ドル円の上値アタックと中国

 [2015-10-24] 私用にて2週間FXブログの更新を休ませて頂いておりましたが、先日、ようやく帰国致しました。

 かなりのハードスケジュールの中でもマーケットを追いかけ続けておりましたが、やはり相場観が落ちているのは間違い無いので、簡単に今のドル円状況についておさらいをしてみたいと思います。

 まず、ドル円は週末に121.46円を付けて引けましたが、ここまでの上昇が見える前には日足レベルでの下値アタックが起こり、事実上のレンジブレイクまで起こしたタイミングで、それがダマシとなったことへの反動がありました。

 その下支え要因として、強気な推移を見せていた日経平均株価があり、ソフトランディングに向けた中国政府の行動、さらにアメリカの雇用状況の大幅な改善がありました。

 この展開について私は座して待つしかできなかったのですが、全体的には買いポジションを持っていると言うところで良い動きとなってくれてはいます。

 しかしながら、この展開について足元の状況がグラグラしているポイントが2点あることについても留意しておきたいと思います。

 まず、米国についてかなり新規失業率申請件数が良く、「4週平均が1973年以来で最高の数値」が出ていることに注目が集まっており、これは、米国の失業率低下を示唆するものとなり、米国の12月利上げを濃厚にする(10月利上げを否定しない)ものとなっていることを予想した投資家が動いたことで、ドル円の上昇に繋がりました。

 つまり、最終的には米国の利上げにを意識させるかどうか?がポイントとして動いている訳ですが、米国では外部環境の悪化(中国を含む資源国状況の悪化)に伴う影響を過小評価している部分が残っています。

 これらの流れは全て中国の経済状況に繋がってくることになる訳ですが、中国は週末「追加利下げ・預金準備率引き下げ」を行い、これで流出する中国への投資および下げ止まらない元に歯止めができるのか?景気の下げ止まりを示唆することが?と言う点に注目が集まっています。

 私の感想で言うならば、今回の利下げ程度では全く効果を発揮することは無いだろう・・と思っておりますが、今後、どのようにして政府がこのバブル崩壊状況を緩やかなものにするか?がドル円相場に大きく影響を与えることになりそうです。

 さて、今回は最後にカナダの状況についてお知らせして終わりにしたいと思います。

 まず、私が今回訪れたカナダのバンクーバーは、私が10年前に生活をしていた場所で、当時はピザの1ピースが1ドル(約90円)程度で購入が可能となっておりました。

 それが私の毎日の主食だったのですが、それが今では1ピース2.25ドル~2.85ドルと、10年前と比べて2.8倍にまで値上げが行われており、もう決して安いものでは無くなってしまっておりました。

 次に、アパートなどの家賃についてですが、これもまた当時から比較すると2倍近くにまでなっており(実際には2倍以上も多々あります)、建物の経過年数を考えると下がって良いはずですが、例えば、築40年を超えるようなボロボロの一軒家が3000~4000万円で売買されるなど、まだまだ右肩上昇となっているようです。

 この上昇は冬季オリンピックが行われた頃でピークを付けることなく伸び続けており、正直、日本で仕事をする私たち日本人の物価よりも「明らかに高い印象」を受けました。

 こうしたカナダの物価上昇の原因は何でしょうか?

 実は、バンクーバーにはイギリスから香港を中国に返還されることが決まってから、中国人が大挙して押し寄せた過去があり、今でも多くの中国人が住んでいます。

 その中国系カナディアンに加え、さらに中国の経済成長を受けて中国本土から流れ着いた成金の中国人が加わり、バンクーバーは完全にバブル化してしまっていると言えます。

 街では十代であろう?と考えられるような少年少女が、フェラーリやポルシェと言った高級車を乗り回し、高級ブランド店で買い物をしています。

 これがバブルで無ければ何なのか?私は、中国バブル崩壊が世界に与える影響の強さに思わず身震いをしてしまいました。

 現在、アメリカは「中国の景気失速による影響は小さい」との見方を示してしますが、果たして本当のバブル崩壊が起こった場合に、本当にそうなのか?、今回の視察で私は「間違い無く多大な影響を与えるであろう」と言う確信を得ました。

 現在、日本には円高改善の影響もあり大勢して外国人観光客が訪れていますが、この状況について凄く良いと思う反面、日本全体の国力の弱さがこうした日本の安さに繋がっているのでは?とも感じてしまいました。

 もし中国バブルが崩壊した場合に、どのようにして日本経済をけん引して行くのか?今の日本経済を下支えしているのは、少なからず大きな影響を持っているのが中国マネーです。

 今後、どのような推移を見せるのか?来週頭は上攻めスタートである可能性が高いドル円ですが、最後の最後でマーケットの方向性を握るのは、やはり中国と言う事になってきそうです・・。

ドル円4時間足チャートについて

2015年10月24日ドル円4時間足チャート

 さて、それでは最後にドル円の4時間足チャートです。

 できれば現在の流れを見るには日足チャートで見て頂くのが良いと思いますが、4時間足レベルで見てもかなり面白い形になっていることが分かります。

 特に引けが上値上限に突っかけて引けたことで、例えば窓空きが上で始まった場合は「包み線」で日足が入る可能性も残されており、そうなった場合には、かなりの下方向への圧力が出てきそうです。

 また、ブレイクを完成させるケースでは、近年は年末に向けて上方向へと延びる展開が示唆されやすいので、125円高値の再度アタックも考えられる形までイメージされます。

 こればかりは月曜日のマーケットを見てから考えたいと思いますが、とりあえずここまで伸びたので上窓であれば売りで入ってみたいと思っております。

 さて、来週もバタバタすることが決まっていますが、張り切って参りましょう☆