進状況で、米国は引き締めモードとなる中で、両者の立場の差は明確に広がってきているとも言えます。

 先日、海外時代からの友人であり、飲食店・不動産経営者の者が、「正直、今の値動き見ていると130円や140円もあるんだよね」と言う私の相場観を「それはさすがに無い!」と爆笑していましたが、こうした「無い!!」と言う強い思い込みが一般に広がっていることに、デフレが根付いていることを意識します。

 もちろん、今年は輸出業も円安の煽りを受けてかなり好調なモードとなっていますが、輸出系からの円買いオーダーを目にすることが有っても、輸入系からのドル買いオーダーが入ったニュースを聞いていません。

 たまりにたまったドル需要オーダーは、恐らく116円台に115をバックにして大量に置かれているかと思います。

 そう考えると一気にストップを巻いて落ちた場合でも実需によるドル買いオーダーがバックにあるので、ロンガーはドル買いに走りやすいですよね。

 やはり130円140円コースに・・・。と言うことも忘れてはいけないと思う今日この頃です(笑)。

ドル円4時間足チャートについて

2015年3月21日ドル円4時間足チャート

 さて、それでは最後にドル円の4時間足チャートについてですが、今回は先週のレンジラインもチャートに表示してみました。

 こうやって見てみると、若干上値が切り下がりを見せつつあることが分かるかと思うのですが、ファンダメンタルズ的には先週のFOMCを受けて利上げモードからのガス抜きが行われている、つまりは過剰期待への調整が行われているような状況となっています。

 チャート的にはもちろん大きな下髭を見て頂ければお分かりになられるように、かなり強気での買いが入っていることが分かる訳ですが、ブレイクに集中してみると、一気にロンガーのポジションが狩りとられていることも分かります。

 こうした動きは短期円売りポジションの握力チェックとも言える訳ですが、少し状況が振れただけで一気に下がった動き方を見ると、やはり今後もう少し仕掛けを持って「ロンガーのストップ狩りを行いたい」と言うファンド関連発端の動きも考えられます。

 そのため、チャートには下向きのトレンドが出やすい状況なのかな?と言う意味も込めてレンジを下に修正してトレンドを意識するような形で構築しています。

 全体のイメージとしては火曜日のCPIの結果が気になるところかと思いますが、最初の動きとして、先週末の下攻めの流れ継続の朝からの下押しスタートには注意し、下押しで始まったのであれば、逆に五十日のスポット日を意識しての日本時間に向けての反転上昇は狙ってみたいと考えています。

 全体としては上値が叩かれているとは言え、上値に対して突き上げる動きを意識しながら、短期差込での下落も考えておくだけで、比較的動きやすいことを考えています。

 3月半ばのマーケットとなりますが、CPIが高ければ一気に利上げモードになることさえ抑えておきながら、今週一週間も戦っていきたいと思います。

 それでは今週も張り切って参りましょう☆