ドル円は調整と底探りか?

 [2015-06-13] 先週の見方では128に到達しておいて欲しかったドル円相場が、雇用統計の全戻しは想定していたものの、さらに黒田日銀総裁の口先介入により値を下げたことから、先週、私の歓喜とともにあった含み益も萎んでしまい意気消沈となっております(笑)。

 しかしながら、タダでは転ばない私は、米雇用統計の最高値でちゃっかりとロングの半分となるショートを打ち込み、上手く黒田介入にも対応しました。

 ただ、これが「雇用統計で戻る可能性が高い」と言うデータと「先週末の高値が雇用統計であった」と言うことで無ければ、持越しショートを打ち込んでいたかは微妙なところですので、「運が良かった」と言うトレーダーとしては納得してはいけない状況もあります。

 さて、今後の相場展開ですが、私の周りの方の話を聞いておりますと、「これでドル円の上攻めは終わったな・・」と言う意見がチラホラと出始めているのですが、私にしてみると「???」と言う思いでおります。

 今現在の動き見る限り、完全に調整の段階であって「上攻めが終了した」と判断するには時期尚早と言った展開であるように見えております。

 と言うのも、米利上げの話題が出ている中で上げている最中、マーケットの調整時に黒田総裁発言でイケイケムードに水が差されているだけで、全く大きな流れと言うものには全く変化がありません。

 また、マーケットとは言うことを聞かないもので、「口先介入で動いた分は取り戻す」と言う傾向が強いです。

 そのような中で、もし今回の発言で上攻めが終了するようならば、さらに何か上値の重しとなる事柄が必要になることを想定しているのですが、それがギリシャなのか中国なのか、まだ見えておりません。

 ただ、来週についてもこのような不測の材料が出た場合には、トレンド的に上値を突っかけた後の調整局面からの加速も十分に考えられるので、大きな円買いネタには注意しておきたいとところだと考えております。

 最後に、やはりギリシャについて触れておく必要があると思うのですが、内容的に「余り周りが騒いでいない」と言うのが危険サインと言えるのですが、実際、ドイツの対応やニュース記事などを見ていますと、ギリシャと債権者の話し合いの手ごたえは「過去最悪」と言えるのかも知れません。

 少なくとも、現在、マイナス金利導入やアメリカの利上げ観測などによりユーロ安へと誘導が必要なくなった中で、このギリシャ関連にて飛び出してくるニュースはかなり悪い内容だと言えます。

 ギリシャのニュースが出ますと、続いて必ずポルトガル・スペイン・イタリアの話題が出ますので、この辺りの不穏な影については既にトレーダーに刷り込まれているとは言え、気持ちが良いものではありません。

 今回の反応を見る限り、トレーダーが比較的楽観視をしながら構えているので、万が一のケースについてリスクオフの動きが急加速することも頭に入れておく必要があると考えています。

 債権者との折り合いがついた場合には、リスクオンによるユーロに対してのドル売りが発生する可能性もあり、通貨全体としてドル売りの流れを取る可能性もありますが、ドル円ついてはクロス円が円売りで動いてくることから、他の通貨ほど強いドル買いとなることは無いと考えています。

ドル円4時間足チャートについて

2015年6月13日ドル円4時間足チャート

 それでは後半はいつものようにドル円のチャートについて紹介してみたいと思います。

 現在のドル円チャートを見ると、基本的にトレンドブレイクの動きが出ており、雇用統計の上げをピークにした上昇トレンドは一端収束しています。

 その後に発生したトレンドは下向きに出ており、黒田日銀総裁の発言をボトムとしてトレンドに戻りが入り、今後レンジとなりやすい上下のテクニカルラインを形成しています。

 下値については、先に紹介している通りに大きなマーケットの流れに変化が無いために硬く推移することが考えられますが、上値にいくつかのレンジ相場になる目安として考えれられる抵抗ラインが走っています。

 そのため、トレードとしては底値買いのレンジを意識してのトレードで組み立てておき、上値抵抗を抜けた場合には、雇用統計時に最高値をキーにして128円までを考えております。

 チャート全体的にはどちらにも触れる状況となっているだけに、材料無しでの下値確認時には反発は強いのかな?と言う思いは持っております。

 それでは皆様は、今週もお疲れになられたと思いますが、来週も張り切って参りましょう!!